2021年1月31日日曜日

裏・初心者向けマーケット利用ガイド?〜(ハイセクの)市場で見かけたダメオーダー

先月投稿予定でしたが、諸事情により大幅に遅れたマーケットガイドの続きです。スンマセン!(投稿忘れてたとかいえない

前回:EVE Online 初心者向けマーケット利用ガイド

初心者向けマーケット利用ガイド本編では、初心者の皆様を対象に最小限のロスでマーケットを利用する方法について、独断と偏見を交えてお話しました。健全な初心者プレイヤーの皆様には上記ガイドを守り、金銭的時間的ロスを最小限にして、上手に素通りするようにマーケットをご利用され、稼いだ現金と節約した時間でEVEの他の場所で様々な経験を積まれることを切に願って止みません。


さて、ここからは主に健全でない初心者の皆様のためのおまけです。「私はそれでもマーケットにオーダーを置きたい」という初心者の方もいると思いますし、失敗を恐れず何でも試せるのは初心者の特権でもあります。そんな不良初心者の皆様のために、マーケットでよく見かける損なオーダーの特徴についてまとめました。損なオーダーを出して喜んでる人のことを、世間ではカモと呼びます。自分がカモにならないためにも、以下のようなオーダーを出そうと考えていた人は、なぜ損なのかしっかり理解して下さい。

なお、下記の特徴が複合しているオーダーもよく見受けられますので注意してください。ガイド本編でお話ししたマルチセル/バイと複合していると思われる場合もよく見かけます。

本題に入る前にオーダーを自分で出す人なら当然知っているべき話をしておきます。標準の設定では自分で発行したオーダーの背景は、買取範囲内を示すのとは別の色になっています。売却オーダーで背景に色が付くパターンは他にありませんし、購入オーダーを出す人は自分の出したオーダーの確認方法を知っているとは思いますが念のため。後ほどオーダーの背景の色の話が出てきますが、この話題を入れるちょうどいい場所がなかったのでここでお話ししておきます。


・学校などから出ているオーダー

ここで言う学校というのは、キャリアエージェント(通称10連ミッション)を受けられるステーションのことです。学校に限った話ではなく、学校でも商業地でもないステーションから発行されている悲しいオーダーもあるのですが、特に学校からのものが多いので代表させています。要するに、商業地以外の場所から出されているオーダーのことです。

このオーダーの何が問題かと言うと、そのステーションに商品を売買するためにわざわざ来る人が少ないため、取引が成立しづらいということです。初心者の人にとっては(自分がお世話になっている)学校は世界の中心かもしれませんが、それ以外の人にとって学校は、良くて「その辺にいくらでもあるただのステーション」、悪いと「カモの溜まり場」です。

もう一つの問題は、筆者の経験上、購入オーダーを出す人のほとんどは売却オーダーを見ていないらしい、ということです。商業地で出ているオーダーくらいは確認しているようですが、それ以外の場所で出ている割安な売却オーダーが長く残っている例はよく見られます。買わない理由は簡単で、「取りに行く手間がもったいない」からです。

オーダーを置くなら、売買が成立しやすいステーション、すなわち商業地に置くべきです。購入オーダーの場合は商業地が含まれるように購入範囲を設定することもできますが、プレイヤーの知識とキャラクターのスキルが必要な点で初心者向けではありません。


・装備するモジュールを入手するための購入オーダー

オーダーには売却/購入理由は記載されていないので推測に基づいた話になりますが、稀に装備するモジュールを入手するために発行されていると思われる購入オーダーを見かけます。大抵は売却オーダーと購入オーダーの価格差が非常に大きく、売却オーダーの価格が高価(と言ってもせいぜい数百kisk程度)なモジュールです。

「モジュールを購入したいけど出ている売却オーダーの価格が高すぎるので、購入オーダーで安価に購入したい」というのが理由だと思われますが、こういったオーダーを発行するのは絶対にやめるべきです。

まず、購入オーダーを出しても実際に購入できる保証はどこにもありません。モジュールに限った話ではないですが、購入オーダーを出して購入できるペースは、実際に購入オーダーを出してしばらく観察しないと分からない場合がほとんどです。日常的にある程度の数量が購入できる(購入オーダーに対応して売却されている)商品なら問題ないかも知れませんが、数日ごとにまとまった数が購入できるとか、最悪の場合はほとんど購入オーダーに対する取引がないといった商品も多数存在します。使用するためのモジュールなら今すぐにでも欲しいはずですが、流通状況を知らない商品を購入オーダーで購入しようとするのは時間がかかりすぎますし、不確実性が高すぎます。

もう一つの理由は、オーダーを置いただけでは売却/購入できない場合も多い、という問題です。というのも、マーケットには自分のオーダーが最優先になるようにオーダーを修正してくる競合プレイヤーがいることが多いからです。これに対抗して自分のオーダーを最優先にするには、定期的にマーケットを確認して必要に応じてオーダーを修正する手間が発生します。また、最近のアップデートによりオーダーの修正には(原則的に)無視できない額の手数料が発生しますので、オーダーを変更する度にそれなりの金銭的なロスが発生します。これでは本末転倒でしょう。

時間も現金もできるだけ使う量を減らしたいのは誰でも同じですが、初心者にとっては時間の方がより貴重だと思います。数百kisk程度の現金で解決するのなら、現金より時間を優先するのが初心者にとって正しい選択だと考えます。

とはいえ、ガイド本編でも書いた通り、購入したい商品の売却オーダーが高額すぎるものしかない場合もごく稀に存在します。購入したい商品について高額すぎる売却オーダーしかない場合は、初心者が使わないようなモジュールであるか、タイミングが悪くて適正価格のオーダーがなくなって(売り切れて)しまった場合だと思います。そんな場合はヘルプチャネルなどで熟練プレイヤーに意見を聞いてみてもいいですし、急いでいなければ翌日以降にもう一度買いに行くのがいいと思います。大体翌日には適正価格の売却オーダーが出ていることが多いです(保証はありませんしできません)。危険は増しますが、この機会に近隣の別の商業地に出かけてみるのもいいかも知れませんね。



・価格を手動で変更していないオーダー

新しくオーダーを置く場合、価格欄には何かしらの数字が入力されていると思います。大抵はすでに出ているオーダーに関連した値になっているのですが、確認は必要です。特に取引量が少ない商品の場合は注意が必要です。というのも、この数字が実際の流通価格と全く関係ない値になっていることがあるためです。

このような確認・変更をしていないと思われるパターンは大抵売却オーダーで見られます。というのも、購入オーダーを出す人は大抵価格に対するイメージを持っているため、市況確認や価格設定をしないでオーダーを出すことが少ないためです。現金が欲しい初心者が、ルート品などの不要アイテムを売却するために出したと思われるオーダーでこのパターンに当てはまるものは多く見受けられます。

このようなオーダーの何が問題かと言うと、「オーダーを出した本人にとって有利になることが少ない」ということです。売りオーダーで価格が高過ぎれば長期間売れ残りますし、価格が安過ぎれば(運良く)売れたとしても本来売れるはずの価格より低い価格で売っているわけで、結果的に損をしています。「現在の買いオーダー価格より高いが買ってくれる人がいる価格」だった場合には得をする可能性もありますが、上述の通り買いオーダーを出している人は大抵売りオーダーを見ていないと思われるので、売却に成功して結果的に得をしたとしても、ただの幸運でしかありません。

対策ですが、オーダーを出す時は必ず市況を確認して、いくらで売る/買うのか手動で設定するようにしましょう。商品数が多いとつい手を抜きたくなりますが、確認を怠って損するくらいなら、初めからオーダーを出さない方が結果的に得だと思います。


・下一桁を1だけ変更した反対オーダー

最近のアップデートにより、オーダーに設定する価格は原則として有効数字4桁、つまり一番上の桁から4桁目(かつ小数点以下2桁)までしか設定できなくなりました。かつてマーケットでの値付け合戦は「0.01isk war」などと言われましたが、今や0.01isk単位で値付けできるのは単価100.00isk未満のごく一部の商品だけとなりました。

ということで、既存のオーダーに最小限の価格差をつけたオーダーを出すためには、上から4桁目(もしくは小数点以下2桁目)を1だけ変えることになります。有効数字、つまり価格設定時に設定できる数字の一番下の桁なので、ここではその桁のことを下一桁と呼ぶことにします。

さて、既存の売却オーダーに対抗する売却オーダーを出すために下一桁を1だけ減らす、あるいは購入オーダーに対抗する購入オーダーを出すために1だけ増やしたオーダーを発行することは、マーケット活動における基本戦略ですし、当然のようにできなければいけません(が、後述のようにできない人も多いです)。かつてはオーダー更新のタイミングが被った際の対策として(小数点以下2桁目を)2だけ増減させるというテクニックも使われましたが、上述のアップデートの影響で更新タイミングが被ることもほぼなくなりましたので、現在行う必要性はないと思います。

ところで、「購入オーダー最高額より下一桁が1だけ大きい価格の売却オーダー」(あるいはその逆)が出ているのをよく見かけます。筆者は「釣りオーダー」と呼んでいますが、自身の買いオーダーに物を買わせるため(あるいはその逆)にこういったオーダーが出ているのは昔からよく見かけました。しかし、最近は釣りオーダーではないパターンも多く見かけます。なぜ釣りオーダーでない場合があると言い切れるかといえば、最高額の買いオーダーを出しているのが筆者自身なのにこういったオーダーが出ている場合はよくありますし、後述の理由で筆者はこういったオーダーを出さないからです。

釣りの意図がないのにこういったオーダーを出す理由を推測すると、「現状の最高値は安すぎるけど、高く出しすぎると売れない可能性が高いから、最小限の価格だけ上げたオーダーを置いてちょっとでも得をしよう」ということだと思います。ですが、残念ながらこういったオーダーはかえって損をしているのです。

損をする理由は、マーケット使用時に取られる手数料の仕組みにあります。まず、マーケットで商品を売却する際には物品税(または取引税、Sales Tax)が売却金額から徴収されます。これは即時売却でも売却オーダーを置いても金額は変わりません。オーダーを置く、つまり有効期間が即時ではないオーダーを発行する場合は、これに加えて仲介手数料(Broker's Fee)を取られます。つまり、同じ金額で商品を売買しても、即時取引とそうでない場合では、後者の方が仲介手数料の分だけ金額的に損をするということです。

仲介手数料の金額は商品の価格に対する割合で決まり(ただし100iskは必ずかかる)、NPCステーションの場合は初期値で5%となります。スキルと国家・企業スタンディングによってある程度下げることができますが、筆者の経験上3%以下にするのは困難です。五大商業地はNPCステーションに立地していますので、スキルもスタンディングもない初心者キャラがオーダーを置くだけで価格の5%程度(もしくは100isk)損をすることになります。下一桁を1だけ変えても価格はせいぜい0.1%程度しか変わらないので、下一桁を1だけ変えてオーダーを出すと約5%損をする、ということになります。商業ストラクチャの場合は仲介手数料を1%に設定していることが多いですが、それでも1%近い損が出ることに変わりはありません。

損が出るばかりか、別の問題もあります。オーダーを置くということは、そのオーダーの条件で取引する相手が現れるまで売買が成立しないということです。つまり売買が成立するまでに時間がかかるということです。これは少しでも早く現金が欲しい初心者にとって問題になるでしょう。加えて、取引する相手が現れる保証はどこにもありません。下手をするといつまで経っても売買が成立しないわけで、そうなるとオーダーを出した意味がありませんね。

