2020年7月22日水曜日

翻訳記事:EVE Vegas2019  「誰でもFCはできる!」 講演者 Greygal, Affirmative Part1/3

※ 元動画は45分にも及ぶ長いものです。そのため、字幕ではなく文字起こしと翻訳をしてもらいました。

翻訳者:渋丸

元動画

この動画について

FleetCommanderに挑戦してみることを奨励し、その方法に焦点を当てた講演です。内容はFCのやりかた、意思決定、FCをする際に理解しておくこと、新人FCがやりがちなミス、ヒントなどetc
恐れてFCをすることに足踏みしている人たちの手助けになるでしょう :)

以下、文字起こし(翻訳文)


カフェインは十分にあるかしら。(Greg Ellがコーヒーを飲む)

もういい? 始めるわよ?


皆さんこんにちは、Greg Ellです。

EVEのプレイ歴は十年以上。FC(Fleet Commander:艦隊指揮官)歴は、良いのか悪いのか八年以上になります。

今回は、私のこれまでの体験や不運な出来事を共有することで、是非ともあなたから、思い込みを取り除き、でっかい椅子に座ってもらって、あなた自身がFCになることを後押ししたいと思っております。

我々にはFCが足りません。圧倒的に、EVEにはFCが足りません。



(プロジェクターに映し出される)

さて、まず第一に「フリートとは何でしょう?」



EVEでフリートとは「基礎となる社会的グループ」です。

多分、「思っていたのとは違うことを言うなあ」とお考えでしょう?ですが現実にそうなのです。フリートこそが基礎であり、最も根本的な社会的つながりです。そこで私たちは信頼を築き、共にはたらく方法を学び、チームが構成され、そこで私たちの中に忠誠心のようなものが、自分のコーポレーションやアライアンス、特にFCに対して芽生えるのです。



もしあなたがコープのCEOやアライアンスの執行役員なら、FCにはよくしておくべきでしょう。何故ならプレイヤーたちが最も信頼を置くのは、実際に彼らにコンテンツをもたらす人です。もしあなたがFCに意地悪なら、まあ、悪くは言えませんが、FCは去ってしまいますし、一緒にたくさんのアクティブメンバーを引き抜いてしまうでしょう。
なのでFCにはよくしておくべきですし、特に新しいFCの誕生を推奨すべきです。



さて、脇道はこれほどにして。



フリートとは大変に、大変に重要なもので、何か活動したりEVEで勢力を維持する上で決定的な要素であります。

ここでいうフリートとは、単にPvPフリートだけでなく、全ての種類のフリートを指します。

何故なら人がフリートに参加する時期が早ければ早いほど、他のプレイヤーと接触する可能性はより高いわけで、EVEはソーシャルゲームなのですから、そういう人はより高い確率でログインし続け、このゲームに長くとどまるのです。

いかにフリートが勢力の維持に重要なことか。

 フリートこそ、私たちがログインする理由です。

まあこれについては統計的な証拠がありまして、たくさんの統計がありますが、今回はお話ししません。



 今から八年前、私はAgony unleashedというコーポレーションとアライアンスに入り、そこで2006年から2016年までPvP Universityという小さなプロジェクトに携わりました。

Agonyは第一の、いわゆる自由参加なコミュニティで、月に数回は「PvP 基礎講座」というものをひらいていました。

これは数時間の座学と実戦練習があるクラスで、十数年間で一万人近くのプレイヤーがこのPvP基礎講座を受けていきました。そのクラスを私も受けましたが、私は本当にこれが気に入って、彼らのお陰で私は今でもプレイしていますが、結局私もここに加入しました。私はどうしてもPvP Universityに入りたかったし、クラスを受け持って指導して、新たなプレイヤーを送り出したかった。何故ならあそこは新しいプレイヤーとPvP初心者が混在する場所で、私は最初、何カ月も何カ月も何カ月も勉強して学ぶべきことを全部学び、教えるプロセスを学んだり、どうやってクラスを運営するかを学び、そしてようやく彼らは私にこう言ってくれました。



「よくやった。これからは君がクラスを受け持って、フリートを指揮するんだ。これから君はPvP基礎クラスを卒業するんだ」



こうして、60人ほどのフリートの中に33人ほど新しいプレイヤーを連れて(私の言う新しいプレイヤーとは、始めて三カ月未満の人のことですが)、一行はハイセクにやって来ました。そこで私はどうやってアラインするとか、ゲートをくぐるときの戦略だとかを説明していましたが、そのとき誰かが「ローカルにレッドがいる」と言い出しました。私はというと「まあ、ここはハイセクだし。ハイセクでレッドに出くわしても心配ないわ」と思ったのですが、すると突然「ドカン!」……ハイセクで、フリートは、すっかり、ギャンクされました。一人残らず撃墜されて、フリートで唯一死ななかったのは私だけでした。



