2020年7月23日木曜日

翻訳記事:EVE Vegas2019  「誰でもFCはできる!」 講演者 Greygal, Affirmative Part2/3




 さて、次にお話するのは「恐怖」についてです

 何故なら「恐怖」こそが、恐らく人がFCを試したがらない一番の理由です。そして「失敗することへの恐怖」こそ、恐らく一番の恐怖なのでしょう。EVEでは失敗など何一つありませんし、人生に失敗は何一つないと私は考えています。そこにあるのは、学ぶためのとても良い機会だけです。



そしてもしあなたがこれを学びのための良い機会だと考えるなら、いつだってこれを乗り越えることができるでしょう。そこから必ずあなたは何かを学ぶでしょう。



何かを真に学ぶための機会とは、失敗を経験したときだけに訪れます。どんなに正しい方法を繰り返しこなしたとしても、人は成功した経験からは大して学んだりしたりはしません。何故なら成功した体験というのは、「それが正しかった」というすでに知っていることを確認するくらいしかできないからです。ですが失敗の経験からは、そこから多様な知識を得て、自分を成長させることができます。この事は次の項目、「ダメになることへの恐怖」にも関係します。



 「ダメになることへの恐怖」ですが、何が起きてもあなたは決してダメではありません。学び続けています。そして学び続ければ、自分を成長させることができます。自分を成長させていけば、そこから何かを生み出せるようになります。そうでしょう? だからダメになることを恐れる必要は何もないんです。



 私はこれまで何度も、新規プレイヤーフリートがハイセクでギャンクされたりしました。ですがそれはそんなに悪い事でもありませんでした。信じてください。まあ、確かに最悪ではありますが。しかしその時のメンバーは今でも私と一緒なわけですし、私も何か正しい事をしているはずです。あなたが学び続ける限り、成長します。そして成長がある限り、一緒に戦うメンバーも成長し続けます。何故ならあなたは、彼らの専門とする役割に対してより多くの実践的機会を与えることになり、彼らはそこから成長することができるのです。



 さて、「船を失うことへの恐怖」についてです。

 

全ての船はEVEの中では一時的な存在です。船は全て消耗品です。船に恋してはいけません。船は結局破壊される代物です。出航したなら、その船は墜ちるかもしれないと考えましょう。出航する人は誰だって(特に私は)その船を失うかもしれないことを知っています。いいですか? 事実、私がフリートを生きたまま帰すと、ある意味がっかりする人がいるんです。だって戦闘がなかったって事ですからね。全ての船は消耗品です。その事が本当に心配なら、乗る船はフリゲート艦や駆逐艦から離れないことです。安い船から離れないようにすべきでしょう。



あなたがFCをやるからといって、メンバー全員に船を提供することはありません。そうするとメンバーはあなたが船をくれるからついていくようになります。フリートに参加したいからついていくとか、フリートで戦いたいとか、楽しみたいからついていくという事がなくなってしまいます。なので、船を失うのが本当に心配であるのなら、ルーキーシップに乗って出かけるべきです。ルーキーシップに乗ってフリートに参加するのです。私も最初の年にそんなフリートを立てましたが、楽しい大爆散でした。



そのようなフリートでは平均して2Bのキルをとられていました。ですが、誰もそんなことは気にしたりしません。

さて、「知らない船に対する恐怖」に移りましょう。私だって全ての船を知ってるわけではありません。十年以上EVEを遊んでいますが、船を全て知り尽くすことはないでしょう。どんなフリートでも、必ず一人はEVEの生き字引博士のような人がいます。その人を頼りましょう、信頼しましょう、そして質問しましょう。つい先週、私にもそういう事がありました。何でしたっけ、あの、キ、キ、キ……キキモラ! 何なんですかあれは! って訊くと、仲間からキキモラについて20字程度の簡単な説明が来て、その後に「それは違うよ!」と別の方から突っ込みが入り、そこで議論が始まったり……まあ、その時すでにキキモラは目の前にいなかったんですけど(笑)。



いずれにしろ、私だって何だか知らない船を相手にしますし、全ての船を知っているわけではないのです。重要なことは、そしてあなたが集中すべきことは、大まかに船のタイプごとの違いをそれぞれ把握しておくことです。フリゲート艦は特に大人数になるとちょっとした蚊の大群のように素早い群れになるとか、インターセプターはタックルする上で非常にタフであるとか、駆逐艦は高火力紙装甲なので、単騎でゲート付近に浮いていたらタックルされる以前の問題ですぐに死んじゃうとか。



いいですか、それぞれの船の種類ごとの違いを大まかに知っておいてください。例えば戦艦がゲート前で座っていたら、スマートボムを積んでいるか、めちゃくちゃ装甲を盛った囮だろう、という具合にです。こういった事は、あなたがプレイしていくうちに学んでいくものです。ただ、船の種類ごとの一般的な違いであったり、それがあなたの船やフリートとどう相互作用するかしないかという知識は、まあ、フリートに参加したりしてあなたもすでに十分知っているでしょうが、もしあなたがプレイ開始一日目のプレイヤーで、その一日目にFCをやるとすると(あり得ないことではないです。やるべきとは言いませんが、出来ないことではありません)、するとまだこういった大まかな知識はないはずです。ですが、大まかに船の種類ごとの違いを把握する程度であるなら、〔FCに求められる知識としては〕かなり簡単だと思いませんか?