結論としては、このようなオーダーを出しても時間的金銭的に損をするだけなので、即時取引で今すぐ現金/商品を手に入れた方が圧倒的にお得です。こういったオーダーを出すのは(釣りオーダーを出す時以外)絶対にやめましょう。


・価格設定が雑なオーダー

これから取り上げるタイプのオーダーを初心者さんが出していると思われる例もあるのですが、EVEの初心者さんというより商売や生産の初心者さんが出していることが多いと思われるタイプのオーダーです。

先ほど価格設定は上4桁まで指定できるという話をしましたが、既存オーダーに対抗して同種のオーダーを出す場合、前述したように下一桁(つまり上から4桁目)を1だけ減少/増加させたオーダーを出すのが基本です。ですが、上3桁や上2桁、ひどい場合は上1桁だけ指定した対抗オーダーを出す人がいます(筆者は「4桁指定できない病」患者と呼んでいます)。あるいはもっと極端に値下げ/値上げしたオーダーを出す人も結構います。

結果として最安値/最高値になればオーダーを出した本人の目的は達成されているので、一見問題はなさそうに見えます。しかし、競合オーダーを出している人たちにとってみれば、これは地味に迷惑なオーダーです。

EVEのマーケットで同一場所で同一商品を売買する限り、価格以外で競争できる要素はほとんどありません。既存オーダーに価格で対抗するには、売却価格を下げる/購入価格を上げることになるわけで、オーダーを出している側にとって価格面で不利な条件を提示することになります。こうして出されたオーダーに対してさらに対抗するためにはさらに価格を下げた/上げたオーダーを出さなければいけないわけで、競争が続く限りオーダーを出す側にとって価格条件はひたすら不利な条件になっていく、というのがEVEのマーケットにおける競争の基本構造です。不利な条件を提示するにしても金額変更の幅は最小限にするのが一番いいので、オーダーの優先順位だけを考えれば必然的に下一桁を1だけ、つまり価格指定で許される最小限の幅で価格を減少/増加させたオーダーを出すのが定石かつ最適解となります。

ここで仮に上3桁しか指定していない対抗オーダーを出すとどうなるでしょうか。このようなオーダーの場合、対抗させたオーダーに対して下一桁単位で2〜10分価格を減少/増加させたことになります(結果的に1だった場合は定石通りのオーダーです)。つまり、本来可能な最小限の幅に対して2〜10倍の早さで市場価格を不利な方向に動かしたことになるわけです。これにより、まずオーダーを出した本人自身にとって価格面で2〜10倍の早さで不利な条件を出したことになります。極端な言い方をすれば、これはただの自爆行為です。加えて、競合オーダーを出す人にとってみれば自分たちが出す対抗オーダーも同じ大きさだけ不利な条件になることを強要されたことになります。控えめに言っても反感を買いますし、場合によっては恨みを買ってオーダーを出したキャラを特定(最安値/最高値オーダーを出していれば簡単)された上で様々な妨害をされる可能性も決して否定できません。

価格の変更幅を最小限にして対抗オーダーを出す時は、必ず下一桁まで指定して価格対抗幅を最小限にしたオーダーを出すべきです。細かい価格指定とこまめなオーダー確認・更新が面倒だと思う人はマーケットにオーダーを出すのには向いていないので、他の楽しみを見つけた方が正解だと思います。

ちなみに、マーケットでオーダーを発行したり変更する場合、数量や価格を指定する欄はマウスのホイールでも操作できます。価格欄をホイール操作で変更すると下一桁単位、すなわち指定可能な最小単位で変更できます。すでに出したオーダーに対して対抗オーダーを出された際に、価格を変更してさらに対抗する際に大変便利です。数値指定欄右端の上下の三角でも操作可能ですが、ホイールを使った方が楽だと思います。

あと、現在の市場価格とあまり関係のない値下げ/値上げをしているオーダーもよく見かけます。もしかしたら「大きく価格を変えれば需要が増えてすぐにオーダーが捌ける」と考えている人もいるかも知れません。しかし、筆者の経験上そういった商品はほとんどありません。価格が上ろうが下がろうが大体同じようなペースで売買されている商品がほとんどで、ある水準を境に売買数が急変するアイテムがあるかも知れない、というのが筆者の実感です。そのような状態で、市場価格を無視したオーダーを無意味に出して最安値/最高値を取ったとしても、余計に買えるのは競合プレイヤーの反感だけだと思います。

似たようなオーダーで価格操作、つまり売却/購入価格相場を大きく減少/増加させることを目的として出されていると思われるオーダーも案外多く見かけます。これは先述したとのとはまた違う形の釣りオーダーと言っていいでしょう。その商品を運良く売却/購入しようと思った人にとっては幸運になりますが、競合プレイヤーにとっては難しい判断を迫られるオーダーです。この辺りの対抗手段については初心者向きではなさすぎるので割愛しますが、そのようなオーダーを出すプレイヤーがいることは覚えておいて損はないかも知れません。

既存オーダーの価格を無視してオーダーを出すことは禁止されていませんし、そうすべき理由があると思うならそうすることに問題はありません。実際に筆者は明確な理由があってそういうオーダーを日常的に出しています。しかし、もしそうする理由がないのなら、市場価格とあまり関係のない値下げ/値上げをしたオーダーを出すのはやめておいた方がいいでしょう。


・近隣ステーションの価格に釣られたオーダー

これは上述の無意味な値下げ/値上げをしたオーダーの一種なのですが、オーダーの発行に慣れていない人がやってしまいがちな失敗なので、個別項目として取り上げました。

特に理由がない限りオーダーは商業地で発行するのが定石ですが、商業地付近からもオーダーが発行されていることはよくあります。これは商業地付近に商業ストラクチャが建っている場合(例:ジタに対するペリメーターのTTT)に顕著に見られます。非商業地側のオーダーは商業地より価格面で有利でないと取引相手が現れませんが、商業ストラクチャからの購入オーダーは範囲指定で商業地を含めることができるので、商業地と同一価格で競争していることがほとんどです。逆に売却オーダーは範囲指定ができないので、基本的に人が集まりにくい非商業地側の相場は商業地より安くなる傾向があります。その結果、非商業地側と商業地側で売却オーダーの相場に無視できない価格差が発生することになります。

このような場合に価格差の影響で割高な商業地側の売却オーダーが全く捌けなくなるかというと、そんなことはなくて価格差があっても普通に商業地側の売却オーダーは消化されていきます。非商業地側も売却オーダーは消化されているはず(でなければオーダーは出続けない)なので、結果としてリージョン内の売却オーダーの価格相場が2つある、ちょっと不思議な状態が発生します。

また、商業地でもなければ特に集客力があるわけでもないステーションから(運送の手間を考えなければ)価格的にお得なオーダーが出ていることも頻繁にあります。こういったオーダーをわざわざ確認する人は少ないので、結果的に長期間残っていることが多いです。

このような場合に、商業地側でオーダーを出す際に非商業地のオーダーに価格的に対抗できる売却オーダーを出すとどうなるでしょうか。オーダーで指定した価格は商業地側で最安値をつけるための最大価格よりもだいぶ安くなっているはずです。つまり、上述の無意味な値上げ/値下げをしたオーダーを発行したのと同じことになります。後の影響も全く同じですが、価格差が大きくなることが多いので影響も大きいかも知れません。

対策ですが、オーダー発行前の市況確認の際に、各オーダーがどこから出ているかよく確認して、商業地の価格水準がいくらなのかを分析することです。非商業地で多くのオーダーが発行されて独自相場を形成しているステーションはそれほど多くありません。大抵は各商業地ごとに幅広い商品を扱うストラクチャが1カ所と、特定商品のオーダーが多いストラクチャが1・2箇所あるくらいでしょう。

と偉そうに書いていますが、筆者は本記事の執筆中にうっかり非商業地の価格に釣られたオーダー変更をしてしまい、しかも再変更するのを忘れるという失敗をやっています。焦ったり油断したりして確認を怠ると、慣れていてもやってしまいがちなので注意が必要です。


・数量が多すぎるオーダー

先述の「無意味な値下げ/値上げをしたオーダー」と同様に、EVEの初心者さんというより商売や生産の初心者さんが出していることが多いタイプのオーダーの話ですが、特に生産の初心者さんが陥りやすいパターンのようです。売却オーダーでこのパターンに当てはまる例が多いのですが、購入オーダーでもこのパターンに当てはまるオーダーは存在します。もっとも、購入オーダーの数量が若干多めになっているのは、ごく普通かつ自然なことではあります。

突然ですが、ここで算数の問題です。

『ある商業地のマーケットで、1日に必ず1個だけ売れるアイテムがあります。このアイテムを最長期間の90日間オーダーを出して売りに出した場合、オーダーの期限切れになるまでに何個売れるでしょうか?オーダー数の不足による欠品や対抗オーダーは発生しないものとします。』

特にひっかけの意図はないので、作為解は『90個』となります。

さて、今の問題の条件で販売数量500個のオーダーを出したらどうなるでしょうか?当然ですが、90日間で90個売れて、オーダーの期限が切れたあと売れ残った(500-90=)410個が手元に帰ってきます。ここまで読んでいて、「そんなオーダー出す奴がいるわけないだろ!」と思っている方もいるかも知れませんが、(競合プレイヤーとしては)恐ろしいことにこのタイプのオーダー、割と高い頻度で見かけます。

このタイプのオーダー、つまり流通量に対して数量が多すぎるオーダーを出すことのオーダーを出した本人にとっての問題は、「売れ残る/買い切れない分の数量を指定するために用意した商品/現金をオーダー期限切れまで運用できない」ということです。オーダーをマーケットに置くというのは商品や現金をマーケットに預けることとほぼ同義で、オーダーが残っている間はその分の資産を運用、つまり他の場所で販売したり他の目的で現金を使ったりすることができません。最終的に期限切れで戻ってくることが明白な商品/現金をマーケットに預けるのは、資産運用の効率面では有害無益な行為です。

このタイプのオーダーを出す人はオーダーを出したら放置しているパターンが多いのですが、価格の修正をして最安値/最高値を維持する人もいないわけではありません。この場合はさらに別の問題が起きます。価格修正の際は価格変更手数料がマーケットに徴収されます。これはオーダーの残存価格に対する割合で徴収されるので、数量過大なオーダーの場合は余計に多く徴収されることになります。加えて再出品手数料が大幅値上げされた関係で、結果的に赤字になる可能性も大いにあります。

また、このタイプのオーダーは本人のみならず市場にもあまりよくない影響を与えます。期限切れまで数量過大なオーダーが存在することで、価格硬直性、つまり市場取引価格がそのオーダーの価格より上がらない/下がらないという影響が発生します。これはつまり、そのオーダーが存在する限り価格面での取引条件がある基準よりオーダー発行側にとって有利な条件にならないことを意味します。適正な数量でオーダーが出ていれば発生していた可能性のある価格の上昇/下降を阻害するため、市場の価格形成が不自然になる結果を生みます。価格面で好条件なオーダーを出す機会をオーダー一本で潰してしまっているわけで、本人にとっても競合プレイヤーにとっても有害な結果となります。

このようなオーダーを誤って出さないようにするための対策ですが、オーダーを出す前に過去の流通量を確認することです。流通量、つまり日常的にどのくらいの数が流通しているかが分かっていれば、少なくとも期限いっぱいまで捌き切れないオーダーを出すことはほぼ防げるはずです。なお、過去の流通量の確認方法については割愛します。自分でオーダーを出すつもりがあるなら、本記事に載っていないマーケットの仕組みについては攻略wikiなどで自習するべきです。


