2021年3月28日日曜日

出張!ONCBN従軍記 #15 棺桶になったムニンの日々

 2月のアップデートで強襲型巡洋艦から、マイクロワープドライブのシグネチャ半径ペナルティ低減が消えたのを覚えているだろうか?遠距離型のイーグルやケルベロス、防御力に長けたサクリッジなどはともかく、血みどろの格闘戦を旨とするムニンなどは生きる道がないのではないか・・・そう陰で囁かれているこの頃。しかしムニンはいまだに「殴り合い」で使われている。

デルヴ。去年から今年頭まで、世界中の勢力とGoonswarmが属するImperiumの戦場になったこの地は、すでに世間の関心を失っているようだった。クエリアスとピリオド・ベイシスのインフラは全て破壊され、ファウンテンへの接続も絶たれ、Goonswarmは本拠地を含むコンステレーションに押し込められている。周辺ではTEST他による放棄ストラクチャの破壊作業が進んでおり、次の大きな戦闘が仮に起こるとしたらいよいよ本拠地への侵攻となるだろう。しかしそれが起こる確率すら、現在は目減りを続けている。Legacyからの離反勢力や南部の諸アライアンス群による南部侵攻、北部や南東部で生まれる紛争の火種、連合の前にまったく力を失っているImperiumではあるが、泥沼をかき混ぜることのみが生き残る道であると言わんばかりに、ムニン艦隊を各所に派兵していた。



マジ無理ィ!!!

ここはまだデルヴ。本来であればジャンプゲートを駆使して向かうような位置にタイタンからドロップしたムニン艦隊は、入れ違いでゲートを通過した敵ムニン艦隊を反転して追撃、一気に攻勢に出た・・・まではよかったものの、近距離でドローンの撃ち合いになった際に小型艦の差が出た。司令官の指示は自艦20kmオービット。機動性すら失った艦隊は突撃してくる大量の小型艦にいいように切り裂かれた。こちらの攻撃はほとんど通らず、敵からは撃ち放題。いつしか艦隊はひとところに寄り集まっていたが、そうでなかったものは皆撃沈されたようである。

https://zkillboard.com/related/30004766/202103241000/


ひどい目にあった・・・気を取り直して今度はクエリアスを超えてキャッチへと派兵。Legacy系がボコボコにされている裏でPanfam系列のアライアンスが暗躍していたりする混迷に満ちたリージョン。そのSOV戦に介入し、今度はひたすらに攻撃した。


機動戦に長けた司令官は矢継ぎ早にターゲットを指示し、もはやアーティレリのサイクル的に2隻に1隻くらいしか撃てないようなペース。ロジ艦を一掃しリンク艦を壊滅させ、すごいペースで敵艦を食いまくる。残念なことに敵艦隊の方が数が多く、最終的にはI-HUBの前で守勢に入った敵をちまちま削るしかなくなってしまった。何度か仕掛けたが、敵を崩せずに終わってしまった。

https://zkillboard.com/related/30001260/202103241300/


ムニンは足が速くてボレーが強い、良い船なのは確かだが、確かにアプデの後はなんとなく死にやすい。心細さを感じる。とはいえ数が多いときの殴り合いはそんなの関係ないところがあるので、これからも使われていくことだろう。何、簡単なことである。出かける前にお祈りをしっかり済ませておけばいいだけだ。

2021年3月22日月曜日

Drifters(ドリフターズ)に関するストーリー - そして彼らの正体についての考察 その1

 (原文:https://forums.eveonline.com/t/compilation-speculation-the-lore-of-the-drifters-and-their-other-possible-identity/143079)

 

ドリフターズ(Drifters)は、現代のEVEにおいて最も悪名高い脅威のひとつです。彼らの行動は素早く、乗りこなす船舶は攻撃力が高く、不用心なパイロットを数多く沈めて勝利を収めてきました。彼らは20152月に公開されたアップデート「ティアマット(Tiamat)」で登場して以来、その正体の秘密に迫る鍵をいくつか残していきました。

 

この記事は、第一部でこれまでドリフターズが関わってきたストーリーの概要をまとめます。第二部では、ジョビ(Jove)の末裔であるドリフターズは、Enheduanniと対応する、とある軽蔑された存在と関連するのではないかという考察について、詳細に紐解いていきます(第一部を先に読んでおくと話の全体像が掴めるため、第二部で提示される推察も非常に分かりやすくなると思います)

(訳注:Enheduanniもまたジョビの末裔で、仮想空間コンストラクト(Construct)を守護することを使命としている。仮想空間コンストラクトの出入りには厳しい制約が課されているが、制約を無視して出入りしているのがアザーズ(Others)という存在である。ドリフターズの正体はアザーズなのではないかという推察が第二部で紐解かれる)

 

(ちなみに、今回の記事を読むときはこちらのサウンドトラックを流すことをおすすめします。)

 


 

ドリフターズに関するストーリー

 

序章

YC11610(訳注:201410)、シスターズ・オブ・イブ(Sisters of EVE)はスリーパー(Sleepers)の活動に異常な変化を確認し、スリーパーの活動が活発化していることを報告した。(訳注:シスターズ・オブ・イブはEVEの勢力のひとつ。New Edenから太陽系へと通じるEVE GATEを再び開くことを目指してさまざまな調査・研究を行っている。スリーパーもまたジョビの末裔。) その直後、Inner Circle(訳注:コンコードの首脳陣)緊急のワームホール会議を開き、スリーパーの活動に変化が見られた件について議論を交わした。この会議の後、サンシャ(Sansha)国のインカ―ジョンが突然撤退し、ワームホールを使うことなく姿を眩ましたため、彼らに対して特別な警戒を払うよう注意喚起が出された。(訳注:サンシャ国は数々のシステムへ侵略(インカ―ジョン)を繰り返しているNPC勢力。当時はサンシャ国の撤退の原因が不明だったため、撤退を装った奇襲を企てている可能性があるとして警戒を促す注意喚起が出された)

