2020年5月16日土曜日

出張!ONCBN従軍記 #2 美しき波状攻撃

「戦闘の時間だぜ!全員集合!」


そう言ってはいてもGoonswarmの話。その足でストラクチャ撃って帰ってきたり、あるいはスターゲートの前で待ちぼうけするようなことも多い。しかし今回はどうやら様子が違ったようだった。到着したところはピュア・ブラインド。艦隊が腰を落ち着けたストラクチャの前には、今まさに最終タイマーが解除されようとしている友軍のフォータイザーがあったからである。

壊しに来ないわけがないのである。ローカルにはだいたい2個艦隊、およそ450人が集まってはいたが、最近の相手であるPanfam、Fraternity. 、そしてSiege Greenの艦隊が押し寄せてくると考えるとまったく心もとない。数負け、下手したら倍、おまけに主力艦のドロップ追加まである。明らかに劣勢からの大敗が目に見える「あかん状況」の中、戦闘の開始は早々に訪れた。

ランディングするFraternity. の強襲型巡洋艦艦隊を皮切りに次々と現れる敵艦隊。ローカルは軽々と1000人を超え、その時点で予想通りの劣勢。フォータイザーを悠々と撃ち始めた彼らを見ながら「多少しかけるだろうけどこれすぐ帰るまであるな~~」と見守る私たちの前で、予想外のところから艦隊は綻びた。友軍のRanger Regiment側のフェロックス艦隊の一部がテザリングを外れて漂い、そこを敵軍が強襲したのだ。展開されるバブル、あっという間に落ちるフェロックス。そんな・・・そんな間抜けな話ある?Goon側のFCも若干迷ったような気配だったが、射程内に遊弋する敵艦隊にここで仕掛けることを決めたらしい。多少バチバチとやりあった後、艦隊はいまだ攻撃を受け続けるフォータイザーを撃ち続ける艦隊の傍にワープし、本格的な戦闘を開始したのである。

削りあいにしても分が悪い。

全方位攻撃であるポイントディフェンスバッテリーを展開したフォータイザーは痛い。フォートとも敵艦隊とも適切な距離を取り、襲い、襲われという削りあいをしていた双方の艦隊だったが、Goonswarmの艦隊は途中自らフォータイザーを背負い、自らを焼かれながらの防衛戦にシフトした。爆撃艦の艦隊やECMバーストを積んだ要撃型フリゲートが機能し始め、純粋な殴り合いが不利になってきたからだ。これならフリゲートは近づけないが正直痛い。パニックが起きたように艦隊にリペア要請が乱打され、ロジスティクス群の負担は頂点に達した。驚くべきことに自軍・友軍の艦隊はその場に踏みとどまり、損害を出しながらもフォータイザーの防衛戦闘を継続したのだ。

逃げ遅れた敵軍のロジスティクス艦隊を捕捉して次々と撃墜したあたりから敵軍の動きが変わる。あくまで相手の目標はフォータイザーの破壊である。数で優越しているとはいえ、殴り合いを続ければ損耗は避けられない。こちらの艦隊の射程外にワープしてストラクチャを削り、こちらがそれを攻撃しに動くと小競り合いをしながらワープアウト。その頃には別の艦隊が別方向から侵入し、またしてもこちらの射程外からストラクチャを削る、という動きになる。こちらからすれば1つの艦隊と揉み合っている間にやってきても反応できず、それどころか射程内の敵への対応、ポイントディフェンスバッテリーをものともせずに突っ込んでくるCaldrius Allianceの爆撃艦隊への対応に追われ、相手艦隊がワープアウトして初めて次に移れるような有様であり、その間にもフォータイザーのHPはガリガリと削れた。艦隊運動のお手本のような美しい波状攻撃。全力で戦闘できているにも関わらず削られるのはもうだめである。


自軍・友軍艦隊はフォータイザーを捨て、相手の戦力を削ぐ強襲戦闘にシフトした。何度も突っ込んでくるECMバースト艦にターゲットを潰されながら、艦隊運動からあぶれた船を食う。やがてフォータイザーが爆散すると、敵艦隊は鮮やかに撤退に移行。ロジスティクスに壊滅的な打撃を受けつつなお気炎を上げるGoonの艦隊は即座に手近な敵フェロックス艦隊を追撃したが、数隻の逃げ遅れを捕まえただけであっさりと振り切られた。

