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2025年6月1日日曜日

翻訳記事:M2-XFEでの虐殺記念碑

(原文:EVE Travel - Massacres at M2-XFE Monument)


優美なカーブを描くM2-XFEの記念碑


以前も話したことがあるが、私が愛しているのは四大国やCONCORDを取り巻く政治ドラマである。その一方で、カプセラたちが築いた帝国については、もはや意識の片隅にすら留めてこなかった。


こうしたヌルセクの巨大勢力たちは、ありとあらゆる協調、団結、戦争、そして裏切りを繰り返し、『その界隈』では星々をまたいで話の種となっている。カプセラたちは、今日はたとえ味方だとしても、ある日突然、起こるべくして起きた裏切りをきっかけに、翌日には無慈悲に潰し合うことになるかも分からない。


こうした内戦や戦争は、待てど暮せど、終わりが来たという知らせは来ない。しかしその混沌こそが、パイロットをアライアンスに繋ぎとめるコンテンツになるのだから、組織においては重要らしい。もっとも、その政治ドラマを追いかけ続けるのは、ほとほと骨が折れるものだ。



モニュメントの近影


とはいえ、こんな私にさえも届いている知らせがある。ヌルセキュリティを飲み込み、果てしなく続く戦争――その最新章が、すでに火蓋を切っている。


それはひとえに、私が長らく購読しているカプセラが報じた、優れた記事のおかげでもある。それと同時に、ヌルアライアンスたちが示した、異様な熱気のせいでもあった。彼らはNew Eden史上、最大の会戦を起こしたかと思えば、すぐさま“記録更新”とやらに向けて決意を固めたようだ。


今回の戦争も、まさに同様の記録更新劇が繰り返された。要点だけを簡単に述べるが――騒動の渦中には、またしてもインペリウム(旧Goonswarm Coalition)の姿がある。これと対峙しているのは、PAPIあるいはPandaFamと呼ばれるアライアンス連合である。


この戦争は、現在、二年目に突入しているが、戦況はやや膠着しているようだ。しかし、戦局が活発に動いていた頃、M2-XFEでは両者の命運をかけた大規模な戦闘が幾度となく繰り広げられた。このシステムで最終決戦が始まったYC123年初頭までに――20,000隻以上の艦船が灰に帰し、450隻を超えるタイタンが沈んだ。


そんな中、M2-XFEを舞台にした宇宙規模の大戦――その中でも、New Eden史上最大規模となった例の激戦――に対して、「天上の方々」は、とある決断を下した。この星系で失われた、無数の命と艦にふさわしい記念碑を建てるべきだと判断したのだ。(もっとも、最近の戦局を見るかぎり、「史上最大規模」という記録も、そうそう長く続くとは思えない)

そして、記念碑の制作を任された彫刻家たちは……いつものことながら、期待以上の仕事で応えてみせた。


この戦いの全貌を語ろうにも、私の力ではどう言い尽くしたらいいやら分からない。代わりにAuraによる碑文解析をご紹介したい。私よりもはるかに的確に、激戦の全容を描き出してくれている。





YC122年末からYC123年初頭、キープスター級シタデルを巡る全面衝突が勃発した。当時、その会戦はNew Eden史上、最も激しく、最も重い犠牲をともなった戦いとして記録された。この記念碑は、当時の会戦に参加した、数千ものカプセラを称えて建てられたものである。


YC122年、New Edenの南部および西部に位置するヌルセキュリティ宙域は、『The Imperium』と『PAPI』と呼ばれるカプセラ連合同士の大規模な対立に揺れていた。

同年末、戦争の主戦場はデルヴリージョンに移行。PAPI連合軍は、インペリウムの本拠地へと侵攻を本格化させた。


10月、PAPIはFWST-8システムにて、橋頭堡――攻撃の足がかりとなる拠点――を確保する作戦を試みた。これにより、大規模な交戦が勃発。この戦いは、当時としては未曾有の激戦として記録された。


しかし――その記録が保たれたのは、わずか3か月にも満たなかった。

 



12月末、デルヴでの戦闘は、M2-XFEシステムに焦点が移った。PAPI連合はこの地に集結し、インペリウムが設置したキープスターを破壊するべく、執拗な攻防戦が始まった。


YC122年12月30〜31日、キープスターのアーマータイマーを巡り、最初の全面衝突が勃発。戦場には、両陣営を合わせて5,158名のパイロットが集結した。双方からスーパーキャピタル級の艦隊が投入され、シタデル周辺では次々と船が爆発を繰り返した。両陣営の戦力は、ほぼ拮抗していた。

一夜明け、戦火が晴れたとき――カプセラ艦3,404隻が沈没し、そのうちタイタン級は257隻が撃墜されたことが明らかになった。被害総額は、両陣営あわせて29 Trillion ISKを上回った。

 


 