 

爆発

YC1161127日、W477-Pというシステムのど真ん中で、かなり異常な恒星活動が起きていることがカプセラたちの手で最初に観測された。この報告は瞬く間に広がり、すぐさま活発な議論が巻き起こった。何故ならこの現象は、UUA-F4リージョンの到達不可能な場所で起きていたからだ。(訳注:UUA-F4リージョンは基本的にプレイヤーが立ち入れない宙域。ジョビ領)

 

後にW477-Pの恒星は古代タロカン(Talocan)による恒星エンジンであることが分かり、恒星の軌道上には無数の構造物が網のように配置されていることが確認された。恒星に群がるこの構造物は、恒星の持つ莫大なエネルギーを引き出して利用することができ、エネルギーの出力先として無数のスタティックゲート(Static Gate)を備えていた。ゲートの出口は、アノイキス(Anoikis)の奥深くに通じていた。(訳注:アノイキス銀河はワームホール空間のこと。当時はまだ、ワームホールを利用した空間転移技術は確立されていなかった)このことから、タロカンという文明はNew Edenの歴史上、最も発達した技術を有していたことが明らかになった。(この話の全容については”Inheritance”というクロニクルに書かれている)

 

YC111年にセイリンイベント(Seyllin Event)が起きると、このイベントの影響を受けた星が全く同時にスタティックゲートへエネルギーを流入させたため、とてつもない過負荷が起きてスタティックゲートはバラバラになった。セイリンイベントのエネルギーは50余りのゲートから逆流し、ネットワークを通じて直接W477-Pの恒星に注ぎ込まれ、ゲートは完全に焼け尽きたのだった。W477-Pの恒星ではすぐさま巨大な恒星質量放出が確認され、恒星を取り巻く構造物の網に亀裂を走らせた。ジョビ理事会(Jove Directorate)がその様子を観測したところ、この恒星は数年以内に超新星爆発を起こすだろうという見解が示された。(訳注:超新星爆発の前兆として、質量放出現象が起きることがある)

 

YC116年、ついに事件が起きた。W477-Pの恒星は超新星爆発を起こし、その様子はすぐさまNew Eden全域から目撃された。これは恐らくNew Edenのクラスタという時空が持つ特性と、タロカンスタティックゲートネットワークが密接に絡み合うことで起きたのだと考えられる。(訳注:光は光速で進むため、例えば100光年先で起きた爆発を目視するには普通なら100年待たなければならない。W477-Pで起きた超新星爆発が広大なNew Eden全域で同時に目撃されることは通常あり得ないが、超新星爆発の視覚的情報がタロカンスタティックゲートを通じてほぼ同時にNew Eden全域に拡散されたのではないかと筆者は述べている)まだネットワークの一部として活動しているゲートが恒星を取り巻いていたが、超新星爆発のエネルギーは生き残ったゲートにも流入し、群れを成していたゲートは一つ残らず破壊された。

 

破砕

史上最も特異的なこの現象は、後に「カロラインの星(Caroline’s Star)」と呼ばれることになったが、この現象と同時にシスターズ・オブ・イブが「テーラ(Thera)」と名付けて存在を隠し通してきた場所との通信が途絶したのだった。(訳注:テーラは砕けたワームホールシステムのひとつ。wiki)今は「砕けたワームホールシステム」として多くのカプセラに知られているシステムと共に、テーラのシステムは超新星爆発の影響を直接受けたのだった。こうしたテーラに属するシステムの中心付近には必ず「Epicenter(震源地)」のサイトが見つかるが、このサイトはかつてW477-Pのスタティックゲートに接続されていて、利用可能であった。超新星爆発の爆風がゲートを押し通ったため、それぞれの星は莫大なエネルギーの流入を受け、セイリンイベントで起きたものとは比にならない壊滅的な事件を引き起こした。テーラのシステムは、ゲートを中心に「砕けた」のだ。

 

これらのシステムの中には、サンシャ国の軍事勢力によって占領され、今も占領されているシステムがある。こうしたシステムは、以前は彼らの終わりなき侵略のための集結地点として機能していた。インフラ設備や軌道上の構造物は明らかに破壊されており(そして先ほど言及したサンシャ国の原因不明の撤退はこれが理由であることが分かったが)、その裏では奇妙な戦闘が静かに勃発し、新たな疑問を残していった。放棄されたスリーパーの飛び地の近くで起きた戦闘により、Revenant級の大型艦載機母艦を含むサンシャ国の軍事勢力が壊滅したのだ。彼らの船の残骸には、所属不明の船舶の残骸も混じっていた。

 

カロラインの星の事件以降、New Edenや他の各地ではスリーパーキャッシュ(Sleeper Caches)が発見されるようになった。これらのサイトは長年クローク状態で姿を隠していたらしく、いつ頃からそこにあったのかは分からないが、スリーパーが関心を寄せるアイテムやテクノロジーを収集するために長年暗躍していたようである。ここでスリーパーはひそかに、先駆者のテクノロジーや帝国のテクノロジーを盗み見していたのだ。しかし、これまで完全に姿を隠してきたはずサイトは、何者かによって組織的に荒らされていた。攻撃者は広範囲クロークを損傷させ、非常に価値が高いであろう人工物やテクノロジーと共に姿をくらませたのだった。

 

スリーパーキャッシュが同時多発的にクロークを解除したのと時期を同じくして、タイタン級の大きさを誇る正体不明の構造物がゆっくりとクローク状態を解除し始め、New Edenの至る所で奇妙な新しいタイプのスリーパードローン(Sleeper Drone)がうろつくようになった。彼らは視界にあるものすべてを静かにスキャンし、徐々に自らの敵対者に対して対抗する力を備えていった