・余談:「強敵」と書いて「とも」と読む関係、あるいは独占の難しさについて

これはもはや初心者とは全く関係のない余談ですが、編集時にカットされないことを祈りつつ、誤解を招かないための補足として書かせてもらいます。

「競合プレイヤーの報復が怖いからこういうオーダーは出しちゃダメ」的な話をしましたが、この表現は必ずしも間違いではないにしても、筆者が本当に思っていることとはちょっと違います。というのは、筆者は市場で定石(あるいはお約束)を守って競合しているプレイヤーは、対抗するべき敵であると同時に、健全な市場形成を共同で行う仲間だと思っているからです。

市場独占は商売人の夢と思っている人もいるでしょうし、完全に間違いではないのですが、本当に独占してしまうと悪夢な部分もあります。というのは、独占を成立させてしまうと市場(あるいはお客様)に対する義務もまた発生するからです。それはつまり、オーダーを維持し続ける義務です。

市場独占、つまり自分に対抗する競合プレイヤーがいない状態になった場合に自分がオーダーを切らしてしまうと、その商品を売買しようと思ったプレイヤー(お客様)は予定していた取引ができなくなります。つまりお客様の期待を裏切る結果になり、信用を失うことになります。独占状態であれば、その取引での市場の信用は自分自身の信用と同じです。市場への信用がなくなればお客様は(より信用できる)他の市場で取引しようと考えるかも知れません。結果として信用とお客様を失いかねないわけで、商売人にとってこれほど怖いことはありません。

オーダー切れと信用の喪失を防ぐためにはオーダー数量を多めにしておけばいいわけですが、実際に行うのは難しいものです。売却オーダーであれば商品を多めに用意しなければなりませんし、購入オーダーであれば現金を多めに用意することになります。加えてオーダーを多めに置けばその分の資産は他で運用できないわけで、資産運用効率の低下につながるため過大な数量のオーダーはできるだけ避けたいものです。この辺のバランス取りは実に難しいです。実際、かなり多めに置いておいたつもりのオーダーが離席していた数時間で全て取引成立してオーダー切れを起こした、なんてことがありました(と偉そうに書いていたら、対策をしているにも関わらず本記事の執筆中に複数回発生したことを付記しておきます)。

こんな場合に競合しているプレイヤーがいると、管理と精神的負担はだいぶ楽になります。自分がうっかりオーダーを切らしてしまっても競合相手のオーダーがあるので、市場としては取引条件を概ね維持できるからです。市場として取引条件を維持できれば市場への信用も失われることはないので、お客様は今後も取引してくれるだろうという見通しが持てるため、取引相手の減少にもつながりにくくなります。場合によっては、競合プレイヤーのオーダーが切れた分を自分のオーダーでフォローする、という場合も十分あり得ます。この辺りはタイミングの問題で、お互い様と言えるでしょう。

そんなわけで、市場での競合プレイヤーは「強敵」と書いて「とも」と呼ぶ、そんな関係であると個人的には思っています。ですので、本節の最初に書いた競合プレイヤー云々の話の本意は「競合プレイヤーさんに余計な迷惑がかかるから理由がなければやらないでね」というのが正確な表現になります。

先ほどオーダーの数量が過大な場合について書きましたが、適正な数量については特に書きませんでした。競合プレイヤーとの関係も関連する話なので個人的意見を簡単に書いておきます。個人的には、最安値/最高値を維持しつつ、適度に競合オーダーも削れていく(=取引されて数量が減る)くらいの数量が適正だと思っています。競合オーダーがある程度削れて無くならないと価格条件は悪化していく一方ですので、そのうち利益面で苦しくなります。また、あまりに競合プレイヤー側の取引が成立しないと、競合相手は市場を去ってしまうかも知れません。そうなれば市場独占する可能性もありますが、独占状態の大変さは上述したとおりです。

筆者にとって市場で競合するプレイヤーは、「強敵」と書いて「とも」と読む存在、あるいは仲良く喧嘩する相手だと思っています。まぁ、定石とかを守ってない競合プレイヤーも結構多いんですけどね。



・仕様の理解不足なオーダー1:有効期限短縮で最優先を狙ったオーダー

EVEの仕様は頻繁なアップデートのおかげもあって、(日本語の)攻略wikiでも完全には説明されてはいないものです。この間もマーケットと関係ない謎仕様を偶然発見してしまいました。この仕様については本記事のテーマと関係ない上に誰の役にも立たないと思うので割愛します。

ここからマーケット関係で(おそらく)あまり知られていない仕様のおかげで残念な結果になっているオーダーを2パターン紹介します。勘のいい方はお気づきの通り、この項も初心者の人にはほとんど関係ない内容です。

さて、またまた突然ですが問題です。

『商品と取引価格が全く同じで、オーダー発行日と有効期間(と残り期限)だけが違う、以下の2本のオーダーがあります。この2本のうち、優先順位が高い(=先に取引されていく)のはどちらのオーダーでしょうか?

オーダーA:一昨日(2日前)に発行された有効期限90日のオーダー(残り期限88日)

オーダーB: 昨日(1日前)に発行された有効期限30日のオーダー(残り期限29日)』

筆者は有効期限90日のオーダーしか発行しませんが、筆者が発行したオーダー(上記オーダーAに該当)に対して全く同じ価格でより有効期限が短いオーダー(上記オーダーBに該当)が後から出されることは割とよくあります。ということは上記の問題と同じ状況ですので、後者のオーダーを出した競合プレイヤーはオーダーBが優先されると考えているようですし、筆者もそのように考えていました。

以前こういう場合は価格を変更して対抗していましたが、しばらく観察しているとあることに気づきました。後から出されたオーダーの数量が変わらないまま、筆者が先に出したオーダーの数量が減っていくのです。どうも「後から出された残り期限の短いオーダー(オーダーB)より、筆者が先に出した残り期間の長いオーダー(オーダーA)の方が優先順位が高い」ようです。

ということで、この問題の作意解は「多分オーダーA(の方が優先順位が高い)」となります。元々こういう仕様だったのに誤解されていたのか、どこかのアップデートで仕様が変更されたのかは不明です。

ということで、有効期限を短くすることで既存オーダーと同じ価格の最優先オーダーを発行するという戦略は、少なくとも現在はできないと思われます。このような場合は素直に価格で対抗するのが間違い無いでしょう。ただ、有効期限を極端に短くすることで限定商法的な効果を発生させるという戦略は有効かも知れません。まぁ、オーダーの残り期限まで見てる人はほとんどいないような気がしますけどね。


・仕様の理解不足なオーダー2:範囲指定の穴を突かれているオーダー

話は変わって2パターン目、オーダーの範囲指定に関する話で、したがって購入オーダー限定の話です。先ほど言った通り、初心者の人にはほとんど関係ありません。

購入オーダーの範囲指定はオーダーを発行したステーションからのジャンプ数で指定します。ということは、オーダー発行ステーションと現在いるステーションとの間のジャンプ数が購入オーダーに記載されているジャンプ数以内であればどのステーションやストラクチャでも対応して売却ができる、と普通は考えるはずです。実際筆者もそう考えていました。

ここでガイド本編で説明した、初心者の正しい商品売却の方法についての説明を思い出して下さい(忘れてしまった人はもう一度読んで下さいね)。購入オーダーの範囲指定内に自分がいるかどうかの確認方法の話ではこの辺の説明は一切せず、ただ「購入オーダーの背景の色を確認して下さい」としか書いていません。その方が判別方法としては直感的で分かりやすくて確実だ、という理由もありますが、重要な理由がもう一つあります。購入オーダーの有効範囲だと思われるのに売却対象範囲内にならない場合が結構あるのです。

筆者は理由があって、ある商品の購入オーダーを(商業地やNPCステーションではない)某ストラクチャから出しています。この商品の購入市場には近隣ステーションに競合プレイヤーがいて、筆者がオーダーを出しているストラクチャのある星系が含まれる範囲を指定して購入オーダーを出しています。この状況下で競合プレイヤーのオーダーの方が筆者のオーダーより提示価格が高い場合、筆者の方は該当商品を全く購入できないはずです。しかし、実際にはある程度の数は購入できているという状態でした。

長い間理由が理解できませんでしたが、「(NPCステーションでない)ストラクチャから購入オーダーを確認すると、ジャンプ数的には範囲内であるはずの購入オーダーの背景が黒のままなことがある」ということを思い出して理解しました。どうやら「購入オーダーで範囲指定をしても、オーダー発行場所以外の(NPCステーションでない)ストラクチャは対象範囲から除外される」という仕様のようです。今いるストラクチャがオーダーの対象範囲から除外されているのであれば、購入オーダーの背景が(対象範囲街であることを示す)黒のままなのは当然な話ですし、筆者がオーダーを出しているストラクチャが競合オーダーの対象範囲外なのであれば、筆者のオーダーに対応した売却が発生するのも納得できます。

もし前述の確認方法の説明の際にオーダー発行位置とジャンプ数から確認するという説明をすると、今話した仕様の説明も併せてする必要が出てきます。ただでさえ若干分かりにくい手順に加えてさらに分かりにくい例外の説明をしても(NPCステーションとストラクチャの違いが理解できているかも分からない)初心者の人には理解してもらえないでしょうし、それよりもっと直感的で確実な判別方法が用意されているのでそちらだけ説明すれば十分、というのがこの辺の話を省略した理由です。

いつからこういう仕様なのか、なぜこういう仕様になっているのかは分かりません。おそらくオーダー発行者が入港できないストラクチャで売却する嫌がらせをできないようにするためだと推測していますが、特に確認はしていません。それにしても、ハイセクやローセクならともかく、ヌルセクで領有権を確立してる人たちにとってこの仕様は微妙に邪魔なんじゃないかと思うのですが、関係者の方々がどう思っているのか気になります(もしかしたらどこかの設定で範囲内に入るように設定できるのかも知れませんけど)。

このパターンのオーダーの注意点としては、「購入オーダーで範囲指定をしても、範囲内にあるストラクチャは対象外になる(ことがある)から注意しましょう」ということですね。まぁ、実際に該当する対抗(できていない)オーダーを出されていながら気づかずに値付け合戦をしていた筆者も、かなりマヌケではありますけどね。

ちなみに、本記事には本仕様を知らなければ不自然に思うはずの部分がもう1箇所あります。既に気付いて納得された方もいるかと思いますが、そうでない方はもう一度探しながら読み返していただくと、ちょっとした暇つぶしになるかも知れません。なお、見つけられなくても実害はないのでご安心下さい。



さて、ダメなオーダーの出し方に関して色々書いてみましたが、いかがだったでしょうか。マーケットにオーダーを出す際に引っかかりやすいポイントは結構多いということがお分かり頂けたかと思います。念のため書いておきますが、以上のパターンは全て筆者が実際に見ているパターンです。

なお、今回の記事は、すでに(日本語の)攻略wikiなどに載っている部分については最小限の説明に留め、詳細は自習して下さいというスタンスをとっています。一方、仕様面の知識で不公平が発生するのは好ましくないと思っていますので、筆者の知る限り攻略wikiなどに載っていない仕様などについてはできるだけ盛り込むように努力しました。

他人のアラを探して晒したような内容になってしまいましたが、本記事が皆様のよりよいマーケット活動の一助になれば幸いです。





2021年1月26日火曜日

イヴ破戒録生産職  第一話「それは沼の入り口」

(※脳内でカイ●風に読んでいくと、雰囲気がでるらしいよ)


 ―――資金繰りが、辛い。



気付けば手元には、わずか3mしか残っていない。



安い装備のフリゲートが1隻、買えるか買えないかという心許ない金額だ。



おかしい、数日前まで手元には1B近い資金があったはず。



それがどうしてこんなことになってしまったのだ・・・。







金策の一環として生産業をに手を出した。




最初は、薄利多売なうえ輸送の手間も多い商品を作るために働き蟻のように運び、作り、また運び、売ることで満足感を得ていた。


時給にして100kISKくらいだろう。


最初は、生産なんてそんなものだろうと思っていた。


キャラクターを複数用意して、生産ラインを拡充する事で薄利多売でも利益が出るようにする。

自作のExcelシートと睨めっこして、マーケットの原料にギリギリの値段で買い注文を入れる。

皆、そのようにしてなんとか利益を出しているのだろう。

そうに違いない



世の中はそういう風にできている。


確かに、NewEdenを生きてきた先達のブログには、1ヶ月で数十Bill稼いだだの、短期の売買で数百m稼いだだのという話がごろごろ転がっている。


ハッ、そんなものは夢物語だ。


数年前の情報網が未発達なインターネットならいざ知らず、今の情報化社会でそんな儲けを叩き出せるわけがない。


そういう話はどうせ、外聞を気にして数字を盛ってる嘘吐き野郎が書いた創作だ。


だいたい、現実世界でも、“本当に旨い話”なぞ、ついぞ見たことがな・・・・・・ん


なんだこのアイテムは。


BPだけで数百m、素材を買うと100m単位でISKが消し飛ぶ・・・。


飛ぶ、が、売れれば、売れれば利益100mだ。


このアイテムを1つ作って売るだけで100mが手に入るッ・・・!