数日後、第二次会戦には、さらに多くのカプセラが戦場に駆けつけようと試みた。その結果、かの悪名高い一幕を迎えることとなる。


YC123年1月3日、この日、M2-XFEにはEVE Onlineの歴史上、最多となる6,739名のパイロットが同システムに参戦した。これに加え、数千のカプセラがジャンプゲートをくぐろうと殺到した。

これほど前例のない規模で、時空を歪めるワープドライブ搭載艦が密集したことで、システムそのものが大きく軋んだ。時空間異常が多発し、宇宙全体が悲鳴をあげるほどの過負荷が生じたのだ。


この時空間異常により、M2-XFEにいたすべての艦船は、予想外の混乱に陥った。しかし、防衛側のインペリウムは、比較的軽微な被害ですんだ。彼らは幸いなことに、PAPI艦隊よりも先に現地に到着していたのである。最も激しく時空間異常が起きた時間帯に、ジャンプドライブやスターゲートを使用する必要がなかったのだ。


結果として、インペリウムは大きな勝利を収めた。

攻撃側は、ジャンプゲートで混乱地帯に突入したものの、彼らの多くは進入直後に迎撃され、甚大な被害を被った。さらにはインペリウム軍の封鎖により、生き延びた船艦の多くがシステム内に囚われることとなった。


M2-XFEのキープスターは、このとき、かろうじて命脈を保ったのである。

 


 

第二次会戦の後、インペリウムはシステム内に移動式ワープ妨害機を展開し、徹底的な哨戒行動を開始した。当該システム内に釘付けにしたPAPI陣営のスーパーキャピタル艦を一隻でも多く足止めするためであり、それによって戦禍に見舞われたデルヴリージョンにおいて、戦略的なアドバンテージを得るためである。


PAPI側がスーパーキャピタル艦を救出するべく作戦を繰り返す一方で、システム内の他の構造物を巡り、両陣営の争いは続いた。

YC123年1月27日、本格的な救出作戦が敢行され、一部の艦はインペリウムの封鎖を突破した。この戦闘は、キャピタル艦およそ450隻、タイタン級6隻が犠牲となる凄惨な戦いであった。


2月1日、PAPI陣営はNJU-QVコンステレーション全域にわたり、数千人規模の大規模な作戦を展開し、M2-XFEのインフラストラクチャー・ハブ(IHUB)の掌握に成功した。この成功を足がかりに、PAPIはゆるやかに次の段階――テネブレックス・サイノジャマーの稼働に向けた地盤づくりを進めていく。ストラクチャが設置されれば、インペリウムの防衛軍はシステムに戦力を送り込むことが難しくなる。(訳注:テネブレックス・サイノジャマーとは、ストラクチャの一種であり、起動することで、システム内でサイノシュラルフィールドが展開不可となる妨害フィールドを発生させる)


そしてYC123年3月7日――PAPIのサイノジャマーがオンライン状態に入った。これを受け、インペリウム陣営は戦力の大部分をM2-XFEから撤退させ、取り残されていたPAPIのキャピタル艦は、ようやくM2-XFEから解放された。


そのわずか5日後――YC123年3月12日。

あらゆる流血の原点となったM2-XFEのキープスターが、PAPIの手により、破壊された。

 



総括すると、M2-XFEを舞台にして巻き起こった戦闘は――YC122年末からYC123年初頭にかけて続き、20,000隻を超える艦、450隻以上のタイタン級が犠牲となった。

第一次会戦は、一度の戦闘における船の損害額が、New Eden史上最高額を更新した。

第二次会戦は、FWST-8における記録を塗り替え、同一システムにおけるカプセラの参加人数としては、過去最高規模の戦闘となった。


二ヶ月以上にわたる激戦の果てに、戦禍の火種となったキープスターは破壊され、インペリウムの艦隊は、ほど近い本拠地である1DQ1-Aへと戦力を再集結させている。


本記念碑が建設された現時点において、PAPIとImperiumはさらに大規模な紛争を繰り広げている。

この対立が最終的にどのような形で終結するのかは――神のみぞ知るところであろう。



タワーの頂点から昇る日の出




……ふう。

この記念碑そのものが、まさに息を呑むような美しさである。

全体の構造は、漆黒の輝きを帯びた黒曜石のような石材によって築かれている。

中央部には、湾曲しながら絡み合う塔が優美な弧を描きつつ、放射状に立ち並ぶ。その佇まいは、まるで黒曜石の大聖堂に設えられた巨大なパイプオルガンのような風格を漂わせている。