 

明快

C117217日、正体不明の構造物はついにクロークシステムのシャットダウンを完了させ、全貌を現した。この構造物は、現在は「放棄されたジョビ天文台(Jove Observatory)」として知られている。New Edenの各地で発せられる叫びや囁きに聞き耳を立てるために作られた構造物だった。直後、ジョビ天文台の存在するシステムには、スリーパーの構造物によって囲まれた正体不明のワームホールが出現するようになった。銀河の舞台に新たな登場人物が現れたのだ。

 


ドリフターズは静かに姿を現し、その強さは向かうところ敵無しだった。つややかで強力な戦艦は、従来のものとは大きく異なる棒状の基礎を持つ推進装置と、半自動で攻撃する武装、独立したタレットを伴い、分厚いシールドに守られ、多くの船に致命傷を与えうる主砲を備えていた。こうした船が正体不明のワームホールから次々と姿を現し、ジョビ天文台を調査し始めたのだった。ドリフターズとシーカードローン(Seeker drones)は構造物へ穴を空けはじめ、そこから得られるAntikythera Elementsや他のマテリアルをサルベージし、現在もなおその活動は続いている。かつてスリーパーキャッシュが被ったのと同じことが繰り返されていた。

 

ドリフターズの武装勢力は「Vigilant Tyrannos」と名付けられた。スリーパードローンとは違い、ドリフターズの武装船には操縦者がいた。Tyrannosたちは重度にインプラントを挿入したジョビの人々に似た姿をしており、目的に向かって高度に意思を統一して決して揺らぐことがなく、いかなる挑戦者が相手でも大挙してこれを圧殺した。回収されたドリフターズの遺体に対して検死が試みられ、その結果を伝える会見が開かれたが、ユーライ(Yulai)に単独で現れたドリフターズの戦艦によって会見は一時中断されることになった。検死の結果、Tyrannosのパイロットには数多くの相違点があるものの、紛れもなくジョビの生理的特徴を有していることが詳細に明らかにされた。

 

ドリフターズがジョビの末裔であることは、彼らの外見的特徴や身体的特徴から見て明らかな一方で、ドリフターズの生理的構造は多くが取り除かれて、奇妙なほど手が加えられています。ドリフターズが執念深く単一の意思を共有できたり、謎めいた目的に向かうとき全くの無慈悲を貫けるのは、彼らに施された重度のサイバネティクス手術が大きく関わっているようです。彼らの目的が何であれ、ドリフターズが所有するテクノロジーは他のジョビの末裔が持つテクノロジーとは明らかに対立するものであり、ひょっとすると彼らより優れているとさえ言えるものです。

ドリフターズの血筋に関する記述

 

この個人は、Vigilant Tyrannos勢力の強力な船舶のひとつを操縦する人物です。顔立ちには気品がありますが、人相に色濃く表れる冷血さを和らげるものではありません。膨大な力を持つこの指揮官の決意を崩すことは不可能でしょう。

  ゲーム内に隠されたApolloArtemis Tyrannosに関する記述

 

Vigilant Tyrannosの指揮系統は、Strategosクラスの船を所有する個人がトップの座に位置しているように見えます。暗号解読によって、この個人より命令信号が発せられたことが特定されましたが、このドリフターズがさらに上層部から命令を受けているか否かは明らかでなく、Tyrannos Strategosが謎めいた武装勢力の真の指導者なのかも不明です。

  ゲーム内に隠されたTyrannos Strategosに関する記述

 

ドリフターズは「最も血筋の古いジョビの遺した遺産を受け継いでいるようだ」と記述されることもあり、彼らの正体が第二次ジョビ帝国の支配者層「Tyrants」であることを指しているのではないかと考えられる。

 

初代ジョビ帝国の凋落後、ミコ・ブール(Miko Bour)という名の伝説的なジョビ人がHeavenコンステレーションの実権を握ると、彼はジョビの飛び地を統一し、敵対する者は文字通りあらゆる手段を用いて排除し、ジョビ文明の崩壊を阻止したのだった。ブールは非人間的なまでに冷徹な人物だったと伝えられており、ジョビ人を力で支配し、軍事的圧力をかけることで数々の飛び地を従わせた。しかし多くのジョビ人は、帝国が崩壊すればどのような混乱が生じるか理解していたので、喜んで彼に協力した。彼は後に最初のタイラント(Tyrant)として知られ、彼の派閥は第二次帝国の支配者層となった。しかし、ブールは単なる猛将ではなかった。

 

第二次帝国が安定期を迎えると、彼は連邦制度を導入し、Ruling Chamberと呼ばれる議会にジョビの飛び地から推薦された代表者を集めた。タイラントが実権を握るには権力を正当化する必要がある点を認識していたため、ブールはRuling Chamberのメンバーの一人がタイラントの職務に就くよう規定した。

  EVE: Source

 

ドリフターズは、タイラントを覆っていたヴェールを取り払うと共に、初代タイラントに似通った冷徹さを持って表舞台に現れた。彼らの呼び名は「Vigilant Tyrannos」、ラテン語で「活眼のタイラント(Watchful Tyrants)」を意味する。

 

TUKOSS

YC1161024日、長らく行方不明だったドクターハイレン・トゥコス(Hilen Tukoss)から通信が入った。彼はArekJaalanプロジェクトを立ち上げた人物で、YC113年にリアンダ・ビューロー(Lianda Bureau)の所有するヘリオス(Helios)wikiが放置されているところを破壊された件の後、アノイキスに向かったきり消息を絶っていた。そんな彼が、Intergalatic Summit(IGS)に現れたのだった。この通信があったのは、シスターズ・オブ・イブがスリーパーの活動に異常が見られることを報告したすぐ後のことで、「カロラインの星」の事件が起きる直前のことだった。