 さて次は、「EVEのプレイ歴が長くないことへの恐怖」です。もう、これは私も聞くたびに死にそうな気持ちになります。「私、そんなに長くEVEをプレイしていないし」とか「私、全然EVEをうまくプレイできていないし」とか、誰かが口にするのを聞くたびに死にそうになります。問題はFCに挑戦するまでに長い待ち期間をつくってしまうと、その期間にあなたの視野が凝り固まってしまう危険があるのです。何かを学ぶにしても決まった視点からしか見えず、自分からリスクをとる可能性は低くなり、それが逆に、リスクを呼び寄せることに繋がる。アプローチ手法もより決まりきった方法しかとることができなくなり(何故なら自分が学んだ方法はこれなんだもの)、自分から何か挑戦しようとしたがらなくなる。

なぜ私が人になるべく早い時期にFCを経験しろと強く推奨するかというと、それがとっても安上がりだからなんです。そして早い時期なら、実際に安上がりです。幸い、私たちは準備しておけば戦闘で死んでもポッドやインプラントにお金を払う必要はなくなりましたし。



 さて、それでは具体的にFCをやる上での話に入りましょう。

 第一に、「シンプルにとどめよ!」

 船の種類は一種類にとどめることです。フリゲートのフリートで出るにしても、駆逐艦のフリートで出るにしても、あるいは私が長い事お気に入りにしている「キッチン・シンク・フリゲート&デストロイヤー」で出るにしても、フリート全員、船の種類はひとつに統一しましょう。それもあなたが一番よく親しんでいるものに統一しましょう。もしフリート全員が概して同じ種類の船であるなら、戦闘になったときに何がおきるかはずっと予測しやすくなります。フリゲート艦のフリートであるなら、広大なシステムでも素早くワープできますが、誰か一人でも戦艦のレイブンに乗っていると、全ての行動において移動時間は三倍かかるでしょう。もしフリートの誰かがどうしてもレイブンに固執するようならば、いっそレイブンをもう二隻渡してみましょう。彼は囮に使えるかもしれません。



 フリゲート艦や駆逐艦など、あなたが十分に親しんでいる船でフリートを統一するのは賢明な判断です。しかし、やった事のない違う手を試してみるのも悪くありません。ひょっとすると、どうしてもスタッバー艦隊でフリートを組みたくなるかもしれません。でも絶対に最初のルームでやらないで下さいね。



私は特に最近、ごく短射程の殴り込みフリートでさえもむちゃくちゃ面白いことを知りました。高いDPSで、相手の顔面を殴る。標的の目の前にワープして、目と鼻の先に集結して、相手を殺して、標的が仲間を呼んでも追手が駆けつける前に退散する。たったこれだけです。ですがこの作戦は、フリート全体の範囲をどう保とうとか、レンジコントロールをどうしようとか、アンカーが誰だとか心配する必要がありません。アンカー……ハア、こういう時にも必ず誰かが「それでェ~、アンカーは誰なのォ~?」って訊くもんだから私も泣きたくなりますよ。「いないの! あなたが乗ってる船でしょ、あなたが操縦するの! 私が代わりに操縦したりしないの!」こんな事もありますが、短射程殴り込みフリートは本当にシンプルです。ただ標的に向かってワープしてキルをとってくるだけです。



 さて、少なくともFCを始めてから最初の数回は、一人ないし二人のスカウト役から情報をもらうようにしたいものです。何故なら情報過多による過負荷は、マジで脅威です。そして情報が氾濫すると、人は動けなくなります。例えば二人のスカウトを別々の場所に送って、そこから異なる偵察情報が同時に流れ込んできて、あなたはただ画面の点を見つめながら「よし、状況を整理しなきゃ。あの船はどこへ行った? 自分たちはどこにいるんだ?」って考えていると、そこへ別のスカウトから隣のシステムでの偵察情報が入ってきたりして、そうなるとあなたは二人の異なる偵察情報を行ったり来たりしてしまい、今何が起きているのか、何をすべきなのか、決めきれなくなってしまいます。そしてこれは、あなたが抱えるスカウトの人数が四人や五人へと増えるほど、流れ込む情報量に飲み込まれて悪化していくものです。なのでスカウト役は一人か二人にとどめましょう。それはスカウト役との良い人間関係を構築する助けにもなります。



 あなたはFCとして、スカウトと良い関係を築きたいですか?

 ならば「楽しい場にしよう!」いいですか、あなたはパーティー主催者です! 

私はこれまで、テーマをつけたネタフリートをけっこう立ち上げたりしてきました。「ルーキーシップフリート」や、「観光ツアーフリート」といったもので、その目的や勝利条件はただその場所にたどり着くことで、「B-Rに行こうぜ!」「今日はタイタン『Aki』を見に行こう!」といった具合でした。



なので道中に襲撃されて完全に壊滅させられても、依然として私たちの勝利です。だってラッキーなことに戦闘があったんだもの。それが私たちのログインする理由ですもの。そして、もし何事もなく目的地に到達できたとしても、やっぱり私たちの勝利です。だって私たちは目的地に到達できたのですから。それにもしかしたら、帰り道でグットファイトがあるかもしれません。それは誰にも分かりません。



 それと観光ツアーフリートというのは、何かを挑戦してみる場としてとてもよい機会ですし、新人FCが一番最初に経験するフリートとして非常にいい選択肢です。何故なら「達成すべき戦略的目標」といったものをあまり心配する必要がないからです。何よりシンプルです。目的地を設定して、出かけるだけ。



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