「世の中に旨い話などない」と考えていたさっきまでの自分はどこへ行ったのか。



「自分ならうまくやれる」



そういった根拠のない考えが自分の脳を支配した。


リスクを思索する間もなく、マウスを握った手から、カチッ、カチッと音がして、気付いた時には3枚の設計図が自分のアイテムハンガーに入っていた。


やってしまった。もう後戻りはできない。


良い。大丈夫。売れれば良い。投資。これはそう、投資なのだ。


自分にそう言い聞かせて。素材の購入ボタンも、押した。



もはや全財産に等しい、総額1B近い商品を戦々恐々としながらJitaまで運び、最安値で売り注文を入れた。


大丈夫だ。このアイテムは売れ行きも悪くない。今は人が少ないが、アメリカかヨーロッパのタイムゾーンで売れているはずだ。




しかし、数日経っても売れない商品を前に、自分は頭を抱えていた。。


原因は明らかだ。いつもいつも、自分より安い売り注文を出している輩がいるのだ。


輩に対抗すべく、安くない手数料を払って最安値に更新する事を繰り返しているうちに手元の資金が削られていった。


手元に残っているのは僅か3m。


認めよう。自分は失敗した。

今回自分がやった事は、金策ではなく、ただの賭博。投資ではなく投機だったのだ。


もう1日だけ置いて、駄目だったら引き下がろう。


そう思った矢先の事だった。次々と売れていく商品。手元に入ってくる、大量のISK。

どこかの富豪がまとめて買っていったのだろうか?富豪に感謝しなければいけない。


そうして手元に約1.2Bの資金ができた。


もう同じ轍は踏むまい。

そう考えた頭に反して、マウスを持った手は自然と高額なBPを探し―――


2021年1月14日木曜日

出張!ONCBN従軍記 #11 たまには外食も良いもの

戦場がデルヴに移ってからというもの、多くの艦隊は迎撃、あるいはリージョン内のストラクチャやエントーシス処理によって出撃していた。出かけてもクエリアスだ。多くの艦隊はそれでも刺激的なものではあったが、これも不要不急の外出は自粛するご時世か・・・とため息をつくときもある。

そんな中、ふとした予感を覚えて飛び込んだ艦隊がある。ステルスボマー&キキモラ艦隊。しかもフォーカスボイドボム・・・つまり対キャピタルのキャパシタ滅殺用ボムをご所望だ。小型艦ならではの高速さと、トルピード&エントロピックディスインテグレーターの高火力にボム、この編成は主力艦をシバきに行く時の装備である。またどこかでスターゲートをのんびり飛んでいるタイタンでも捕まったのか?にしては、急いでいる風ではない。

のんびりと出撃。ワームホールを潜ってたどり着いた先はオアサ・リージョン。ここはFRTことFraternity.の領土だ。FRTは、正直辛い。なぜ辛いかといえば、主力艦を襲ったときのレスポンスが桁違いに速いからである。だが久々の遠征だ。昔はこういう艦隊よく立ってたよな・・・と「なるようになれよ」精神で飛ぶ。フリートワープがかかったとき、チラっと「大規模鉱床」の文字が見えた。

ロークアルだ。

ランディングすると先行したワープ妨害型駆逐艦が仕込みを終えていた。ロークアルは3隻。完全にバブルに浸かっており、サイノシュラル妨害器も展開済み。これは、もしかしていけるんじゃないのか?


ロークアルは普通の採掘艦と比べるのもおこがましいほど強力な艦だ。主力艦級のシールドブースター、それも救出が来るまでの短期決戦に特化したキャピタル補助シールドブースターはよく耐える耐える。しかもスマートボムなどをバンバン炊いてこちらを牽制してくる。しかしそれでも、100隻からのステルスボマーとキキモラが攻撃を始めればまったく耐えられない。ヤバい落ちる、というところでロークアルの専用装備「パルス発動型ネクサス非脆弱化コア」通称PANICモジュールが起動する。これは一定時間ロークアルとその周辺にいる採掘艦を無敵にする必殺の、そして1回限りのモジュールだ。効果時間は最大で6分、救援にかける一発勝負の手。しかしそれはこちらも織り込み済みである。そもそもこれを使わせられないということはロークアルにタンクしきられて落とせない、ということであり、できる限り早期にこれを使わせるのがロークアルを落とす詰めの1手である。ステルスボマー&キキモラ艦隊はゆっくりと、しかし確実に1隻ずつロークアルにPANICを使わせていった。ここまでは非常に順調だ。すでにローカルには先行偵察と思しき要撃型フリゲートの姿もあり、人数も確実に増えている。サイノシュラル阻害器のおかげで即座のドロップこそ防げているものの、次の瞬間ローカル人数が激増してもおかしくない緊張の時間だ。FRTにしては、むしろ遅すぎるほどの遅さ。超人的なプレイヤーは皆デルヴに出張ってしまっているのか!?

3隻目のロークアルにPANICを使わせたあたりで1隻目のPANICが切れる。艦隊は悠々とそこに戻り、1隻目のロークアルを落としにかかった。その時だ。ついに奴らがやってきた。サイノシュラルフィールドを搭載しているレイピアがサイノ展開可能ポイントを探り当てたのかクロークアウトしてサイノシュラルフィールドを展開、FRTの艦隊がジャンプアウトしてきた。


正直微妙な残りHPだったが、やってきたのが大型艦載機母艦を中心とした艦隊だったことが幸いだった。戦闘機では大味すぎて、小型艦編成のこちらに有効な打撃は与えられないだろうな!しかも飛んでくるまでは時間がある。艦隊司令官は攻撃の続行を指示し、ジャンプアウトした空母群が戦闘機を大量に展開する頃に、1隻目のロークアルを撃沈せしめた。

https://zkillboard.com/kill/89903378/

だが、残念ながら2隻目は手が出なかった。遅れて展開された少数編成のムニン艦隊がすさまじい勢いで場を制圧しつつあったからだ。こちらはバブルをバラまき、飛んでくる戦闘機を削りながら後退し、十分距離を取ったところで離脱した。不運にも何隻かは食われたが、艦隊の大多数は意気揚々と拠点へと帰還したのだ。

実際最初のロークアルを削っているときにドロップされてもおかしくはなかったが、こちらの遠征もあまりなかったことだ。ちょっと油断があったのかもしれない。

さらについでに補足すれば、実はロークアル3隻のうち1隻は日本語名だった・・・。日本人か、あるいは日本人から船を買ったか。ククク、見ているかもなァ。これがGoonだ。次は油断せずに掘ってくれ!!

2021年1月10日日曜日

出張!ONCBN従軍記 #10 飛んで、飛んで、エリーズ

 新年早々のキープスター最終タイマーの攻撃失敗、これはPAPIの戦略に大きな影を落としている。どのような原因、どのような戦術戦略のミスがあったにしろ、結果的に彼らのタイタンを始めとする多くの主力艦がM2-XFE星系に取り残されているのだ。キープスター級シタデルを攻めている最中の出来事だ。つまり現場はキープスターの真下であり、Imperiumはそこに大量のバブルを撒いて24時間そこをキャンプしている。たまに出を間違った主力艦がポツンとログインし、艦隊によって瞬殺されているわけだ。正直、閉じ込められたキャラには同情を禁じ得ないのである。

しかしImperiumの戦場は何もM2-XFEだけではない。勢いが付いたのか、多くの艦隊が動き、あちこちで戦っている。その中でわりとホットな戦場になるのは、相手のステージング星系となっている最前線、つまりはGoonswarm Federationの本拠地である1DQ-Aの隣(文字通り、スターゲートによって隣接している)にあるT5ZI-S星系だ。ここはPAPI側のキープスター級シタデルが建造され、さらにはソティヨなどの補助的なストラクチャも設置され、前哨地の域を超えて完全に基地として機能している。その間にあるスターゲートは両側で常にゲートキャンプされ、両軍はスターゲートの両側で睨み合っている。そして今回のお題になる艦隊は、そんな相手のゲートキャンプに少人数で突っ込み、ぼんやりしている奴に喝を入れてくる艦隊だ。




ガレンテの要撃型フリゲート、エリーズ。バブル無効などの効果を持つものの1隻の戦闘能力は大したことがない。本来は偵察やタックラーなどに使用する船だが、それも20隻、30隻と集まれば立派な凶器になる。艦隊は大抵、その機動力を活かして出撃後に即スターゲートを通過し、近場にいた運の無い船をタコ殴りにするところから始まる。もちろん敵の艦隊と殴り合うことは不可能なのでその後即座に離脱する。星系内の座標を転々としつつ、コンバットプローブで標的の艦船を特定し、再度襲撃をかけるという形だ。現場の状況や艦船の配置を偵察と連携して一瞬で判断し、襲撃を成功させる・・・艦隊司令官の熟練の技が光る。

艦隊に参加するメンバーも呑気に艦隊司令官にくっついて飛んでいるだけでは居られない。要撃型フリゲートの移動はテンポがはやく、なおかつ精密さが求められる。クローク解除のタイミングをミスるだけで死ぬこともある。ワープアウト後は対象をターゲットしてワープ妨害とレールガンを起動、止まったままだと危険なので動き、距離が離れていればマイクロワープドライブを炊いて距離を詰めたりする。駆逐艦などが相手だと一瞬で相手が溶けたりするので食いっぱぐれないようにこれらの操作を素早く行う必要がある。オービットしていた場合は対象が撃破されると艦船があらぬ方向にぶっ飛びがちなのでそれを抑え、艦隊としてまとまることも重要だ。