構造の中心からは、脈打つように青白い光が放たれ、それが外縁へ向かって静かに広がっていた。


オブジェの端へと目をすべらせると、塔群が次第に低くなっていくにつれ、新たな、平坦な構造体が外縁から張り出し、やがて両端に向けて鋭く尖っていく。

もしも中心部が、哀調を帯びた旋律を奏でる荘厳なオルガンだとするならば――その外郭は、まさに今、羽を広げ、獲物に襲いかからんとする猛禽の姿だ。



オーブからほとばしるエネルギーの近影


この記念碑の中央に据えられているのは、ひと目見ただけでは、ただ青白いエネルギーがはじける球体のように見える構造物だ。


だが側面から眺めてみたとき、その形が実は涙滴状であることに気づかされた。

鋭く尖った先端が外殻構造へと滑らかに接続され、内部では無数の光が渦を巻くようにして終わりなく流動している。


おそらくこれは、あの戦いで解き放たれた時空を軋ませるほどのエネルギーを象徴したものなのか――あるいはM2-XFEに開いた裂け目の、ほんの一片でもこの球体に封じ込めた、という表現なのかもしれない。

いや、ひょっとしたら……ただ単純に「格好良いから」という理由で選ばれた意匠なのかも分からない。

正直に言えば、私は芸術家の意図を読み解くのが、昔からあまり得意ではないのだ。



記念碑は太陽の番兵であるかのように佇んでいる


私は、かなりの時間をかけて、この記念碑をあらゆる角度から眺めていた。


優美に湾曲する建築と、ただただ圧倒される荘厳さ――この場に立ってみると、その美しさに息を呑まずにはいられない。


読者の中には、先日までの私のように、「NC」と「NCdot」が全くの別物であると知らない方もいるだろう。さらには「NCdot」と「NC.」の区別など、どうでもいいと思われる方もいるかもしれない。たとえそうだとしても――実際に足を運んで、この光景を目の当たりにしてみてはいかがだろうか。


New Edenに刻まれてきたカプセラの歴史は、それを詳しく知らずとも、こうして立ち現れる記念碑を前にすれば、確かに感じ取ることができる。

果てしない抗争の果てに生まれた、荘厳で壮絶な造形の数々――。




この世において、血と鉄の匂いにまみれた戦争ほど美しいものは、そうそうないのかもしれない。









基本情報:

  • 名所: M2-XFEでの虐殺記念碑
  • システム: M2-XFE
  • セキュリティステータス: 0.0
  • リージョン: デルヴ(Delve)

  • 潜在的な危険:
    M2-XFEは0.0宙域の奥深くに位置しており、複数の異なるアライアンスの領域を経由する必要があります。彼らは「青(友好関係)以外は撃つ(Not Blue, Shoot It)」のプロトコルを採用している可能性があります。
    0.0宙域から帝国領域へ移動する際には、ゲートキャンプ(ワープ妨害バブルを含む)が頻繁に確認されており、その他のゲートにも設置されていることがあります。
    慎重に行動することを推奨します。






翻訳:渋丸(4bumar Sarain)

2025年3月5日水曜日

翻訳記事:C-J6MT戦争の歴史記念碑

 (原文:https://evetravel.wordpress.com/2021/09/12/a-history-of-war/)


奇妙な形をした戦争の歴史記念碑
 率直に言うと、私はヌルセキュリティ(Null-Sec)の歴史に精通しているわけではない。もちろん、著名なコーポレーションやアライアンス、CEOたちの逸話を通じて、ある程度の歴史を語ることはできる。しかし、正直なところ、ヌルセキュリティで繰り広げられる争いには、あまり興味が湧かないのだ。こればかりは申し訳なく思う。すでに優れた歴史書は存在するので、詳細を知りたい方はそちらを参考にしていただきたい。

 読者の中には、まだ気付いてない方もいるだろうが――私が興味を抱く分野は狭い。しかし、それでもなお食べ尽くせないほどの歴史が、ニューエデン(New Eden)には広がっている。




逆光で見ると、記念碑の内部が赤く輝いているのが
はっきり見えるだろう。
 ところが、ヌルセキュリティの歴史に深入りするつもりはなかったが、その決意を曲げざるを得ない瞬間があった。例えば、近年建造されたモニュメントを取材するため、M2-XFEに向かう途中、思いがけず興味を惹かれるものを発見したのだ。実際、あれを見つけたのは幸運だった。


 私はヌルでの航行がまったくの素人というわけではない。ここでは油断は禁物だ。建造物に気を取られている間に、敵対的なカプセラが潜んでいるかもしれない。しかし、そのときだけは状況が違った。C-J6MT星系にジャンプした瞬間、私は警戒を解き、目の前に現れたものに心を奪われた。


 C-J6MTは、インスマターに入って数ジャンプほど進んだ場所にある星系である。Etherium ReachやScalding Passとの境界からも、そう遠くはない。New Edenの戦史に詳しくない私にとって、特に意識する星系ではなかった――少なくとも、その瞬間までは。