 

メッセージには16進法で書かれた箇所が多数あり、書式は人間のコミュニケーションとは似つかわしくないやり方で決定されていた。その内容は、YC106年に物質転送装置のテスト中に起きたアクシデントによりジョビ人の重役会大使の身体がバラバラに分解される事件があったが、その時のジョビ人の生体サンプルを集めるよう推奨するものだった。ドクターのメッセージには、ArekJaalanプロジェクトの本部であるエラム(Eram)の「Site One」に近々補給物資が届くだろうとも書かれていた。メッセージの中で彼は、長らく連絡が取れないでいたが、その間も「writeconflict date/current=24/10/116 replace/string=09/07/113 YC113年に共に始めた研究」に打ち込んでいたと述べられていた。

 

第二のメッセージは、最初のメッセージから11日後の114日に届いた。このメッセージも16進法で書かれた箇所が無数にあり、書式が不自然に変更されていた。また、IDからはメッセージがアノイキスにある未知のシステムから送られたものであることが分かった。アノイキスといえば、我々がコロニー化して居住可能にしたことを「ドクター」が称賛した場所でもある。後にこのメッセージに含まれるIDはテーラのシステムであることが分かった。

 

第二のメッセージから8日後、数多くのカプセラが素直にエラムを訪れてジョビの生体サンプルを届けたのであったが、IGSにはこれまでとは大きく異なる第三のメッセージが投稿された。メッセージの内容はほとんど崩壊していたが、どうにか解読可能であった。その内容は、トゥコスはアノイキスのどこかに拘束され、何らかの方法で「捕まって」いることと、Site Oneは危険に晒されており、ArekJaalanプロジェクトの命運はカプセラたちの手に委ねられていることを警告するものだった。そしてトゥコスは、どうかプログラムを引き継いでほしいと懇願していた。

 

再構築の試みがなされた第三のメッセージ

 

第四、第五のメッセージは数か月後のYC117226日にIGSに投稿され、その頃すでにドリフターズは出現した後であった。このメッセージもまた崩壊していたが、再構築の試みによってその内容は不吉な知らせを含んでいることが分かった。かつてスリーパーと呼ばれていた眠れる民が、まず間違いなく、眠りから覚めたのだった。トゥコスはある人々に遭遇し、拘束されていた。彼らは生物的な側面と生物工学的な側面を併せ持つ生命体、ドリフターズだった。トゥコスはどうにか「スリーパーの乗り物」を確保して脱出し、Site Oneを目指しているとのことだった。

 

再構築の試みがなされた第四のメッセージ

 

トゥコスからの「本物の」メッセージに含まれる位置情報やピンを調べた結果、彼の最後のメッセージが発信されたのはエラムのエイフィル(Eifyr & Co.)ステーションから約30km離れた地点からだったことが算出された。ハイレン・トゥコスがSite Oneにたどり着くことはなかった。

 

このメッセージから10日経たずして、ハイレン・トゥコスは親会社から権利を剥奪され、彼は市民権と人権を失った。

 

 

HIVE

YC11758日、SCOPEはエイフィルによって隠蔽されていたハイレン・トゥコスからの通信を暴露した。ドクターはまだ未発見のアノイキスのシステムにある巨大構造物へドリフターズの艦隊が物資を集め続けているのを発見し、この「緊急通信」の受信者にDED(訳注:コンコードの警察部門。主な職務は犯罪者の取り締まりだが、安全保障に関わるあらゆる任務をこなす)へ通報するよう伝え、我々が「侵略を受ける可能性」に直面していると警告した。通信データは壊れていたが、映像からはハイレン・トゥコスが船に乗り、出来る限りの情報を伝えようとしている様子が分かる。しかし間もなくドリフターズに発見され、彼は眩い光と共に消滅した。映像はそこで途切れていた。

 


DEDはすぐさま緊急通信の詳細を明らかにした。発表によると、この通信は一年ほど前に送信された内容だとのことだった。ハイレン・トゥコスがIGSに現れて不可思議なメッセージを投稿するより前だということになる。エイフィルはこの通信を受け取るとその内容を隠蔽し続けていたのだった。DEDはこの件に関して、エイフィルの元職員に事情聴取を行った。それ以降、どういった事情聴取が行われたか内容の詳細については公式に発表されていない。

 

YC11768日、カプセラのグループがハイレン・トゥコスの遺体を発見した。遺体が発見されたのは、彼の最後の通信に映った建造物に近い場所だった。その日を境に、ドリフターズによって開かれた正体不明のワームホールがカプセラ達の生活圏内に出現するようになった。

 

後にドリフターズ・ハイヴ(Drifter Hives)と呼ばれることになる彼らの建造物は、いくつもの空間がある複雑な複合施設の奥深くに隠されており、うまくたどり着くためには高い協調性をもって協力し合う必要があった。ハイヴそれ自体は無数のスリーパーの飛び地に囲まれた場所に鎮座しており、辺りにはかつてスリーパーの飛び地に住んでいたジョビ人の遺体が野ざらしの状態で静かに漂っている。緊急通信で言われた巨大なドリフターズの艦隊に繋がるようなものは何一つなかった。そこには時折、パトロールに来たドリフターズの小集団と、新たな分類となるドリフターズのパイロットが現れるだけだった。ハイヴのそれぞれの部屋では「Hikanta Tyrannos」と遭遇することができ、彼らは「vaults」を守るために強化されたドリフターズの戦艦に乗って単独で現れた。彼らが守る「vaults」には、施設のインデックスを名前として持つキーが含まれていた。キーの名前は5つのハイヴに付けられた名前(BarbicanSentinelVidetteRedoubt、そしてConflux)にそれぞれ対応しており、ミーム的な活性がある未知のエレメントを含んでいた。