さらには敵の迎撃艦への対応もある。相手もヌルセクの強豪アライアンス、中でも積極的にゲートキャンプをしているような猛者だ。当然、急な襲撃にも対応してくるし、回数を重ねるごとに様々な対抗策をとってくる。レギオンやトルネードによる狙撃、タイミングを合わせたボム。巡洋戦艦の艦隊が出て来たこともある。高速艦は捕まっても僚艦の方向に走っていくし、紙装甲のフリゲートにはTech 1の駆逐艦がいい距離にやってくるだけでもすさまじい脅威となる。そんな中で、一瞬で判断しなくてはならない。ワープアウトした後の目標と、周囲の迎撃艦の数や配置、こちらをターゲットして攻撃してくるかどうか。ターゲットされたとして「どのくらいまで耐えられるのか」。艦隊としてはある程度の損害は遊ぶための経費として割り切っており、個々の艦船の安全までは配慮しない。なので突っ込んだまま落ちてもよいのだが、ロスなど出さないにこしたことはないのである。ただし、可能な限り標的に損害を与え、撃墜する必要もある。ランディングした位置が悪くて駆逐艦に攻撃を受けるも、標的がその反対側に居たので艦隊に接近する形で振り切ったこともある。ボムは1発だけならギリギリ(フルHP→船体の半分くらい)耐えるので、飛んでくるボムを見ながら対象を撃ち続け、他の艦船からターゲットされないように目を光らせていたこともある。場合によっては1発撃ちながら即離脱することもある。もちろん逆に突っ込みすぎて死んだり、移動のためにマイクロワープドライブを動かしていたことでワープインが遅れ、攻撃に耐えられなかったこともある。

標的を撃墜した後、50km先(要撃型フリゲートならすぐの距離だ)にいる次の標的を狙うのか、それとも離脱するのか、その判断もある。もちろん艦隊司令官の判断になるわけだが、もし「やる」のであれば速やかに突っ込んで捕まえたい。周囲の敵艦の位置、逃げの可能性があるならマイクロワープドライブを炊いて大丈夫なのか、相手から撃たれる可能性、それらを判断しながら突っ込み、あるいは突っ込まない。

そんなやりとりを何度か繰り返し、食えるものを食ったら艦隊は満足して拠点に帰る。本拠地の隣がホットスポットだ。都会のコンビニよりも便利である。

本来であればどんな船でも遮蔽していなければ、遠くからワープしてくれば見える。要撃型フリゲートとはいえワープアウトするまでは丸見えであり、それを見て回避するのは本来容易いのだが・・・それでもこの方法で多くの船が落ちる。コンフェッサー、レギオン、サイノバル、ヴェドマック、バガボンド。小さいものではシュラッシャーやコーモラントから、大きいものではラトルスネーク、プラクシスまで。よくもまあ持ち込んだものだ。

ゲートキャンプは敵が来るまではわりと暇であり、動画でも見てるのかもしれない・・・30%くらいはNetflixが死因といっても過言でないだろう。逃げる相手も多いが、逃げない人は次までに何が悪かったか考えておいてほしいものである。

でないとまた負けますよ。ほないただきます。

2020年12月30日水曜日

出張!ONCBN従軍記 #9 壮絶な削りあい

デルヴが燃えているのと同様、TESTのエソテリアなども燃えている。クエリアス、キャッチ、ピリオド・ベイシス・・・なんだか、南西部のあたりは丸焼けという様相である。そんな中、Imperiumのケルベロス艦隊は戦闘の予感を胸に飛んだ。

速足でたどり着いたのはデルヴ内のすでに領有権を奪われた星系。敵のジャンプゲートが建設中であり、ケルベロス艦隊はそれを攻撃した。さすがにナメプである。TESTのアラズが浮いており、防衛艦隊のドロップからの艦隊戦か!?と身構えてはいたが、ジャンプゲートはあっさりと破壊された。


これで終わりかと思ったが、艦隊に遅れて参加した人が「遅かった?」と聞いたのに、即答で「No」である。前菜か。


そしてケルベロス艦隊はワープを繰り返し、今回の戦闘の舞台となったE-VKJV星系へとやってきた。ここはクエリアス・リージョンだが、デルヴに食い込む形で存在する飛び地だ。本拠地にも近い防衛の要衝、そのため早々に敵の手に落ちた星系である。今回Goonswarmはここに足掛かりとなるアシュトラハスを設置しようとしており、これは当然のように敵艦隊によって攻撃を受け、ケルベロス艦隊はその排除のために駆け付けたというわけだ。Panfamを中心とした混成ムニン艦隊。強敵である。駆け付け1発、良い位置からの狙撃に相手が引き、こちらが構造の直衛に入ったところで再度ランディングし攻撃してくるというお決まりのやりとりで戦闘が開始された。

ムニン艦隊はプロジェクタイルのボレーダメージが痛い。決まれば強襲型巡洋艦とて無事では済まない。ケルベロスはそれに対して射程距離で優越しているが、ミサイルが100kmを飛ぶのに時間がかかるという欠点を抱えている。それを踏まえて艦隊司令官がとった作戦は「引き撃ち」だった。ケルベロス艦隊はこちらのターゲット可能距離ギリギリのところを維持しながら、マイクロワープドライブを燃やして距離を取ったのである。明らかにケルベロスが優位な場であるが、ムニン艦隊はそれを追うしかないのだ。


ケルベロスが撃ったミサイルはのんびりと飛んでいるが、追いかけてくるムニン艦隊がそこに突っ込んで当たってくれるような状態。マイクロワープドライブを炊いているという点もあり、実質的な射程距離は非常に短い。追いかけてくるムニン艦隊は面白いように落ちた。しかしこちらも逃げ遅れた艦船が食われ、壮絶な削りあいになる。


敵と味方の残骸が艦隊のルートに沿って渦を巻き、敵艦隊の支援艦を一掃したケルベロス艦隊は指揮型巡洋戦艦に手をかけた。ムニン艦隊の要、情報戦コマンドリンクを積んだクレイモアだ。これがターゲット距離を伸ばしているので落とす、落とす、何隻も落とす。クレイモアですら、支援が追い付かずケルベロス艦隊のミサイルの集中で落ちていく。正直なんでこんなにクレイモアいるの、というくらい落とした(この時点で4か5隻くらい、最終的にこれらは15隻を超えた)。友軍のムニン艦隊も奮闘し、こちらを追う敵艦隊を叩く。

ある一点で敵艦隊が離脱すれば、ケルベロスや友軍艦隊はそれを追う。そしてまた引き撃ちをして敵艦隊を削っていく。しかし敵側もそれに対応して、ある時は至近距離にワープし、ある時は左右から挟み撃ちにしてケルベロス艦隊を追い詰めた。お互いにボロボロと船が落ちる。そしてその船はお互いのステージングから再度ジャンプブリッジを通って出撃してくるのだ。


増援のジャックドー艦隊がフォームアップした。この時点でわりと忘れがちではあるが、今回の目標は味方ストラクチャ―を設置させること。防衛戦である。こちらとやりあう傍らで敵艦隊は都度都度目標となるアシュトラハスにワープしては、ドローンでHPを削って行く。リペアタイマーは進んではいるが残りHPは3割もなく、遊撃する艦隊が必要だった。

ここで敵艦隊の動きが変わった。目標をケルベロス艦隊の迎撃から完全に切り替え、アシュトラハスの破壊に専念し始める。必然的にアシュトラハスの傍から離れず、ケルベロス艦隊の狙撃をもろにくらう形になるのだが、敵の司令官もさるものだ。おそらくこう指示が出た、というのは見ていればすぐにわかった。

「ターゲットされたら攻撃が来るので、即味方ストラクチャにワープせよ」

こちらのターゲット指示が出ても攻撃が到達する頃にはワープアウトしてしまうことが増え、ミサイルの攻撃は有効性を失いつつあった。それでも何隻かは落ちたが、それは淘汰である。攻撃を重ねるごとに指示は浸透し、相手はよく逃げた。ジャックドー艦隊はまだ来ない。ワンチャン、適当にターゲットしてやれば逃げるんじゃないかと思ってランダムターゲットしてみたら本当に逃げた奴もいたくらいである。結局、ダメージを抑えきれなかったストラクチャは落ちた。ジャックドー艦隊は来たが時すでに遅しである。

損害を重ねた敵艦隊はそれ以上の戦闘を放棄して引きあげ、ストラクチャ防衛戦は終わった。ケルベロス艦隊は敵艦隊が残したドローンと残骸を全て破壊し、帰路についたのだ。


https://zkillboard.com/related/30004028/202012291300/


ワンショット、ワンキル。撃ち損ねたものもいるが、それでも100隻以上を撃った。これで損害額で負けていたら嘘だろう。たったアシュトラハス1基のために双方にこれだけの被害が出るのは、さすが戦略の要衝である。

しかし気になるのはやはり自領を荒らされ続けるTESTを始めとしたLegacy陣営の動きが鈍かったことだ。このままLegacyの離脱で鎮静化するのか、それともImperiumとLegacyが共倒れになり、長いPandafamの天下が来るのか。泥沼化したWWBⅡは、それでもまだ終わらない。

2020年12月20日日曜日

翻訳記事: 事例研究ナイアルジャ:皆既食 ~原題[ARC] Case Study Niarja: Totality~

元記事

https://forums.eveonline.com/t/arc-case-study-niarja-totality/273186

※ この記事はナイアルジャ陥落後の変化を研究したカプセラによる報告です。

EVEのロールプレイの楽しみ方の一つとしてこういうものもあるということをご覧ください


Haria Haritimado

親愛なるカプセラの皆さんへ、


同僚のGiesta Nimbelainが先日アナウンスしたように、ついに皆既食がニューエデンを襲いました。私は今、Niarja(あるいはNiarjaだった場所)から現状を報告しています。まずはそこで最初に目撃した光景と、その印象を共有したいと思います。もしよろしければNiarjaのケーススタディについて、引き続き検証と議論にご協力ください。


150kmから撮影したNiarjaの恒星:




20kmから撮影したNiarjaの恒星:



新しいゲートのような構造物が出現しました。NiarjaからRaravossHarvaへの2つの出口ゲートの中央には、トリグラビアンの黒玉が置かれていました。この構造物の名称には「Svarog Vyraj Anchorage」とあります。




以前使われていた三つの出口ゲートは現在、機能を停止しており、「妨害されたゲート」という名称になっています。ゲートに結晶状の物質が集合している点にご注目ください。MADKAAゲートでは、はっきりとその様子が観察できます。結晶集合の進行状況は、MADゲートにおいては著しく悪化しています。






最初の現状報告によりますと、ローカルチャットは今のところワームホールのように基本隠された状態になっています。Dazh Liminality FocusDazh Porevitium TransmuterStellar Fleet DeploymentWorld Arkは現在もシステムに存在します。今のところ、システムにflashpointは残されておらず、大小問わずconduitも存在しません。SanshaDroneアノマリは今もシステムにあり、同様にセレスチャル(celestial)、税関(custom office)、そしてもちろん、超光速通信網(faster-than-light communication)も健在です。


加えて、ニューエデン当局は懸案のスターゲート再起動について、広域通信で次のような通達を発しました:




お知らせ履歴

https://forums.eveonline.com/t/war-journal-triglavian-collective/250400/183

一時的な時空干渉が発生しております

スターゲート網は再起動中です


以上で報告を終わります。

2020/10/14


Haria Haritimado

Niarjaのワームホールについてのアップデート

手短にワームホールの情報を共有いたします。見たところ、Niarjaでは今もワームホールの出口が生成されています。ヌルセクのザ・スパイア(The Spire)K162(訳注:ワームホールの出口)が通じているワームホールは、通常通りのシグネチャとして出現していました(このときはQTZ-496という名称でした)。しかし、ワームホールはIsogen-10の結晶体がぎっしりと敷き詰められた場所に出現していました。加えて、トリグラビアンの存在を全く気にも留めず、ローグドローンがワームホールの出口を見張っています。探索する方は十分に距離を離した場所にワープインして状況を観察することを推奨します。