 さて、どうしてこの話をするかというと、もしあなたが一番最初に参加したフリートでハイセクにいるにも関わらずギャンクされたとしたら、それは誠に、誠に最悪な出来事でしょう? 誰でも「ハア~、二度とやらんわこのゲーム」って思います。ですが、この最初のクラスにいた87%の人は一年後も遊び続けました。



ちなみに、このクラスで私はけっこうしくじりまして、だいだい六回、フリートを完全に壊滅されました。とにかく、87%の人はその一年後にも遊び続けていて、三人は、その後ログインしませんでした。



続いて二年後、66%の人が継続して遊んでいて、三年後、60%の人が継続していました。あの日から今日に至るまで、当時33人いた新しいプレイヤーは全員プレイを始めてから三カ月未満で、中でも四人はプレイ開始から一週間未満でしたが、12%のプレイヤーは今でもEVEを遊んでいて、その内一人は当時まだプレイ開始から一週間未満だった四人の中にいました。



Agonyは長年、驚異的な記録をあらゆる教室のあらゆるプレイヤーにもたらしました。クラスに参加したプレイヤーには新規プレイヤーもPvP初心者もいましたが、私は彼らのデータを全て分析しました。PvP Universityが運営されていた十年間、平均で82%、82%のプレイヤーは一年後も遊び続けていました。



私がAgonyに入ってから二年半後、Redemption RhodesとAffirmative Allianceが始動し、Redemption Rhodesはパブリックルームとして使われ、そこには「new bro room」と短く呼ばれるルームが設置されました。

そこでは教室が毎月ひらかれ、私は過去六年間で約六千人のパイロットを輩出しました。クラスは単なる日ごと開催のクラスで、20分ほどの説明やそこら辺を飛び回りながら私は毎回全部説明していましたが、平均して70.5%の新規プレイヤーがその一年後にも遊び続けていました。



この二つの組織から得られた統計を全て精査してみると、私はあることに気が付いたのです。だってクラスはパブリックなのだから、みんな異なるバックグラウンドを持っていて、異なるコープに所属して、異なる環境、異なるアライアンスに所属しているわけです。

たったひとつ共通しているのは、彼らはPvP初心者だということと、彼らはフリートに参加したという事実です。実はフリートに参加する時期が早いほど、EVEを長くプレイしているのです。



そしてすでに一年ほどプレイしてから初めてPvPフリートに参加した人の一年後のプレイ保持率は、PvPフリートに参加しなかった人たちと比較すると、それぞれ60%と65%でした。プレイヤーが特にPvPフリートに入るまでの期間が長いほど……マイクの音量失礼……まあPvPこそが私たちがEVEを遊ぶ動機なわけで、これがEVEの最も遊ばれているコンテンツなわけで、これに参加するまでの期間が長いほど、彼らはフリートに参加する可能性が少ないのです。ですがもしプレイヤーがフリートに参加する時期が早ければ、彼らは自分からフリートを探すようになりますし、よりフリートに参加するようになりますし、フリート活動のあるコープに加入するようになります。それはフリートの種類によりません。つまるところ、FCの数が必要なのです。さらに言えば、フリートがもしハイセクで完全に壊滅させられても、彼らはEVEを辞めたりしないかもしれません(笑)。



さて、一体「フリート・コマンダー」とは何でしょう? それは意思決定者です。それがフリート・コマンダーの第一の仕事です。あなたの仕事は、何かを決定することです。決してFCをやりながら同時にロジを走らせることでも、キャラを同時操作することでもありません。

あなたの仕事は意思決定であり、フリートでは決定すべき事がたくさんあります。そして最も重要な意思決定は、もちろん「役割の委任」です。メンバーに役割を任せるほど、フリートのメンバーはより深くフリートに関わりますし、より真剣にあなたと行動を共にするようになります。役割を任せられることで、彼らはフリートの一部になり、フリートの生命を一部担うことになります。そして実際、メンバーに役割を任せることでフリートの効果はより高くなります。

誰だってヒーローになりたいのです。フリートに参加した人に仕事を振って役割を委任することは……例えばスカウト役やブロードキャスト役、マップ監視役、ローカル監視役……任せられる仕事は全て任せるのです! 何故なら任せることでフリートメンバーはより深くフリートに関わることになり、より深く「これは大事だ!」と感じるようになります。だって事実だから! メンバー抜きのフリートなんて、残るのはあなたとあなたのオルトだけです。





 さて、次に重要な意思決定は、「何をもって勝利とするか?」です。そのフリートにとって、何をもって勝利条件とするのか。

EVEはご存じの通り、サンドボックスゲームです。誰かは「キルボードが重要だ」と考えて、それを勝利条件と考えますし、誰かは「敵を全員やっつけた」ことを勝利条件とするでしょう。それはそれで構いません。ひょっとすると「私たちは決して落ち込んではいないから、私たちの勝ち」と考えることだってできます。

 