アイソメトリックに見てみると
独特の扇状のものや柱が確認できる。
 78-0R6側のゲートから次のゲートへとワープを開始した瞬間、Scientiaのセンサーに思いがけないものが映った。しかし、ありがたいかなワープ航行が開始され、例のものは瞬く間に視界から消え去ってしまった。面倒なことになった。ワープに突入すると、途中で止めることはできない。やむを得ず、目的地に到達した後、すぐに引き返した。クロークを展開し、再び78-0R6ゲートへ向かった。自分が何を見逃したのか、確かめるために。


 その地点に向かう途中、ふと疑問が浮かんだ。

「ここには、何か語るべき歴史があるのだろうか?」
「なぜ、この宙域に記念碑が建てられたのか?」



 だが、その答えはすぐには得られなかった。



記念碑の側面図。背景には星雲が広がっている。
 ワープが完了すると、目の前に巨大な記念碑が現れた。赤みを帯びた石造りで、全長数十キロメートルもの高さを誇る。78-0R6ゲートから数百キロ離れた場所に位置し、その岩肌はまるで火山岩を削り出したような質感だった。

 その表面には溶岩のように脈打つ赤い輝きが灯っていた。Moleaにある「堕ちたカプセラの慰霊碑」と似たエフェクトだが、こちらのほうがやや明るい色合いだった。内部から脈打つ赤い光がこぼれ出し、まるで煮えたぎる溶岩が滲み出ているかのようだった。


 記念碑には、「C-J6MT」 の文字が巨大なフォントで刻まれていた。愛船 Professor Science と並ぶほどのサイズの文字だ。その周囲には、扇状の構造物や突起が無数に突き出ている。

 Auraに解析を依頼したところ、このモニュメントの正式名称は 「C-J6MT戦争の歴史記念碑」 だった。


 しかしこの建設者たちは、どうやら皮肉について一家言あるらしい。

 なぜなら、どれだけモニュメントをスキャンしても――そこに刻まれてあるべき歴史は、何一つ語られてなかったのだから。



C-J6MTにおける悪名高き激戦、および、その戦列に加わり、剣を交え、鍔を競り合ったすべての者たちを称えて。

(Monument honoring the notorious sieges and violent battles in C-J6MT and all those involved or impacted by these events.)



 これは……大いに役立つ解説じゃないか。

C-J6MTは、ニューエデンの歴史において重要な役割を果たしてきた。

 どうやら私は、最近の建造物に慣れすぎていた。近年建造された記念碑なら、その歴史や背景が詳細に記されているものだ。しかし、この碑文はどうだろう。C-J6MTで起きた戦いが、ニューエデンの歴史にどのような意味を与えたのか、何も知りようがない。



 幸いにも、GalNetやその他の情報源を調査したところ、C-J6MTの歴史を理解するための手がかりが得られた。



 事件はYC108年まで遡る。

 この地は、レッドアライアンス(Red Alliance)が最終決戦を迎えた古戦場だった。



記念碑の外壁に刻まれた風化の跡に注目。
遠方には、78-0R6へのゲートが赤く輝いているのが見える。

 YC105年、CONCORDが独立カプセラの活動を承認すると、レッドアライアンスは急速に勢力を拡大し、ヌルセキュリティの広大な領域を掌握した。しかし、その急成長は多くの敵を生み、「南部連合(Coalition of the South)」と呼ばれる強大な対抗勢力が結成された。

 支配地域を広げすぎたレッドアライアンスは、次第に防衛が困難になり、圧倒的な敵軍に追い詰められていった。ゲリラ戦術で戦線を維持しつつも、いずれ消耗戦では生き残れないことを悟った彼らは、戦況を覆す決戦の場を求めた。そして、最後の砦として選ばれたのが C-J6MT だった。

 ここに拠点を築いたレッドアライアンスは、南部連合の包囲を迎え撃つ準備を整えた。

 そして、ついに決戦の火蓋が切って落とされた。


 戦力比は4対1――圧倒的な劣勢だった。しかし、背水の陣を敷いたレッドアライアンスは、決して屈しなかった。わずか3日間の戦いであったが、彼らは南部連合の猛攻を食い止め、存亡の危機を脱した。



この遠景のショットでは、記念碑が星を背景に小さなシルエットとして映し出されている。

 その後もC-J6MTは、レッドアライアンスとその分派にとって象徴的な地となった。その後、数多くの戦いがこの宙域で繰り広げられたが、やはり最も象徴的なものは、あの包囲戦だったのだろう。

 劣勢を覆し、領土を防衛し抜いた戦歴は、パイロットたちとこの星系の間に、単なる所有権を超えた精神的な結びつきを生み出した。時が経ち、所有者が変わろうとも、この星系を支配する者たちは、ここで戦った者たちの意志を受け継ぎ、「この地を守り抜く」との決意を新たにしてきた。



 この記念碑を後にする際、私は自らの無知を恥じた。レッドアライアンスの包囲戦の存在は知っていたが、その戦場が、今まさに自分がいるこの静かな宙域だとは思いもよらなかった。