2020/10/14



Haria Haritimado

トリグラビアンの勢力図に関するアップデート

皆既食の起こるシステムがニューエデンのスターゲート網から分断されたために、地図上に新たなリージョンが誕生しました。侵略者たちによって、そのリージョンはPochvenと名付けられました。リージョンに含まれるシステムは三つのコンステレーション(Krai)に分断されています。それぞれのコンステレーションはPerunSvarogVelesによって統治されていると推測されます。そのため、コンステレーションはKrai PerunKrai SvarogKrai Velesと名付けられました。


侵略の最終段階でセキュリティが良好な青いシステムが全体的に残る結果となったため、私たちの使い慣れたk-空間全体マップの中で新しいリージョンは地図上部にかぶさる形で広がっています。



赤線は皆既食の起きたシステムと接続しているシステムを表しています。


Niarjaは新しく形成されたPochvenリージョンの中のKrai Svarogコンステレーションに属しています。トリグラビアンのスターゲートはNiarjaHarvaRaravossを結んでおり、その2つのシステムもまたSvarogによって管理されています。

2020/10/14



Haria Haritimado

トリグラビアンの係留物に関するアップデート

Svarog Vyraj Anchorageを調べた結果、この建造物はある種のステーション、法廷、あるいは政治的ランドマークとしての機能を果たしていることが分かりました。この係留物は最初、トリグラビアンの設置したゲートだと思われていましたが(もちろんその見立てはある程度正しかったわけですが)、この建造物はキャピタル級やそれ以上の船舶、すなわちWorld Arkなどを収容する能力があることがはっきりしました。




加えて、この三角形の係留物の頂点は、トリグラビアンの3つの勢力であるSvarogVelesPerunそれぞれのためにあるように見えます。3つの頂点には異なる紋章が掲げられており、それ以外の三角形の辺にあたる部分はほぼ同じ構造をしていました。



そこでは私がこれまで見たことのない現象が起きており、実際に科学的見地から調査することができました。zero-point物質と思われるものが目の前で形成される模様が確認できたのです。トリグラビアンは一切隠そうともせず、彼らの洗練された重力操作の技術を披露していました。我々は思わずその様子に見入ってしまい、固形の物質が特殊な設計のもとに重力トラップへと変換されていく様をただただ眺めていました。その様子を撮影してきましたので、是非ご覧ください。



話を少し実際的なことに戻しますと、GilaBasiliskで構成されたローミングフリートがシステムに出没するようになりました。過去にローグドローンやトリグラビアンの船舶が出現するようになったのと同じ歴史をたどっているように思われます。


これと関連してMaira Blackfireによるフィールドログ(リンク)についても言及したいと思います。彼女もOtanuomiというシステムにて同様の調査を行っています。


それでは皆さんの航行の安全を祈ってます!


追記:Svarog Vyraj Anchorageはデッドスペースポケットと同じように、オングリッド上に非常に強力な重力を作用させているようで、アンカービーコンへのワープを全て引き寄せてしまいます。ワープイン地点周辺には、すでに遺体や残骸が散乱しています。探索を予定している方は、デッドスペースポケット同様、十分警戒しながら進んでください。

2020/10/14



Bravo Atruin

これって……質量を直接エネルギーに変換して動力にしているって事かな?

(訳注:相対論的には質量とエネルギーは等価のものであるため、物質を消滅させることで質量を莫大なエネルギーに変換して動力源としているという話。通常、物質にとっては質量を有する形態の方が非常に安定しているため、物質が勝手にエネルギーに変換されることはなく、また物質をエネルギーに変換するのは決して容易なことではない。ちなみに小規模な形であれば、これと似た発電技術はすでに存在している。原子力発電は、ウラン等の不安定な原子核が崩壊するとき、原子核が有していた質量の一部がエネルギーに変換されるのを利用した発電方法である。一方、水素原子が融合してヘリウム原子になる際に質量の一部がエネルギーに変換されることを利用した核融合発電は、活発な研究が進む現在も実用化の目途は立っていない。このように現在の地球の技術水準では、質量のごく一部をエネルギーに変換することさえ大変苦心しているのが現状である。いわんや、質量を直接エネルギーに変換する科学技術なるものは、想像を絶するほど遠く高度な技術だと言える。)

2020/10/14



Haria Haritimado

Atruin船長、

これまで私たちが調査した限りでは、どうやらその可能性が高いと言えます。もちろん、この調査は実験室で行っているのではありません。仮説を検証するために何か必要なデータがありましたら、お知らせください。私はそろそろ、より実用的な観察に取り掛かろうと考えています。今のままだと、ずっとパッシブセンサーに張り付かないといけないですし。


それとひとつ加えておきたい情報があります。これまで12時間ほど、Niarjaでは新たなCosmic Signatureが生成しなくなりました。残されたアノマリは3つ、World ArcStellar Fleet Deploymentサイト、そしてmineral fieldだけです。

2020/10/15



Haria Haritimado

Niarjaにおけるワームホールの接続に関するアップデート

あれから約36時間後、Niarjaでひとつの新たなワームホールが確認されました(K162, LAS-402)。これはヌルセクのペリゲン・フォールズ(Perrigen Falls)につながっていました。ここに現れたローグドローンの数は顕著に多く、現地のカプセラたちは私のオングリッド上で今も戦っています。ワームホールの入り口にはトリグラビアンの姿も確認され、戦闘を仕掛けたり仕掛けられたりしています。


ローグドローンの船舶の中には、Overmindや他の大型艦の存在が確認されます。






(引用コメントここから)

Uriel Paradisi Anteovnuecci

ここで観測される現象によって、トリグラビアンは臨界現象を起こしており、我々は行動範囲を制限されています。同じ現象はアビサルの建設現場で建造中のWorld Arcが発見されたときにも起こりました。


この係留物は、彼らのより深淵な計画のために動き始めたばかりなのではないかと思います。いずれにしろ、Domain of Bujan(訳注:トリグラビアンの本拠地だと推測される場所)Pochven、この2つを結ぶ直接の通航手段を彼らが欲していたと考えられますが、どうでしょう。





2020/10/16

(引用コメントここまで)


Urielさん、

重要な考察をありがとうございます。思わずはっとさせられました。そして2つの地域を結ぶ彼らの計画は始まったばかりであるという意見には、私も同意です。彼らの係留物に話を戻しますと、ワープインを引き寄せる重力の影響は約10,000km先まで及んでいます(正確には、800015,000kmの範囲に影響力があります)

2020/10/16


翻訳:渋丸



2020年12月13日日曜日

EVE Online 初心者向けマーケット利用ガイド

・前説:初心者がマーケットだけで稼ぐのは難しい


 当初、「初心者がマーケットで稼ぐためのガイド」ということで執筆依頼をいただいたのですが、このお題についての結論は「初心者がマーケットだけで稼ぐのは難しい」となります。

 そもそも、マーケットの取引だけで稼ぐのは、採算率の面で原理的に不利です。というのも、マーケットの取引だけで稼ぐには、商品を仕入れて、それを売却する、という手順をとる必要があります。この場合の利益は「(売却額)ー(購入額)ー(各種経費)」となります。入手に現金(isk)が直接かかるため、商品を他の手段(採掘など)で入手する競合相手と比べると、採算率で不利になります。また、採算の合う価格で購入・売却しなければならないため、何らかの理由で採算性を度外視して購入・売却する競合相手がいた場合は、そもそも該当する商品の取引によって利益を出すことはできません。


 それでもマーケットの取引だけで稼ぐとなると、「手数を増やす(=扱う商品を増やす)」「タイミングを見て売り買いする」「何らかの付加価値をつける」「取引相手を騙す」といった手法を使うことになります。これらは「資金(isk)」「時間」「キャラクターのスキル」「プレイヤーの知識」などが必要になります。いずれも初心者にとって不足しているリソースばかりですので、初心者にとってはさらに不利な条件となります。

このような悪条件にも関わらず、マーケットを活動の中心に据えて稼ごうとしている……物好きなプレイヤーは筆者を含めて既に多数存在します。先行しているプレイヤーは既にマーケットについて知識と経験を蓄えているわけで、そこに知識も経験も乏しい初心者が割って入って稼ぐのは難しいと言わざるを得ません。

以上のことを踏まえると、初心者がマーケットだけで稼ぐのは難しい、という結論になります。


 そこで本稿では発想を切り替え、マーケット以外で学んだり経験したりするべきことがいっぱいある初心者の人向けに、「マーケットは現金(isk)とアイテムを交換する手段である」と割り切って、最小限の現金と時間のロスで有効活用してもらうための指針について書いていきます。

なお、それでも自分はマーケットだけで稼ぎたい・稼げると思う方を止める気はありません。実際、無根拠な自信はトレーダーの重要な資質だと思います。ただ、そのために役立つ情報はほとんどここに載っていませんし、茨の道であることは覚悟してください。


 本題に入る前に注意。本稿は現役トレーダーが執筆しているため、筆者への利益誘導と取られかねない内容も記載されております。恣意的な利益誘導の意図はありませんが、そのように取れる内容や結果的に筆者への利益誘導となる内容が含まれることをあらかじめご了承ください。また、当然ですがマーケット関係を含むゲーム内の操作については理解しているものとして原則的に記述していません。


・マーケットの仕組み・前置き:オーダー(注文)は誰が出しているのか?

マーケットを使うためには、マーケットの仕組みを知らないといけません。ですので、順を追ってマーケットの仕組みについて簡単に説明しておきます。

キャリアエージェント(いわゆる10連ミッション)を一通りやったプレイヤーなら、1回くらいはマーケットの画面を見ていると思います。そこにある「売りたい」「買いたい」というオーダーの多さに驚いた方もいるかも知れません。マーケットでの商品の取引(現金と商品の交換)は、まずマーケットにオーダーが発行されて、誰かがそのオーダーに対応した反対のオーダーを発行することで初めて成立します。つまり、商品をマーケットで取引するには先に誰かがオーダーを発行しないといけない、ということです。では、そのオーダーを発行しているのは誰なのでしょう?

これらのオーダーのほとんどは、他のプレイヤーによって発行されています。つまり、オーダー一つ一つの向こうには生身の人間がいて、それぞれの意図(あるいは欲望)があってオーダーを出している、ということです。これは初心者がマーケットだけで稼ぐのが難しい理由の一つになっています。

実際にオーダーを出して商品を売買する手順については、もう少し先で改めて説明します。というのも、それ以前に理解しておかないといけない事柄が残っているからです。



・マーケットの仕組み・その1:マーケットに配達サービスはない!


 注意しなければいけないのは、「買ったもの(売ったもの)は自動的に買った人のいる場所に移動しない」という点です。なぜかというと、マーケットでの売買が成立した場合、商品の位置は変わらずに所有権のみが移転するためです。これが意味するのは、「自分が行けない場所で売られている物を買っても実際に利用できない」ということです。「高額なアイテムを格安で買ったらローセクにあった」「買った物をローセクに取りに行ったら売主に撃墜された」、いずれもよくある話です。


 従って、マーケットで買い物をする時は、商品が自分の行ける場所にあることを確認して、できれば現地に行ってから買うのが確実です。売る時も同様で、他の人が取りに来ない・来れない場所で売っても意味がありません。いずれの場合も、より多くの人が集まって取引の多い場所の方が良い条件で取引が成立しやすくなり、資金と時間のロスが防げます。


 余談気味になりますが、より多くの人が集まれる場所という観点から、アップウェルストラクチャ(いわゆるプレイヤー設置ステーション)でのマーケット利用には注意が必要です。というのも、所有者が入港制限をかけている場合があるためです。上手に使えば便利ですが、その辺がよく分からない初心者のうちは注意して利用してください。

では、行きやすくて人が多く集まって取引も多い、そんな都合の良い場所が本当にあるのでしょうか?あります!それが次に説明する「商業地」と呼ばれる場所です。



・商業地はどこか?