 

 

この個人は、Vigilant Tyrannosの武装勢力の一員として強力な船舶を操縦しています。面影からは、獰猛なまでに高い知性と正確無比な決断力を感じさせる雰囲気があります。膨大な力を持つこの指揮官の決意を崩すことは不可能でしょう。

  ゲーム内に隠されたHikanta Tyrannosに関する記述

 

Redoubtインデックス

このコードは興味深いことに我々の聞き慣れない数学的アルゴリズムに満ちた書かれ方をしています。このインデックスは何かの鍵を開けることが出来るだろうこと以外は、何も分かりません。インデックスには自己再構築コードが組み込まれているため、パスキーとして使えるのは一度限りです。

 

Redoubtエレメント

このオブジェクトの奇妙で非現実的な側面は、あなたの頭の中で何かを騒ぎまわる。歪みは信号の受信を妨げ、暗号解読の邪魔をする。にも関わらず、騒乱の中から、とある奇妙なモチーフが繰り返し閃く。たったひとつの概念が、繰り返される。

 

Redoubt

 

ドクターの遺体が回収されるや否や、コンコードはドクターの遺体から採集された大脳のスライスサンプルを無条件でDEDに引き渡すよう命令した。これはトゥコスの遺体から回収された唯一のサンプルだった。この緊張関係はかなり激しい事態にまで発展し、コンコードは本件に関わるすべてのカプセラに対して刑罰まで科したが、713Lucas Raholanは上官の命令に従いこのサンプルを引き渡した。

 

引き渡しに応じたカプセラの刑罰は引き下げられ、ハイレン・トゥコスの遺言(その内容はいまだに明らかにされていない)はエイフィルによって果たされた。公表されたドクターの死因は「TEBS損傷(Transneural Echo Burn Scanner Failure、高負荷全神経エコースキャン損傷)」によるものだと認定された。

 

その4月後、エイフィルが創設メンバーに含まれるUpwell Consortiumという組織が設立され、野心的な産業協働組織としてスタートを切った。

 

 

皇妃殺し

ドクターのスライスサンプル事件が円満に解決した数日後、アマ―(Amarr)海軍は数か月前に建造された帝国仕様アバドン(Abaddon)(訳注:アマ―の火力戦艦)に基づいたプロトタイプ艦船の起工を祝して式典を開くことを発表した。この式典にはアマ―皇妃ジャミル・セイラム一世(Jamyl Sarum I)も出席することが決まった。このとき、彼女が式典の席に伴ったもうひとつの存在は、まだ誰も知るところではなかった。

 

式典の発表の後日、7 25 日、アバター(Avatar)(訳注:アマ―の旗艦級戦艦、タイタンクラスの超大型主力艦。通称きのこ)に乗船した皇妃は厳かに彩られたアマ―の主力艦の護衛隊を伴って公の場に姿を現した。Mekhiosに関する記念式典が執り行われていると、意識思考学会(Society of Conscious Thought)Elder MentorであるMatshi Raishが現れた。Raishはジャミル皇妃の船を未知の方法でスキャンしたが、そのスキャン方法はドリフターズやシーカーのやり方と一致していた。Raishは皇妃の船をスキャンし終えると、目標を発見したと告げた。直後、アマ―の親衛隊はMentorの乗っていたグノーシス(Gnosis)級の船舶を破壊し、彼のポッドにとどめを刺した。

 

Raishの意識はGeminateに戻り、彼はクローンベイで目覚めるとVenielに会った。VenielDirectorate時代からいるジョビ人で、長い間、意識思考学会のメンバーとして働いていた。Raishは彼の発見をVenielに伝えた。ジャミル皇妃の神経インターフェース接続からは、通常ではあり得ない思念体のシグナルが検出された。皇妃の体内には2つの思念体が同居していたのだ。RaishVenielに、「アザーズ」を見つけたと告げた。VenielRaishは、これらの事実に加えて、カロラインの星の件や他の深淵な暗号が示す真実とは何かについて議論を始めた。(このストーリーの詳細についてはInheritanceを読んでください)

 

この5日後、サフィゾン(Safizon)というアマ―海軍のステーションが中心にあるシステムに対し、巨大なドリフターズの艦隊が攻撃を仕掛けたTyrannosとアマ―の船は激しく衝突し、帝国とカプセラの親衛による合同艦隊の前にドリフターズはついに敗れた。

 

次の週、アマ―の旗艦級艦船のプロトタイプがThrone Worldsテストを受けている姿が確認され、この船はこの後サフィゾンに戻って正式な試運転を開始するだろうと思われた。次の日、ドリフターズは再びサフィゾンに現れて海軍本部を襲撃したが、アマ―とカプセラたちの努力によって退けられた。

 

二週間の静寂の後、プロトタイプ艦「Auctoritas」の引き渡しが告知され、YC117821日、さまざまな危険が想定される中、予定通り引き渡しが行われた。

 

皇妃ジャミルはTES Seraphと名付けられたアバターに乗船し、予定通り18:00に登場した。その場には多数のカプセラも出席し、いかなるドリフターズが現れても迎撃できるよう準備が進められた。しかし誰一人として、この後直面する事態を予測できた人はいなかった。ドリフターズの戦艦100による艦隊がその場に一斉に現れ、他の目標には目もくれず、致命的な高火力を誇る主砲を一斉にタイタンに照射すると、皇妃のカプセルを破壊し、すぐさまその場を離脱した。Scopeはこの件を臨時ニュースで報道し、次の日Court Chamberlain皇妃ジャミルの崩御を伝えた。数日後、Throne Worldsに対してドリフターズは短期間の侵略を行ったが、このとき重要な軍事目標をいくつか攻撃したこと以外に侵略の目的ははっきりせず、彼らは再びアノイキスへと戻っていった。