あなたは何をもってフリートの勝利とするのか決めなければなりません。それは例えば全宇宙をぐるりと一周することかもしれませんし、ある目的地にたどり着くことかもしれません。あるいは一定のISKを稼ぐことかもしれませんし、ローカルに大量のメッセージを投稿することかもしれません。この事はまた後で触れます。何故なら、あなたがパーティーの企画者なのです。あなたがフリートの種類を決めて、その勝利条件を決めるのです。



 さて、「なぜあなたはFCをすべきなのか?」それはあなたがコンテンツを求めているからです。ログインする理由を求めているからです。

 あなたがFCをすべき第一の理由は、「ログインする動機を求めているから」です。誰も義務的にログインしたくはありません。まあ、特にしばらくFCをやっていると、次第にそれが義務的に感じられるようになってくるでしょうけど。



ログインするのは、人が自分にFCをやってフリートを動かせと言っているからだと感じるようになってきて、そうなると楽しみは感じなくなってきます。これはあなたがもう少しプレイしてFCとして経験を積んだときに考えるべき問題でしょう。



ですがそれは私も経験してきた逃避の一種です。ログインすることが義務的に感じてくると、プレイがそこまで楽しくなくなり、「ログインするのはしたくてやっているんじゃない。何かコンテンツが欲しいわけでもない。人がやれと言ってるからだ」と感じるようになります。

 

さて、あなたはログインして仲間と遊びたいわけですし、アクティビティを増やしたいわけですし、勢力を維持したい。コープとアライアンスにとってFCがいるというのは、コンテンツを提供する人がいるということです。たとえ誰もがいずれFCをやりたがらなくなるとしても。それがアクティビティを増やして勢力を拡げます。



あなたはより良いフリートメンバーになりたいはずです。例えあなたが長いEVE歴の中で一度しかFCになったことがないとしても、その経験があなたをより良いフリートメンバーにします。どのようなフリートであってもです。

何故ならFCを経験することで、FCのすることがどういうものか、より良く理解できるわけです。このFCが何を求めているのか、より良く察することができるのです。そのフリートに求められているサポート役をより良く実際にこなせるようになるのです。



例えばスカウト役だったり、ブロードキャスト役だったり。そうすると、より深くEVEというゲームを理解したくなってきます。それも究極の実践的な意味での知識で。だって、船のステータスや装備を完全に記憶していても、実際に戦ってみるとそんな記憶はちっとも役に立たなかったりするでしょう? 戦況は常に進展します。状況は常に変化して、進展して、船のグループが別のグループとどのように関わるかは、刻一刻と、FCがどういう決定をしたのかというシンプルな理由や、フリートメンバーの行動、どういうフィットか、どこに位置していたかによって変わるのです。



例えば30隻のデストロイヤーで構成されていたフリートが、5隻のコンフェッサーを完全に壊滅したとしても、次の日にはこの5隻のコンフェッサーがあなたのフリートを壊滅に追い込むかもしれません。何故なら状況はあらゆる膨大なパラメタに依存して進展するからです。だからこそ、より実践的で現実的な、生きた経験を学んだり練習したいわけです。そうすれば、何か役割を任されても、本当により良い生きた知識を発揮できるようになります。



私個人としては、自分のことを「仕事を任せるのがうまい」と考えていたのですが、FCをやるようになって、はるかにずっと良く仕事を任せられるようになりましたし、フリートのメンバーをより深く信頼して、彼らの働きを信頼するようになりました。私が人に何をしてほしいか頼んで、彼らの働きに任せると、彼らは非常に奮起して挑戦に取り組みますし、期待をはるか高く越えた仕事をします。



あなたが人に仕事を任せるのが下手なFCなら、彼らはとても助けになります。FCをやることで、どうすればより良いコミュニケーションをとれるかや、より連絡を手短に、簡潔にとる方法を学ぶことができます。例えばFCがスカウト役に「よし、君は今からあそこのゲートにワープしてアラインして、その辺りにこれこれのような奴らがいないか見てきてほしい」と言いたいなら、言うべきことはこれだけです。「出口ゲートを見てこい」。あなたの指示が悠長すぎて、その指示を聞いている間にフリートメンバーが動けないとすると、まあ、敵を殺す機会を逃しますし、その間にフリートのみんなが殺されるかもしれないし、悠長な指示はメンバー全員の邪魔になります。「冗談じゃないよ、俺はもう12年もスカウトやってんだぜ。何をやりゃあいいか分かってるよ、いちいち言わなくていい」っていう事になります。



 誰だって船を出航するときは、そこに異なる新しい体験があることを期待しますし、実際にそうです。その先で何が起こるかは誰にも分かりません。出航した先は、全宇宙のあらゆる地点が目的地になる可能性があります。何が起こるか、誰が知っているというのでしょう。ホットドロップを食らって撃墜されることになるかもしれませんし、もしかしたら輝かしいキルをとることになるかもしれません。誰にも予測はできません。




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