 今、改めてヌルの歴史を振り返る時が来たのかもしれない。

 この無法地帯に築き上げられた帝国を。その衝突によって生み出された、数多くのドラマを……。





基本情報:

  • 名所: C-J6MT戦争の歴史記念碑
  • システム: C-J6MT
  • セキュリティステータス: 0.0
  • リージョン: Insmother
  • 潜在的な危険:
    C-J6MTは0.0宙域の奥深くに位置しており、複数の異なるアライアンスの領域を経由する必要があります。彼らは「青(友好関係)以外は撃つ(Not Blue, Shoot It)」のプロトコルを採用している可能性があります。
    0.0宙域から帝国領域へ移動する際には、ゲートキャンプ(ワープ妨害バブルを含む)が頻繁に確認されており、その他のゲートにも設置されていることがあります。
    慎重に行動することを推奨します。

翻訳:渋丸(4bumar Sarain)



2021年7月19日月曜日

翻訳記事:Battle of Vak’Atioth(Vak’Atioth大戦跡地)

 (原文:https://evetravel.wordpress.com/2021/05/23/battle-of-vakatioth/)

 

ジョビの研究基地に、アマーの船の残骸が迫っている

宇宙で起きた最初期の話の中でも、子供の頃に読んだVak’Atiothの大戦は興味深く覚えている。最初はその戦いについて断片的に聞きかじるだけだったが、後に母が大戦について書かれた(私の年頃にぴったりの)歴史書を与えてくれた。数週間後、私は本の内容をそらで言えるくらい読み込んだものだ。「自分はその本に魅了されてカプセラになった」と言ってしまうのは、さすがに大げさかもしれない。だが、大戦の記録が子供時代の私に与えた衝撃というのは、Gallente Primeの外の世界で起きる出来事に私を駆り立てたと言っても、誇張にあたらないだろう。Vak’Atiothの大戦は、単にMinmatar(ミンマター)反乱の直接の引き金になっただけの出来事ではない。この大戦は、Jove(ジョビ)の船をとりまく多くの謎を浮き彫りにした事件だった。一体どうやって、彼らは強大なAmarr(アマー)帝国を完全に圧倒したのだろうか? 彼らの船には、一体どんな秘密が隠されているのだろうか?

 

この戦いで失われたジョビのフリゲート艦は、いくつか鉄くずが残されるのみだった

カプセラのライセンスをすべて取得し終えて、宇宙を旅する自分の船を調達したとき、真っ先に飛び込んだヌルセキュリティ空間のひとつが大戦のゆかりの地だった。現在、そのシステムはシンプルにAtioth(アティオス)と呼ばれている。長年私は、かつての戦場を自分で訪れたいと憧れつづけ、子供時代から私を虜にするジョビの船を自分の目で確かめたいと願ってきた。しかし、船で航行可能なエリアにはどこにも戦場跡地がないと知り、非常に落胆したものだ。帝国が自身の最も悲惨な敗戦の記録を隠しているのか、それともジョビが船に隠されたテクノロジーを秘匿しようとしているのか、またはNew Eden全体を我々カプセラの影響から守ろうとするCONCORDの綿密な計画の1つなのかは分からない。Vak’Atiothの大戦は、長らく世間の目から隠されていた。それでも私は諦めきれず、自分が何か見逃している可能性や、誰かが戦場跡地へ通じるルートを発見していることを期待して、数年ごとにこの地を訪れていた。

 

アマーの戦闘グループの残骸

その後、CONCORDから歴史的大戦の現場がついに一般公開されたとの発表があったとき、私がいかに興奮したかご想像いただくのは容易いと思う。だが最近いつも思うのだが、私がヌルセキュリティの奥深くに足を運ぶのが最も難しいタイミングを見計ってCONCORDは発表を出しているのではと疑うくらい、多忙な時期に限って嬉しい知らせが届く。それでもどうにか惑星生活の責務を片付けて、おなじみのアティオスへ通じる航路を急いだ。子供の頃から憧れた歴史的戦場を一刻も早く見たいあまり、足が遅くて確実なScientiaではなく、より高速なProfessor Scienceに乗ろうかと真剣に悩んだくらいだ。ScientiaはTenguクラスの船だが、危険なヌルセキュリティ空間を航行するならProfessor Scienceよりはるかに適している。結局、常識的な考えに従って安全なTenguクラスの船で出航したが、ジャンプゲートからジャンプゲートへ飛ぶとき、少しでもペースを上げるよう静かに船を急かした。

 

すぐに私は、現場に着いた。K-IYNWからアティオスへ通じるゲートをくぐり、Scientiaに搭載されたスキャナーを回すと、現れたビーコンには待ち焦がれた名前がはっきり書かれていた。「The Vak'atioth Battlefield(Vak’Atioth大戦跡地)」。私は船体の向きを適切な方向にアラインさせ、慎重にワープエンジンを起動した。途中、ワープ妨害バブルに捕まるトラブルはあったものの、バブルはすぐに崩壊して五体満足の状態で目的地に到着した。