途中何度もジャンプアウト音が鳴り響き、敵・味方のどちらも増援を投入し続けた結果、それぞれ数百隻(カプセル含む)、総額1千億ISK超の損害が生じたビッグ・ファイトになった。ただまあ損害額のうち1割強は落ちたフォータイザーの分で、差し引いても6:4で味方側が負けるという結果になったのは残念だが、ここまで長時間に渡り粘り強く艦隊がぶつかり合ったのは実は個人的に初である。4時間に及ぶ戦闘で疲労困憊といったところだ。

https://zkillboard.com/related/30003689/202005151500/

猛攻、果敢、そして緻密な敵性同盟の攻撃にまたしてもひとつのストラクチャが落ちた。果たしてGoonswarmの反撃はいつなりや!乞うご期待である。

2020年5月13日水曜日

出張!ONCBN従軍記 #1 ワームホールの決闘

ONCBNのドレイク艦隊、ワームホールを流す・・・。

いくつかの穴を経由してたどり着いた先はあの「EVE University」の拠点であるワームホール空間。先行した偵察艦がそこからお出かけする数隻の巡洋戦艦を捉えており、戻ってきたそいつらを食いたいような感じだ。
しかしフリートの司令官には別の思惑もあったらしい。面白いものを見せる、と前置きした上で、おもむろに礼儀正しく扉をたたき始めた。


FC「knock knock」


ローカルチャットで!?
ワームホール空間ではローカルチャットが”発言するまで”見えない。奇襲には最適で、プレイヤーはDスキャンやコンバットプローブを駆使して相手を探し、また身を守るのが普通だ。その利点を捨てた?

そのまま、戦おうぜ、じゃフォームアップするわ、というような会話が続く。なるほど、相手を戦闘モードに引き上げるためか。ワームホール空間における侵入者は最大の危機である、と言っていたWH屋がいた。どこにいるかわからない敵。いつ襲ってくるかわからない相手。普段はPvPが嫌いでも、侵入者だけは全力で容赦なく殺しにかかるのだと。


FC「顔も見せる」


マジかよ!?
艦隊は相手の拠点であるフォータイザーのグリッド内に飛んだ。戦闘艦とロジスティクス、誰を隠すわけでもなく全員でだ。そんなことをしたら相手が全力で、ありとあらゆる手段で殺しに来てしまうのでは?しかしそうはならなかった。



太陽(これも相手の拠点から目視できる距離)で相手を待つこと少々、出撃してきたのはほぼ同数のブルティクス・ハービンジャー混成艦隊。ロジスティクスもこちらのオスプレイに合わせたのか、オーゴロー。加えて数隻のブラックバードとアシッムー、タロス。容赦なくこちらのロジスティクス艦を狙ってランディング、戦闘が開始された。

正直艦隊戦にもかかわらず、ターゲットしたら相手が1000m切ってるような戦闘は初である。完全に両者の艦隊は混ざりあい、相手のブラックバードがこちらのロジスティクスのキャパシタ送電チェインを無効化しようとしてくる。こちらもオーゴローに食いつき、相手の喉笛を食い破ろうとする。しかし膠着はわずかな間だ。
相手のタロス、ハービンジャー、そしてオーゴローが1隻落ち、そこからは一気に崩れた。FCの指示でドローンも投入され、次々と相手の戦闘艦が落ちる。もちろんここは相手の拠点、バブルもないので何人かは船を乗り換えて再出撃してくる。しかし戦力的には大差がつき、逐次投入ではどうにもならなくなったあたりで敵が撤退、戦闘は終了した。

終わってみれば、相手はほぼ全滅。こちらの被害は1隻。

https://zkillboard.com/related/31000382/202005091500/

FCには勝算があったらしい。相手も戦闘経験が欲しいだろうから、こちらの仕掛けてみせた戦闘にほぼ同等の艦隊で対抗してくるだろうという勝算だ。バブルを使わなかったのもいわば礼儀。卵を割ってしまうとワームホール空間に戻ってくるのは大変だからだ。

手ごたえの感じでは、どうも相手のオーゴロー(ここには2隻しか映ってないが3隻はいた気がする)は1分ちょっとでキャパシタ切れを起こしたか何かで有効に機能していなかったようだ。接近戦に来たブルティクスは柔らかく、ロジの支援なしではまったく持たなかった。ブラックバードは数的に全ての支援艦に対応できたはずだが、そうはならなかった。1隻2隻にひたすら集中していたらしい(されてた人がボヤいていた)。あとは殲滅戦である。

ただ、こちらもプライマリ・ターゲットへの攻撃がばらけていたところがあり、反省点はいくつもある。だが初めてロジスティクス艦に乗る人の経験にもなり、なんとも爽やかな空気を残したグッド・ファイトだったのである。


もちろん全てのワームホール戦闘がこうであるとは言えない。しかしこういうイカした戦闘も時には起こるのだ。