 

 

ネクサス

ちょうど2か月後のYC11711月、ドリフターズはアマ―のThrone Worldsに対して二度目の襲撃を行った。この事件が勃発したのは、ドリフターズ・ハイヴ複合施設の奥に隠されていた建造物「ネクサス」が新たに発見されたすぐ後だった。

 


それぞれのハイヴ複合施設の奥深くの中心には、ワープ速度以下の速さでゆっくりと航行しなければ到達できない異様なサイトがあることがカプセラによって発見された。複合施設の「ネクサス」には2つの極渦が天体規模の大きさで循環しており、アノマリの中央にはエネルギーを帯びた鉄塔が巨大なウニのような形で配置されていた。

 

この発見から数日後、ドリフターズはアマ―に対して二度目の襲撃をかけた。次にカプセラたちがハイヴサイトを探索したとき、複合施設の侵入手順に大きな変更がいくつも加えられていることが分かった。アクセスの難易度は大幅に引き下げられており、ハイヴの部屋に入るときに足並みを揃える必要性もなくなっていた。また、すべての加速ゲートのロックが解除されており、これまで侵入に必要だった転送モジュールはなくなっていた。これに加えて、各複合施設の最初と最後の部屋には新しい加速ゲートが現れ、ゲートをくぐれば中央ネクサスに行けるようになっていた。そしてネクサスもまた、いくつかの変更が見られた。

 

「ウニ」のように集まっていた鉄塔は完全に散開し、アノマリ一帯に拡散して高エネルギーを帯びた巨大なデブリフィールドとなった。そしてアノマリの中央には、それぞれの複合施設の名前のついた倉庫が現れた。同じハイヴサイトの他方のネクサスと合わせると、それぞれのネクサスに対して整列シークエンスのラベルとして10が書かれた2つの「整列単位」が現れ、アクセス可能になっていた。

 

このことから、ネクサスの鉄塔は整列することでタイタン級の巨大な加速ゲートになるようなものだと結論付けられた。しかし、加速ゲートになるよう整列させる方法までは特定できなかった。倉庫に対して適切なシークエンスを入力する試みがなされたが、散らばった鉄塔に明確な変化は一切起こらなかった。しかし、こうした入力を試みた人たちに対しては一種のブースターとして使用できる新しいドリフターズのマテリアルが配布されました。これと同時期に、Hikanta Tyrannosに乗っているドリフターズのパイロットが新たに「Coalescedエレメント」のスキーマを所持するようになった。「Coalescedエレメント」はそれぞれのハイヴのエレメントと、ジョビ天文台から採集されたAntikytheraを混ぜ合わせたもので、その目的は今のところ分かっていない。

 

Redoubt Sequence 1

このコードは興味深いことに我々の聞き慣れない数学的アルゴリズムに満ちた書かれ方をしています。これは特定の加速ゲートを起動させるのに使えるだろうこと以外は、何も分かりません。自己再構築コードが組み込まれているため、パスキーとして使えるのは一度限りです。

 

Antipharmakon Thureo

このオブジェクトをスキャンした結果、ニューラルブースターとして使えることが分かりました。この複雑な化学物質は、カプセラのシールド操作能力を向上させるブースターといくつか類似する点があります。

 

この対象を創ったのがドリフターズであること、また量子レベルで非常に変わった特性を示していることを考えると、実際にブースターとして使用する際は慎重に検討することを推奨いたします。

 

Coalescedエレメント 

発光するさまざまなエレメントの複合体。パワーは何も生み出さず、一切揺るがないが、恐ろしいほどパワーを吸収するようにできている。

 

 

 


2021年3月15日月曜日

出張!ONCBN従軍記 #14 平和な最前線

 9週間という長期間に渡り続いていたM2-XFEのヘルキャンプが撤退し、数々のドラマを生んだキープスターは落ちた。ここで稼いだ時間とお互いのキャピタルのロス・・・これが戦況にどう絡んでくるのだろうか?Goonswarmの領土は残り少ないが、キープスターは沢山残っている。CCPは今頃ダース単位で記念碑を作り貯めていることだろう。

もちろんImperiumもPAPIも真面目に戦闘している。今でも各所で戦闘が繰り広げられ、I-HUBを取ったり取られたり、ストラクチャを落としたり落とされたりしている。しかしM2-XFEで多くのキャピタルが捕らわれることによって生み出された「作戦の停滞」は、多くのプレイヤーの心を緩ませるのに十分だったようである。


ある時、慌てた艦隊司令官の出撃要請に応じてジャックドーに飛び乗った私は驚愕した。ここはT5ZI-S、敵方であるPAPIのステージング星系であり、味方つまりGoonswarm Federationのステージング星系の隣であり、辞書に載せてもいいほどの最前線中の最前線である。ではどうしてここに「ワープしてきたロークアル」などというものが存在しているのだろう。掘っていたのか?


まあ、結果的にこれは罠だった・・・のかもしれない。そもそも敵性の大型ストラクチャ前で落とせるわけがないので味方もとりあえず突っかかってみただけだろう。結果的に味方の誰かがドジって複数のストラクチャ誘導爆弾が艦隊の後ろ半分で炸裂し、ジャックドー艦隊は見事に壊滅した。


その少し前、T5ZI-Sのゲートキャンプを崩しに出撃した私は初めての体験をしている。


さ、採掘艦でゲートキャンプ・・・!?いやいくら何でもそれは・・・。これはさすがにおいしくいただいてしまったが、実にクソ度胸があると言わざるを得ない。何かのアピールだったのだろうか?