 

母艦の超兵器によって破壊されたアマーの戦艦

現場に着いてまず目についたのは、静かにたたずむJove Observatory(ジョビ天文台)の外観だ。今でこそ我々はこの手のステーションをよく見知っているが、長らくきわめて深い謎に包まれた存在だった。ステーションの周りにはアマーの船の残骸が群れをなして漂っており、かつて黄金の無敵艦隊と謳われたフリートが、どれほど被害を受けたか今に伝えていた。だが私は、何もアマーの船の残骸を見に来たわけではない(この手のスクラップは、最近あり余るほど手に入るようだが)。私はすぐさま、残骸の中にジョビの船がないか探し始めた。だが残念なことに、伝説に名を遺すJoveの船として見つかったのは、いくつかのねじ曲がった鉄くずだけだった。快速を誇るジョビの船は宇宙の過酷な環境の中で風化したか、あるいはとっくの昔にアマー・CONCORD・ジョビ・Angel Cartelや、他の謎めいた勢力によって略奪されてしまったのだろう。つややかなジョビの艦船をこの目で見る夢は、叶わなかった。

 

次は何をしようか思案しながらローカルビーコンを調べていたら、データバンクから驚くほど詳細な説明が飛び出してきた。

 


 

Vak’Atiothの大戦は、アマー-ジョビ戦争において両陣営が衝突した最も重要な戦闘です。西暦23216年(YC前20年)にVak’Atioth(現在のアティオス)システムで戦闘が起き、アマー海軍200隻とジョビの母艦率いる分遣隊が衝突しました。戦闘は帝国側の大敗に終わり、広域に損失を残しました。当時、この戦闘はNew Edenの歴史上最大規模の戦闘として記録されました。

 

事件のきっかけは、帝国が自国の威信を示すため、小規模なジョビの研究基地のみが点在する国境沿いのシステムであるVak’Atiothを攻撃する決定を下したことが始まりでした。アマーは数週間に渡り、システムの所有権と「神の意志」による権利の正当性を主張するメッセージを発信しました。

 

しかし帝国側の宣伝行為は、かえってアマーを迎え撃つ準備をジョビに促すことにつながりました。アマーの艦隊は主に戦艦や重巡洋艦で構成されており、支援は手薄で、停泊した状態の艦隊は無防備でした。

 


ジョビはこれに対して、少数精鋭のフリゲート級艦船を送り出しました。アマー側は停止したジョビの船を1機撃墜したものの、その間に他のジョビのフリゲート艦は最高速度に達し、アマー艦隊の動きを封じました。直後、ジョビの母艦が戦場に出現。New Edenでも他に類を見ない巨大な古代艦には、最も新しく最も破壊的なジョビの兵器が搭載されていました。この最新鋭の兵器は、アマーの戦艦を一撃で完全破壊する威力を秘めていました。

 

アマーの艦隊はジョビのフリゲート艦に身動きを封じられ、巡洋艦の長距離砲と母艦のdoomsday weapon(終末兵器)によって一隻ずつ潰されていき、大混乱に陥りました。指揮系統は混乱し、一方でアマーの軍法は前線の戦力に降伏も撤退も許しませんでした。

 

実際の戦闘はわずか6時間ほどで終結しました。アマーの戦力はほとんど壊滅したものの、ジョビ側は1/3の戦力を失っただけでした。

 


ジョビに惨敗したこの出来事は、帝国に大きな衝撃を与えました。すぐさま報復戦力が再編成され、ジョビのフリゲート艦に有効打を与えるために異なる戦術を用いた2度目の攻撃が計画されました。一方、ジョビは国境沿いのシステムから撤退し、防衛拠点に戦力を集中させ始めました。

 

しかし、実際にはジョビとアマーの2度目の衝突は起こりませんでした。直後、これを好機と見たミンマターが蜂起し、Gallente(ガレンテ)連邦内のミンマター同情派の後押しを得て大規模な反乱が発生。帝国はすぐにミンマターの対応に注力し、急遽ジョビと平和条約を結びました。

 

Vak’Atiothの大戦によってジョビ帝国は無敵の大国との立場を獲得し、これ以降、4大国や他の勢力はジョビに対して軍事的衝突を控える動きが広まりました。

 

 

私は、放棄された研究ステーションも調べてみることにした。てっきり他の放棄されたジョビ天文台と同じような説明が出るとばかり思っていたが、驚くことにAuraはいくつかの追加情報をもたらしてくれた。

 


 

この朽ち果てた残骸は、かつてジョビの研究前哨基地として使われていました。今となっては、アマーの攻撃をきっかけにVak’Atiothの大戦が始まる以前にジョビがここに居たことを示す、唯一の歴史的建造物です。

 