 基本的に初心者はいわゆる「商業地」と呼ばれる場所に行ってマーケットを利用するべきです。なぜかと言うと、商業地と呼ばれるところであれば、初心者が必要とする物のほぼ全てが、大抵は妥当な金額で購入・売却できるからです。

現在ハイセクで商業地と呼ばれる場所は5箇所ありますが、そのうち初心者でも使いやすい場所は以下の4箇所、四大国それぞれに1箇所ずつあります。

・カルダリ連合:Jita IV - Moon 4 - カルダリ海軍組み立て工場(Caldari Navy Assembly Plant)(通称:ジタ)

・アマー帝国:Amarr VIII (Oris) - 皇族 学院(Emperor Family Academy)(通称:アマー)

・ガレンテ連邦:Dodixie IX - Moon 20 - 連邦海軍組み立て工場(Federation Navy Assembly Plant)(通称:ドディクシー/ドディク/ドデ)

・ミンマター共和国:Rens VI - Moon 8 - ブルートー部族 宝物庫(Brutor Tribe Treasury)(通称レンズ)


 4箇所いずれのステーションも最初の星系や10連ミッション地から数J程度の距離にあるはずなので、初心者の人でも(ちょっと頑張れば)簡単に行くことができます。

上記の場所は、場所によって差はあるものの取引量が多く、どこに行っても初心者が必要とするものは大抵購入(売却)できるはずです。ちなみに、上記のリストは取引の多い場所を先に書いています。筆頭のジタは「商都」とも呼ばれ、「ジタで手に入らないものはハイセクでは手に入らない」と言われるほどの商業地です(五大商業地全てを「商都」と呼ぶ人もいますが、本ガイドではジタのみを商都とします)。


 参考のために書いておくと、これらの商業地は運営サイドによって商業地として指定されたわけではなく、プレイヤー達の活動によって自然発生的に商業地として認識されるようになった場所です。商業地だから取引が多いのではなく、取引が多いからプレイヤーたちから商業地と認められるようになった、ということですね。


 また、これらの商業地の近辺(大抵1Jの場所)には、市場取引の多いアップウェルストラクチャが建っている場合があります(例:ジタ1Jのペリメーター(Perimeter)にあるTTT)。プレイヤー設置のストラクチャなので若干注意が必要ですが、上手に使えば商業地本体よりもお得に取引できる場合があります。慣れてきたら商業地と併せて確認するといいでしょう。


 よくカルダリ以外に住んでいる人に「買い物はジタで」と言っている人がいますが、筆者は居住時近隣の商業地を使うことを推奨します。というのは、まず移動にかかる時間がもったいない(20J以上になることもある)ことと、他国とジタの間にはゲートキャンプの名所があり、船を撃墜される危険がやや大きいためです。先ほども書いた通り、各商業地は自然発生的に成立している、つまり昔のプレイヤー達が必要だと思ったから成立し、現在のプレイヤー達も必要だと思っているから商業地になっているわけです。そのあたりを初心者プレイヤーが無視するというのは賢くない、極端に言えば無謀な選択であると思います。繰り返しますが、多少ジタより高価でも、買い物は近隣の商業地を使うべきです。(なお、トリグラヴィアンの侵攻による影響のため、本記事執筆時点ではアマーからジタ(カルダリ連合)への移動は非常に大変であることを付記しておきます。どこのアライアンスのせいでしょうねぇ……)


 場所の話のついでに買い物に使う船の話もしておきます。小容量の買い物であれば探索型のフリゲート(マグニートー/ヘロン/イミュカス/バースト)が便利です。鉱石の輸送ならベンチャーを使いましょう。いずれも荷物がそれなりに多く積める・ワープが早い・挙動が軽快という優秀な船です。10連ミッションで貰えるので、ほとんどの人が持っているはずです。必要ならば輸送艦(これも10連ミッションで貰えますね)を使わなければいけませんが、商業地付近は初心者と輸送艦を狙う輩がよく出没しますので、十分注意しましょう。まぁ、落とされる時は落とされるので、運が悪かったと思って出直して下さいね。(あとガレンテ出身の方、10連ミッションで貰えるカタリストに乗って商業地に行くのは辞めましょう。それは輸送艦とかを撃墜する時によく使う船です)


 商業地の話と若干逸れますが、本記事を読んでいる初心者の方の中には、すでにどこかの会社に入社してお世話になっている方もいるかと思います。その場合、特にローセク・ヌルセク・WHに居住している場合、マーケットの利用などについて会社の指示がある場合は指示に従いましょう。近隣に地元住民しか使わない商業地がある可能性もあります。「買い物はベテラン社員にお願いして下さい」ということであれば遠慮なくお願いして、節約した時間で会社に貢献したり様々な経験を積んで成長した方が喜ばれると思います。指示の理由が分からなければ理由を聞いてみるといいと思います。逆に現在入社先を探していて、ロー/ヌルセク奥地やWHなどの簡単にハイセクの商業地に行けそうにないところで活動する会社を検討している方は、面接などの時に買い物はどうするのか聞いてみるといいかも知れません。


 さらに会社の話が出たついでに書いておきますが、会社によっては社内買取/販売制度がある場合があります。その場合は積極的に利用することをお勧めします。担当者の人は他の人の便宜のために自分の時間と労力を割いているわけですし、他の社員が社内買取/販売を利用しているか結構気にしているはずです。ついでに言うと、担当者は誰が利用している/いないかについて、ある程度把握しているのが普通でしょう。利用条件に不満や疑問があったら、担当者の人にできるだけ具体的に聞いたり意見を言ってみるのもいいと思います。


・マーケットの仕組み・その2:基本は即時売買


 荷物の積める船に乗って商業地のステーションに入ったら、いよいよマーケットの画面を開いて実際に売買することになります。

ここでもう一度マーケットの取引が成立する仕組みを思い出しましょう。「まずマーケットにオーダーが発行されて、誰かがそのオーダーに対応した反対のオーダーを出すことで初めて成立」する、でしたね。ということは、マーケットで何かを売買するためには、次の二つのうちのどちらかの種類のオーダーを発行することになります。

・マーケットにオーダーを発行し、誰かが受けるのを待つ(オーダーを置く)

・すでに発行されたオーダーに対応した反対のオーダーを発行する(即時売買)

どちらを使うかですが、初心者はオーダーを置くのは避け、即時売買のみを行うべきです。なぜかと言うと、即時売買であれば必要な商品や現金がすぐに手に入りますが、オーダーを置いた場合は手に入るまで時間がかかりますし、永遠に手に入らない場合もあります。初心者がマーケットを使うのは商品や現金が今すぐ必要な場合のはずですから、オーダーを置くのは目的に合わない使い方でしょう。


・実際の売買手順:取引前に市況を確認しましょう


 ただ売り買いをするだけだから簡単じゃないか、と思われる方もいるかと思いますが、EVEのマーケットはシステム自体罠だらけで、そこにプレイヤー達がさらに罠を仕掛けている場所、というのが日常的にマーケットを使っている立場としての実感です。罠に不用意にかからないためには、マーケットで売買をする前に該当商品の市況チェックを必ず行うことです。即時売買だけなら慣れれば難しくはないので、順を追って説明していきます。


 商業地に来る前に何をいくつ買いたい(売りたい)のかは決まっていると思いますので、実際にマーケットの該当商品の情報を開いていきましょう。商品のアイコンや商品名のリンクを右クリックして開くと便利です。


 マーケットの商品データは複数のタブに分かれていますが、初心者が即時売買する分にはマーケットデータのタブだけ見ておけば問題ないと思います。操作方法や詳しい見方については煩雑になるので割愛します。


 では、すでに商業地に到着した状態を仮定して、商品を購入する場合を例にとって説明していきます。商品を売却する場合についてはその後に説明していきます。


 商品を購入する場合は売却オーダーを確認することになります。この際にに注意しなければいけないのは、(標準の設定では)「現在地以外で売られているオーダーも表示されている」ということです。EVEのマーケットの仕様上、基本的にリージョン(星系の集まりの単位の一つ)内のオーダーは全て見えるようになっています。本記事に従っている限りは厄介な仕様ですが、これは慣れてもらうしかありませんし、慣れてしまった方がいいですし、そのうち慣れてしまうでしょう。

リージョン内のオーダーが基本的に全て見えるということは、商業地以外で安く売られている掘り出し物を見つけられるということでもありますが、先述した「買ったものをローセクに取りに行ったら撃墜された」といった事件が起きる原因にもなります。マーケットウィンドウの左上にある歯車マークからフィルター設定でハイセクのオーダーしか見えないようにできるので、必要に応じて設定しましょう。もっとも、「孤立ハイ」、つまり「ハイセクでない(=ロー/ヌル/WH)星系を通過しないと到達することができないハイセク星系」のオーダーも見えてしまうので完璧ではありません。ちなみに、フィルター設定で売られている場所までのジャンプ数を制限することもできますが、将来のことを考えれば設定しない方が良いでしょう。


 現在いるステーションで売られているオーダーの見つけ方ですが、一番左のジャンプ数欄が「ステーション」(Station)にいるオーダーが、現在いるステーションで売られているオーダーです。「システム」(System)になっているオーダーは現在いる星系の別のステーションで発行されて(売られて)いるオーダーです。特に英語表示の場合はこの二つを見間違えやすいので少し注意が必要です。ジャンプ数欄がが数字の場合は、そのジャンプ数ゲートジャンプした先の星系で売られています。このジャンプ数は最短距離なので、ハイセクのみで移動する場合はさらにジャンプ数が増えたり、到達不能な場合があるので注意しましょう。

ひとまず、今確認するべきは、ジャンプ数欄が「ステーション」になっているオーダーだけ、ということになります。


 では、ジャンプ数欄が「ステーション」になっているオーダーのうち、どれから買うべきでしょうか?もちろん「一番値段が安いオーダー」、ですね。ということで、一番値段の安いオーダーを見つけやすくするために、オーダーを価格の安い順に並べ替えましょう。その上で、ジャンプ数が「ステーション」になっているオーダーを上から順に探していくことになります。


お目当てのオーダーが見つかったら購入です。

 該当のオーダーを右クリックして、「これを購入」(buy this)を選択しましょう。新しく小さいウィンドウが開くはずです。色々書いてあると思いますが、設定すべきは購入する数量だけです。購入したい数量を入力してウィンドウ下の「購入」ボタンを押せば、支払いが行われて商品があなたのものになります。オーダーの全数を買いたい場合はその数字を入力しても大丈夫ですが、オーダー記載の数量を超えた数字を入力すると(エラー音が鳴って)自動的に最大数になるので少しだけ楽ができます。また、数字を0にすると(エラー音が鳴って)数字が1になります。

最初のオーダーでは必要数に足りない場合ですが、2番目以降のオーダーから必要数をまとめて買おうとすると損をします。マーケットの仕様の関係上、(価格的に)2番目以降のオーダーに必要数を入力して購入すると、(最初のオーダー分も含めて)右クリックしたオーダーの価格が指定した数量の全数に適用されるため、オーダーに記載された価格より高い価格で購入することになるため、結果的に損をします。若干面倒ですが、最初のオーダーを全数買ってから次のオーダーで残りを購入する、という手順を繰り返すことで現金の無駄な損失を防ぐことができます。


 商品の売却についても、基本的に一部の単語を入れ替える(例えば、「高い」と「安い」を入れ替える)だけで考え方自体はほぼ同じです。ただし、一部操作などが異なる部分がありますので説明していきます。