さらには、別口でこんな体験もした。相も変わらず楽しいエリーズでT5ZI-Sを荒らす艦隊で、艦隊司令官は何かを見つけたようだった。


マジか・・・。もちろんアビサル攻略をやるなら「バレなければ問題ない」のだが、これだけお互いの偵察艦がうようよしている状態でやるのは相当肝が据わっている。実際こうやって戦闘プローブであっさり探査されてしまったわけだし。残念ながらこれはしっかりと偵察に来たヘカテ(おいしくいただいた)の警告によって撃沈までは至らなかったが、どうしたもんだろう。


かくしてT5ZI-Sで平和な活動が行われていることを確認してほっこりとした私である。これからも悪の枢軸たるGoonswarmの一員として、これを襲わざるをえないだろう。楽しんでほしい。

2021年3月6日土曜日

New Eden最強の探検家、チルドレン・オブ・ライトをカメラドローンに収める。


光の子供たち


 チルドレン・オブ・ライト、それは長年カプセラ間で時々話題になるNew Eden七不思議(他の6つが何かはさておき)の一つであり、アイエン=アウアスタというジタから2ジャンプ先のシステムのペリメーターゲートにて特定の条件を満たした場合にのみ現れるという謎に包まれた光の現象のことである。数多のカプセラがその不思議な現象を一目見ようと観光に訪れ、また他の者達はそれを解明すべく多くの時間を費やして来たが、実際にその奇跡を拝めた幸運な者はほんの一握りであった。


 以前当ブログで翻訳したチルドレン・オブ・ライトを綴った旅行記があるが、そこに掲載された旅行記の読者が提供した低解像度のスクリーンショットが今日までEVEコミュニティー上で10年近くに渡って主に共有されてきた「最新の」アーカイブであると言えば、如何にこの光を観測することが難しいかお分かり頂けることだろう


最後に確認されたチルドレン・オブ・ライト。時代を感じる。


 そんな中、New Edenで初めてワームホール宙域を含めた全システムを、船を一度も失うことなく踏破した伝説的探検家であるカティア・セー(KatiaSae)氏(彼の偉業はCCPからも讃えられ、後にゲーム内に記念碑が建てられた。)が新たにチルドレン・オブ・ライトをカメラドローン(カプセラが目にする映像は全てカメラドローンによるもの)に収めたと世間に公表した。そのニュースは瞬く間にコミュニティーに歓迎され、近代的なドローンで撮影されたその素晴らしい映像は誰にとっても目を見張るものであった。


10年近く表に出ることのなかった奇跡の瞬間。動画として撮られるのは初めての快挙である。


Katia Sae (@Katia_Sae) | Twitter

New Edenを踏破した唯一のカプセラ、KatiaSae氏


 それから程なくして、Twitch上のニュース配信番組「Talking in Stations」にてこの功績が報道され、そのゲストとして当人であるカティア・セー氏が登場することになった。以下は当人の登場からの簡易訳である。


ゲストの登場は30分から。

=========================================


マターオール(番組の司会者、Mattarall):


やあ皆さん。Talking in Stationsのお時間がやって参りました。本日ご紹介するのは、誰もが知る伝説的プレイヤー。。まあ既に我々の中に伝説的なポケモンプレイヤーがいるワケですが(笑)、そんな伝説ポケモン的存在のプレイヤー、ワームホール宙域を含めた全ての星域を1隻の船も失う事なく踏破したカティア・セー氏にお越し頂いております。


やぁカティア。調子はいかがかな?


カティア・セー


あー いいんじゃないかな。ポケモンに例えられたのは初めてだけどね(笑)。


マターオール


いい例えだと思うけどな。レアであることに違いない(笑)。ところで君は今日スゴい特ダネを持ってきてくれたとのことだけど、とんだ幸運に恵まれたものだ!


えー、件の映像は我々の手元にありますが、ここにいる出演者の誰もまだ観ておりません。視聴者の皆さんに申し上げますと、彼は現実で言うところの大森林の中で山男やビッグフット、雪男等の希少な存在を発見するに値する偉業を成し遂げたということです。


この希少な存在はクロニクル(New Edenにおける年代記、公式の設定資料集)の中で「チルドレン・オブ・ライト」の名で記されていますが、アルシア(Arsia Elkin)とカティアの両名からこの現象について説明してもらいましょう。


ではまず、カティア氏からどうぞ。


カティア・セー


そうだな。。正直なところこういった事に関してはアルシアの方が詳しいと思ってるよ。だって私は彼女と違って伝承の類に疎いし、どちらかっていうと「そういった物が実際にあって」、「かつそれがどれだけレアなことなのか」ということしか知らなかった。


クロニクルに記されていたのは知ってたけど、とりあえずこいつはそれこそ幻獣を発見するような物だったし、色々な憶測が飛び交ってて、それでもってこの特定の現象はペリメーターゲート周辺にに現れて。。何ていうシステムだったか。うろ覚えだけど”アイアン”=アウアスタ?ってシステム内の。。?


アルシア・エルキン


”アイエン”=アウアスタね。


マターオール


そう。そしてそこはザ・フォージ(カルダリ領内)というとても賑やかなリージョンからシンク・レゾン(ガレンテ領内)に繋がるシステムでありーー


アルシア・エルキン


ーそのシステム内のペリメーターゲートにて起こるものであり、その反対ではないわね。(訳注:マターオールは現象がザ・フォージにあるペリメーター内のシンク・レゾンに続くアイエン=アウアスタゲートで起こると思っていた)


マターオール


ああ。そっちの方向か!