前哨基地は無傷で大戦を生き延びましたが、直後にジョビ帝国は国境沿いのシステムから撤退したため、この前哨基地も使われなくなりました。最終的にジョビ帝国は、自国とNew Edenを結ぶゲートの接続をすべて断ち切りました。この施設と同様に、放棄された前哨基地はメンテナンスシステムが崩壊しているため徐々に風化が進行しており、いわゆる「ナノロット(注記:微小レベルの腐朽)」状態へと崩壊していくでしょう。一方、海賊やその他の突発的な勢力が放棄された施設を略奪するため、不安定な防衛システムに無謀な挑戦を仕掛けることもあります。

 

 


今回の旅では、残念ながらジョビの船をこの目で見る長年の夢は叶わなかった。(もちろん鉄くずの状態ならジョビの船は見つかるが、いくつか破片を見たところで、私の夢が達成されたとはとても感じられなかった。また言うまでもなく、戦場跡地にジョビの母艦は残されていなかった)だがひとつだけ、子供の頃から抱く夢が叶った出来事がある。私は文字通り、歴史が誕生した地を自分の船で飛んでいた。ジョビの船はいまだに私にとって大いなる未知の存在だが、私が今いる場所、アティオスIの上空を、かつて彼らも自由に飛び回っていた。その事実に変わりはない。いつの日か、私も本物のジョビの船を目撃するときが来るかもしれない。だがそれまでの間、また違った夢を叶えることもできるのだ。

 



 (翻訳:渋丸)

2021年6月8日火曜日

EVE Gate共同研究複合施設(EVE Gate Joint Research Complex)

 (原文:https://evetravel.wordpress.com/2021/05/16/eve-gate-joint-research-complex/)


惑星ニューエデンIの上に掛かる、共同研究複合施設の全体。
ワームホールの残骸「EVE Gate」が遠くできらめいている。


たまには、初心にかえるのも悪くないだろう。

 

ここに来ると、いつもそのことを思う。私は再び、星系の方のニューエデン(New Eden)を訪れていた。伝説のEVE Gateに最も近い場所だ。ニューエデンは崩壊したジャンプゲートの遺跡まで3光年も離れているが、誰にとってもEVE Gateといえば、最も密接なのはこの星系だ。崩壊したワームホールの姿はアマー・プライム(Amarr Prime)からも肉眼で拝めるし、クラスタのどこでも望遠鏡を使えば観察できる。だが、古代のスターゲート遺跡が放つ壮大な光のショーは、ニューエデン(と少し見栄えは悪いが、ひとつ離れたPromised Landという星系)を訪れた人しか拝めない。ワームホールからはエネルギーがループとなって渦巻き、止まることなくねじれ続けている。反対側に何があるか見定めようとしても、ワームホールの中央は白色矮星よりも眩しく輝いていた。

 

研究施設と周辺設備の見やすい写真がこちら。

驚くにはあたらないが、EVE Gateは長らく科学者の関心を惹きつけてきた。今のところ研究者の間では、EVE Gateを建設したのは我々の遠い祖先であり、人類はニューエデンから他の星々へと拡散したという説が広く支持されている。古代遺跡と同じくらい古く、程度の軽い損傷が見られるスターゲートが、ニューエデンから各地へと放射状に広がっていることも学説を支持していた(もちろん、人類がさまざまな星で誕生した説もなくはないが、少なくとも7つの異なる世界で同じ進化を遂げた生物が独立して出現する確率なんてものは、限りなく不可能に近い)。とりわけ、シスターズ・オブ・イブ(Sisters of EVE)は非常に長いことゲートの存在に魅了されている。その理由は科学的関心もあるが、宗教的な動機も混ざっている。彼らはゲートを天からの贈り物だと考え、秘密を解き明かすために昔からゲートの近くに研究施設を保有していた。崩壊したワームホールがつくる磁気嵐の濁流近くに建設された研究施設としては、長らく唯一の存在だった。

 

EVE Gateの姿は常に変化している。

だが、最近シスターズ・オブ・イブはコルアゾール家(House Kor-Azor)と協力して、ニューエデンのより利便性に優れた場所に第二の研究施設を開設した。コルアゾール家はジェネシス(Genesis)リージョンの一部を統治する、アマ―(Amarr)国の家柄だ。シスターズ・オブ・イブと同様、アマーもまたゲートに対して複雑な事情を抱いていた。アマーの首都からはあからさまにゲートが見えることもあり、アマー経典(Amarr scripture)にはゲートの存在がいくらか大げさな姿で描かれている。だがもちろん、アマーはゲートに対して科学的な関心も寄せている。恐らくこうした相反する感情から、アマーはゲートの研究に本腰を入れるのを避けていたのだろう。だが新しいコルアゾール家の後継者エルシリア(Ersilia)は、ついにゲートの研究を本格的に進めることを決めた。シスターズ・オブ・イブとの共同で研究を行う機会は、むざむざ諦めきれなかったわけだ。