まず、即時購入でない購入オーダーを発行する時には、オーダーを発行したステーション外の一定範囲内の場所で売却されたものも買い取る、という指定ができます。ということは、そのオーダーに対応して売却したい場合は、今いる場所が買い取ってくれる範囲内であるか確認しなければいけないということです。難しそうに思えますが、この確認方法は実に簡単です。自分が購入範囲内にいる場合はオーダーの地の色が黒以外(標準設定では緑)になっていますので、オーダーを価格が高い順に並べて地の色が黒でないオーダーを探せばよいのです。

もう一つ注意すべきが「最小数量」欄です。ここは「売却数量が指定した数量未満の売却オーダーは受け付けないよ」という(個人的な見解では)無粋な指定です。売却予定の数がこの数量に届かない場合は(このオーダーとの)取引は成立しません。ほとんどは指定されていない(=最小数量欄が1)のですが、たまに指定されていることがあります。右端の方にあって見落としがちですし、この欄を利用した詐欺もありえますので、お得な購入オーダーを見かけた場合は念のため確認しておきましょう。


 売却時の操作ですが、オーダーを右クリックしても売却手続きはできません。売却するアイテムを右クリックして売却画面を出しましょう。指定すべき場所は3箇所に増えます。上から「数量」「単価」「期間」です。順番が逆になりますが、下から順に説明します。

「期間」欄は選択式になっているので、「即時」を選択してください。それ以外はオーダーを置くときに使うもので、今は必要ない選択肢です。

「価格」欄ですが、「期間」欄が「即時」になっていれば、指定した数量の即時買取が成立する最大の価格になっているはずです。ここで先ほど確認したオーダーと価格が同じであることを確認しましょう。違っている(価格が安い)場合は予定したオーダーとの取引が成立しない状態ですので、そのまま売却すると予定していたオーダーとの取引が成立せずに損をする可能性が高いです。「購入オーダーの数量より売却予定数量の方が多い」「売却予定数量がオーダーの最小数量の指定値よりも少ない」「希望する購入オーダーの買取対象範囲外にいる」あたりが考えられる理由なので、何が問題なのかを確認しましょう。


 「価格」欄に問題がなければ「数量」欄を変更する必要はないはずです。予定していた購入オーダーの数量より売却予定数量の方が多かった場合は「数量」欄を修正して購入オーダー記載の数量に変更しましょう。「価格」欄が予定していたオーダーの価格に変わると思います(変わらない場合は「期間」欄で「即時」を選び直せば変わるはずです)。最近は購入オーダー上位に数量の少ないオーダーが増えてますので、ここで確認を怠ると大損する可能性があります。よく注意して確認しましょう。


 基本的な売買の手順については以上です。少々煩雑ですが、無駄な損をしないためにも初心者のうちは上記の手順を守った方が間違い無いと思います。

以下は細々とした補足です。


・使うために必要な物を買うときは値段を気にしすぎない:モジュール類の適正価格について


 初心者の人が買い物をするのは大体艦船を組むための船とモジュール類だと思います。実際にモジュール類を買いに行って、販売価格のあまりの高さ(と買取価格の安さ)に驚いた方もいるかと思います。結論から言ってしまうと、実際に船に装着して使うつもりのモジュールなら、多少高くてもすぐに購入してしまい、いっぱい使って元を取るのが正解だと思います。

マーケットの仕組みの説明で気づいた方もいるかと思いますが、EVEのマーケットでは基本的に定価というものはありません。取引価格はマーケットに参加する人の意思と(駆け引きと)合意によって成立しています。ですので、販売価格と購入希望額が数桁離れている商品が発生したりするわけです。


 では適正価格はいくらなのか?どうやって適正価格か見極めればいいのか?という疑問になるわけですが、これは現役トレーダーにとっても難しい問題で、ましてや初心者が判断するのは無理だと思います。


 以下、初心者の人が一番気になるであろうモジュール類について話しますが、個人的には一番適正価格が分かりにくいのがモジュール類であろうと思います。というのも、適正価格は取引市場に参加している人によってそれぞれ異なるため、市場全体での適正価格の判断が困難だからです。

モジュール類を買う人は大きく分けて二つ、「モジュール類を装備して使用する人」と「何らかの素材として使用する人」です。前者は使用することで利益を得られるので購入価格が多少高くても問題ありませんが、後者にとって購入価格は基本的に安ければ安いほどいい、という考え方になります。販売している人は前者向けに売却オーダーで高く売ろうとしますし、後者は購入オーダーを出して安く買おうとしますので、商品によっては売却オーダーと購入オーダーの価格差が大きくなる、というわけです。


 ですが、初心者プレイヤーがこの辺りを深く考えるのは時間の無駄だと思います。初心者が経験すべきことや理解すべきは他にいっぱいありますので、マーケットの価格決定の仕組みについて頭を悩ませる必要はありません。必要なものが決まっていて、それが今目の前で売っているのであれば多少割高でも買ってしまい、実際に使って経験を積むべきです。仮にそれが割高な商品だったと後で気づいたとしても、笑い話のネタとして回収すればよいのです。

ただ、ごく稀ですが本当に高すぎるオーダーしかない場合があるのも事実です。あまりにも高すぎると思った場合は所属会社の人やヘルプチャネルなどで「何々がいくらなんですが高すぎるでしょうか」などと聞いてみるのも一つの手です。価格について意見がもらえるかも知れませんし、そもそも組もうとしているfitが不適当で、購入予定のモジュールがニッチなモジュールだったりベテランでも使わない超高級モジュールだったりする場合も考えられます。大雑把な目安ですが、初心者が使いそうなモジュールに関してはBS(戦艦)用のモジュールでも20Misk未満が適正価格でしょう。BC(巡洋戦艦)以下用のモジュールならもっと適正価格は低いです。例外はSoEのコアランチャー類ですが、これを使うことを検討している時点で既に初心者とは言えないような気もします。


 余談ですが、モジュールの購入の話が出たついでに、モジュール類を含むルート品やサルベ品の売却について個人的な意見を書いておきます。

モジュール類は種類が多い上に各アイテムによって買取価格がまちまちなため、売却するための仕分けはかなり手間、つまり作業時間がかかります。その割に高く売れないものが多いので、結果として売却総額が高くなりにくく効率は良くありません。一方、サルベージで回収できるサルベ品だけを分けるのは簡単ですし、買取価格競争が激しいので購入オーダーは割と適正な価格(と充分な数量)で出ていることが多いです。


 したがって、「サルベ品だけ売却して、それ以外のルート品はとりあえず保管しておく」のが初心者の人にとって一番効率がいい処理方法だと思います。ルート品を保管しておくと、新しい船を組むときに必要なモジュールが過去のルート品の中から見つかって費用を節約できた、なんてこともあります。


 ルート品をアイテムハンガーに直接置くと整理が大変なので、コンテナを用意してその中にルート品を入れておくと良いでしょう。大容量のコンテナをいくつか持っておくとアイテムハンガーを整理するときに便利です。


・手間を惜しむと損をする?:マルチセル/バイには注意が必要


 本ガイドでは商品を一種類ずつ売買する手順しか説明していませんが、複数のアイテムをまとめて売却/購入する方法もあります。まとめて購入する機能については「大量買い」という名前がついているようですが、売却する機能については特に名称がないようです。大量買いという訳語に違和感がある(「まとめ買い」が妥当か?)こともありますし、本ガイドでは英語表記にならって、両方まとめて「マルチセル/バイ」と表記することにします。

複数の商品をまとめて売却/購入できるマルチセル/バイ機能は大変便利そうに見えますが、使用時には注意が必要です。というのも、妥当な価格で全商品を全数売却/購入できる保証はどこにもないからです。


 そもそも対応する購入/売却オーダーが全くない場合は問題ありません。取引が成立せず、指定した商品が売却/購入できないだけだからです。問題になるのは、指定数を取引しようとすると、いわゆる「ぼったくりオーダー」に引っかかってしまう場合です。

「ぼったくりオーダー」というのは、妥当な価格帯より極端に高い売却オーダーや極端に低い購入オーダーのことです。例をあげるとT1モジュール1個の売却価格が900Miskだったことがありますし、1iskや0.01iskの購入オーダーが出ている商品は数え切れないほどあります。特に購入オーダーはぼったくりオーダーが多く、少数の取引しかないような商品にぼったくりオーダーが出ていることは珍しくありません。


 マルチセル/バイに限った話ではありませんが、即時売却/購入の際に指定数が妥当な価格帯のオーダーの合計数を超えた場合、指定した全数がぼったくりオーダーの価格で取引されるのは先述した通りです。つまり大損するということです。


 このような損をしないためには、各アイテムごとのオーダーを確認して妥当な価格帯のオーダーの合計数だけ取引に出せばいいわけですが、それだったら既に説明した通り、商品を一種類ずつ売却/購入すれば済む話です。


 そんなわけで、本ガイドではマルチセル/バイは非推奨としますので、手順などについては説明しません。興味のある方は攻略wikiなどを参照してください。実際、筆者はマルチセル/バイを使ったことがありません。


 あと、マルチセル/バイに限った話ではありませんが、商品を売却するときは必ずリパッケージする(しないとマーケットで売却できません)とともに、同一アイテムを1スタックにまとめてからオーダーを出すようにしましょう。売却オーダーは1スタックごとに1オーダーとなるようですので、1スタックにまとめないとオーダーの本数が無駄に増えてしまいます。実際、同一アイテム同一価格で数量1の発行オーダーがほぼ同時に数本発行されている場合は案外多く見られます。普段から使わない商品はリパッケージして1スタックにまとめておく習慣をつけると良いでしょう。いずれもアイテムハンガーで右クリックを使えば一瞬の手間で済む作業です。


・最後に:本ガイドは破られるためにある


 ここまでEVE初心者の皆様を対象に、余計な時間と現金の損失を防ぎつつ、効率よくマーケットを利用するための方法について説明してきました。「あれをやれ」「これはやるな」の連続で、大変窮屈な内容だったと思います。しかし、経験豊富な魑魅魍魎が跳梁跋扈するEVEのマーケットを初心者の方が安全に利用するにはこのくらいの注意が必要だと思いますし、逆に本ガイドの内容を守っていれば、不注意などでミスをしない限り大きな損失は発生しないはずです。

マーケットに深入りしないプレイスタイルであれば、本ガイドからの逸脱を考えなくても良いかも知れません。しかし、ある程度マーケットの仕組みを理解して、本ガイドに記載した指示の裏にある理由が分かってきたら、「この部分はこう逸脱しても大丈夫じゃないか、逸脱した方が自分自身にとって正解ではないか」という判断に至るかも知れません。そのときは各自の判断と責任において、本ガイドの指示に違反してしまって問題ありません。


 本ガイドはマーケットのシステムに関する説明は極力避け、具体的な手順のみを記載するように心がけて執筆しています。今すぐマーケットを利用する必要に迫られた初心者の人を対象に、最小限の知的負担で現金と時間の損失を抑えてマーケットを利用してもらうためのガイドだからです。プレイを続けて金銭的にも知識面でも余裕のできたプレイヤーが本ガイドの指示を守り続けなければいけない理由は、実のところ全くないのです。事実、筆者は現時点において、本ガイドの内容をほとんど守っていません。


 繰り返しますが、将来あなたが充分な知識を得て、本ガイドの指示に違反するのが自分にとって正しいと判断したなら、自らの判断と責任において本ガイドの指示に違反してしまって差し支えありません。その時あなたはもうEVEのマーケットの初心者ではありませんし、本ガイドの指示を破ることがあなたがマーケットだけで稼げる人になるための第一歩かも知れません。

そういう意味において、本ガイドは破られるために存在している、そう考えています。