アルシア・エルキン


ええ。そしてクロニクルにもとある光に関する事が記されており、ーー興味のある視聴者にも該当のページ日本語翻訳版}を見せた方が良さそうね。


マターオール


そうだね。とにかく我々が知っている全ての事柄は、この現象はあるシステムの一方にのみ発生する、未だに何がトリガーとなって引き起こされるのか解明されていないとても珍しいものだということです。そしてそれを実際に見ることは、ー素晴らしい事なのでしょう。


その実装されてから10-15年間の中でほんの一握りの人しか見れなかった瞬間を、カティア氏の手で撮影された映像によって、我々は間もなく、初めて目の当たりにするのです。


カティア・セー


ああ。私が思うにそれが最後に観測されたのは、2014年にマーク726(Mark726、EVE Travelという先程の旅行記の原著者)がEVE Travelを執筆の傍ら挑戦した時に、誰かがタレコミした時で、、もちろん私も何年もの間何回も挑戦して来たけど、今週ようやく運が回って来たみたいだ。


マターオール


ええ。ところでカティア、少し我々に君がどの様にしてこの光を捉えたかの経緯を話してくれないかい? 君はそこで一体何をしていたのか、狙ってそこにいたのか、それとも全くの偶然で見つけたのかーー、それと我々がこの映像を観た後でみんなで君の功績を祝わせてくれ!そのためにみんなウズウズしてるんだ(笑)。


あっとゴメン。それで説明をお願いできるかな?


カティア・セー


いや~、アレは思い切り狙いに行ったもんさ(笑)。私は前々から「カティアが次に成すべき事は何か」を考えていたし、この子の壮大な旅が終わってから2年間休んでいたっていうのもあって、、もちろん別キャラでちょくちょくEVEを遊んでたっちゃ遊んでたけど、彼女の物語が一段落してから次の目標について考えていた。そしてEVE Travelみたいな事を今度はビデオを撮りながらやったらなかなか面白そうなんじゃないかって思って、そんな企画をしばらく温めていたんだ。


そして先週、3Dマウスを引っ張り出してから、、その、マウスの使い方を学ぼうと思ったんだ。それでまぁ、、どうせなら例のゲートに行ってカメラの操作を覚えてる合間についでにあの光出てきてくれないかな~って(笑)。


それで今週も時々ログインしてはカメラ回しながら3Dマウスの操作をあれこれ試行錯誤してたんだけど、あの時は丁度裏でマウス操作の解説ビデオを観ていた時かな?EVEのウィンドウを脇に避けて観ていたんだけど、そしたらいきなりその画面が思い切りピカッって光ったんだ。


私はまさにこう思ったね。「あ~。ちょっと待てよ。。?もしかしてコレが探してたやつなんじゃ。。?」ってね(笑)。


それから慌ててマウスを動かして、先週からの努力の成果を総動員するまで数秒間固まったままだったな。多分結構マシに撮れているとは思ってるけど、そこら辺の評価は君たちに任せるとするよ。


マターオール


ありがとう。では、実際に観てみましょう。この動画は素晴らしい光景を捉えた9分間の映像となります。その現象が一体どの様なものなのか、ゆっくりとご覧下さいーー。


(以下略)


=========================================



 この発見が明るみになった後、EVE Online運営における重鎮の一人であるCCP Fozzie氏はTwitter上でカティア・セー氏に賛辞を述べ、チルドレン・オブ・ライトをゲーム内に実装した当時のことを振り返り、この様に述べた。



「スターゲートの様な頻繁に通る場所にこういった希少な視覚効果を生み出す伝説的なギミックがあるというのはスゴく好みだ。惑星でよく似たオーラを見ることもあるけど、それらはそこら中で見ることの出来るもっと普遍的なものに過ぎない。いつかこういった類のものをもっと追加していけたらいいな。」


 そして一部のカプセラからのコメントに対しても、氏は以下の様に語っている。




「昔の自分の勝手な思い込みから、君たちが思っているよりこのギミックのトリガーが簡単に ”解ける” と勘違いさせてしまったようで申し訳ない。チルドレン・オブ・ライトのデザインを担当したスタッフ達からのコンセプトは ”まるで偶然に感じる様に” であって、そこについては彼らは間違いなく成功していると言えるでしょう。もし君たちが本当に見たいと思うのなら、少しでも該当エリアで普通にプレイするといいかもしれません。いつか必ず見れるハズです。」


 また、同氏はチルドレン・オブ・ライトに関するヒントをTwitter上で度々語っており、現在知られているヒントは以下の通りである。


今までカプセラから聞いてきた推論はどれも実際のトリガーよりも遥かに複雑である。(これが先程のコメントに繋がっている。)

トリガーにはPvEサイト内では割と当たり前な仕様が絡んでいる。

これを満たしても、さらにランダム性があるため確実に現れるわけではない。


 なお、本ヒントをEVEサミット中に聞き出したEVE Travelの原著者、Mark726氏はその後これらのヒントを元に再度解明に明け暮れたが、長期に渡る調査虚しく未だ真相にたどり着けておらず、「もし解明出来たら屋上から叫びてぇよ。」と後に発言している。






 いかがだったでしょうか。EVEにはこの様な謎に包まれたストーリーや設定が山程あり、チルドレン・オブ・ライトについて初めて知ったというカプセラも新規、古参に関わらず多いのではないでしょうか。筆者も始めてから4年目になってEVE Travelやクロニクル等EVEに関するストーリーを読み漁りはじめ、こんなものがあったなんてと驚きました。


 日本のカプセラの皆さんも、アイエン=アウアスタを訪れた際には是非一度足を止めてペリメーターのスターゲートを見てみてください。もしそこにチルドレン・オブ・ライトがあったのなら・・、光が消えてしまう前に(現れてから10分くらいで消えるらしい)Hypernetでタイタン宝くじを買うことを全力でオススメします笑



では皆さんも、fly safe o7