 

現在、共同研究センターは本格稼働しており、その場所は広く知られるところだ。Auraは新しいシスターズ・オブ・イブのステーションに対して、次のようにコメントしている。

 


このステーションは、ニューエデンでシスターズ・オブ・イブが研究を行う際の中心的ハブの機能を果たしています。

 

シスターズ・オブ・イブは、EVE Gateというワームホールの残骸を科学的研究の重要課題としてだけでなく、宗教的信仰の対象と捉えています。彼らの信仰によると、EVE Gateは神からの賜物であり、ゲートを献身的に研究し、秘密を解き明かすことは神の意志に沿う行いだと考えています。また、神はEVE Gateの反対側へ退いており、天の領域から神に従う者を導き守護すると信じています。

 

シスターズ・オブ・イブは、あくまで自分たちの活動は科学的な研究であると注意深く強調しており、共有施設では自らの宗教的信条について議論を避けています。こうした態度は、共同研究を行うコルアゾール家の当主を当惑させる事態を避け、アマー帝国内の敵対者から「違法な布教活動を行っている」との非難を受けないためです。

 

また、共同研究施設のコルアゾール側を調べると、Auraは次のように話した。

 


このステーションは、ニューエデンでコルアゾール家が研究を行う際の中心的ハブの機能を果たしています。

 

古くから、コルアゾール家は領地の外や国外勢力との政治・貿易・科学的な交流を通じて、アマー帝国内での基盤を固め、影響力を拡大することに熱心でした。正当後継者のエルシリア・コルアゾールは、家督を継いで以来この方針を再び強く推進させており、コルアゾール家は外部団体との連携強化に成功しています。

 

コルアゾール家は、ニューエデンシステムを含むジェネシスリージョンの一部を領地に抱えています。領地に科学的な研究価値の高いEVE Gateがあることから、コルアゾール家はシスターズ・オブ・イブと協力するに至りました。両者は肩を並べているものの、コルアゾール家はシスターズ・オブ・イブの活動を注意深く監視しているようです。サイトに駐在するアマー帝国内務省(Ministry of Internal Order)の侍従は独自の監視体制を敷いており、あらゆる活動に目を光らせていることを忘れないでください。

 

EVE Gate自体に対して、Auraは次のようにコメントしている。

 


ニューエデンのシステムには、何物も通り抜けできないEVE Gateが存在しています。数千年前、人類の祖先はゲートを通じてEVEの新世界に足を踏み入れました。しかし、ゲートは遠い昔に崩壊。その影響により、当時ニューエデンシステムにあったすべての惑星は破壊され、脆弱な居住施設はなぎ倒され、人類は絶滅の危機に陥ったほどです。現在もなお、ゲートに近付く愚行を犯せば、巨大な遺跡を取り囲む磁気嵐によってバラバラに引き裂かれる末路をたどるでしょう。

 

近くの白色矮星よりも圧倒的に強くゲートは輝いている。

共同研究基地の主要部分は2つのステーションから構成され、ニューエデンにたったひとつ存在する惑星を周回している。コルアゾール側のステーションは、アマー帝国の標準的な建築様式を設計に取り入れている。このデザインを見ると、私はいつも宇宙を滑空する帆を連想するものだ。だが、主要ドッキングポートには球根状の何かがぎこちなく配置されていて、空駆けるイメージを少し台無しにしていた。シスターズ・オブ・イブ側のステーションは、テーラ(Thera)で彼らのステーションを見たことがある人にとっては馴染み深い外観だ。ガレンテ(Gallente)建築による3つのリングを持つステーションは、シスターズ・オブ・イブを象徴する白と赤の塗装で彩られている。2つのステーションは周囲に数多くの計測機器を抱え、どんな研究を行っているか想像もつかないが、ワームホールの残骸が放出するテラバイト単位の膨大なデータを絶えず収集していると思われる。

 

愛車の「Professor Science」は漕ぎ出した。

研究所の外観をよく観察しようとしても、すぐ横でEVE Gateが圧倒的な存在感を放っており、つい目を奪われてしまう。ワームホールの残骸は絶え間なく姿を変え、私は初めて見たときと同じ気持ちで目の前の光景に魅了されていた。ワームホールの残骸がこれほど明るく、3光年先からでも眩しく感じる光を放っていることは、時空の裂け目からどれほど膨大な力が溢れているか物語っていた。だが、私たちの心を最も強く惹きつけるのは、ゲートの先に(恐らく)人類の祖先が生まれ育った古郷があるということだ。今もなお、ワープドライブを使わず自力でゲートに近付こうとした船が、真新しい残骸を意味するマーカーの形で点在している。私がパイロットになった頃にはすでにあった、探検家の通過儀礼だ。

 

たしかに、たまには初心にかえるのも悪くない。ただ、残骸になる以外にも方法はある。






(翻訳:渋丸)