2021年5月1日土曜日

Drifters(ドリフターズ)に関するストーリー - そして彼らの正体についての考察 その2

 (原文:https://forums.eveonline.com/t/compilation-speculation-the-lore-of-the-drifters-and-their-other-possible-identity/143079/2)


アルファ

YC118年1月初旬、アノイキス銀河の中でもハイヴサイトのあるシステム各地にて、シスターズ・オブ・イブの小隊の姿が目撃された。彼らが現れたのは、ハイヴサイトのアクセス難易度が変更されたのと、全く同じ時期だった。また、カプセラたちがドリフターズをアマ―の領域から引き離す二度目の衝突とも、時期が被っていた。アノイキスで目撃された小隊は、後にドリフターズのバイオテクノロジーを調査していたことが暴露された。直後、シスターズ・オブ・イブが主催する「プロジェクト・ディスカバリー(Project Discovery)」の発足が発表された。プロジェクトは、参加者の自発的な研究協力によってドリフターズの生体組織サンプルを解析し、新たなテクノロジーの確立を目指す公開プロジェクトだった。


YC118年は、ほとんどドリフターズに関連したイベントは起こらなかった。ただし、「Arithmos Tyrannos」という新たなパイロットが出現したのは、この年の出来事だった。彼らはハイクラスのアノイキスシステムでスリーパーの飛び地を守り、資源の略奪を防ぐよう任命されたのだと思われる。この時期の主なイベントといえば、ジョビ理事会がコンコードから離脱し、後任に意識思考学会が指名されたことくらいである。(この背景については「Inheritance」を読んでください)


YC118年10月の終わり、四大国は新しいクローン技術を軍事的に応用しようと実験を行っていたことが暴露された。このクローン技術は、コンコードの協定を巧妙に避ける形で、シスターズ・オブ・イブから同時に四大国にもたらされていたことが明らかにされた。テーラの存在を最初に暴いたことで知られるシスターズ・オブ・イブの分離派メンバー、シスター・タヤ・アキラ(Sister Taya Akira)は、事が明るみになった数日後、次のように警告した。「新しいクローン技術は、プロジェクト・ディスカバリーの協力のもと、ジョビの生理機能へのより深い理解を目指してドリフターズのサンプルを研究した結果から得られた直接の産物である。ドリフターズやアノイキスから得られた技術的進展というのは、最大級の警戒をもって見守るべきである。」


11月はじめ、タヤ・アキラは、ドリフターズの活動に変化が見られたことを報告した。ドリフターズは新たなテクノロジーが開発されていることに対して、何か行動を起こす準備を進めているのではという見方が広まった。11月15日、コンコードは自主自立したカプセラたちに向けて、アルファクローンという新技術を公表した。次の日、ドリフターズが再び襲撃を開始した



ドリフターズは、New Eden全域に点在する四大国の極秘軍事研究施設を標的に定めた。極秘施設は採掘サイトの近くに位置しており、謎に包まれたスリーパーのインフラ設備にほど近い場所に建てられたものもあった。極秘施設に対してドリフターズが集中攻撃を開始すると、四大国は強い軍事的反発を示した。各国の海軍は多数のカプセラ候補生のトレーニングを促進させ、直面する脅威への対策を急いだ。ドリフターズを退ける闘いは、新たなドリフターズ・ハイヴを戦場にして、最終局面に突入した。しかし、ハイヴは前例がないレベルの巨大質量転送によってk空間へと転移された。ハイヴを移動させるために使われた極渦の残りは、ネクサスアノマリで見つかるものと類似していた。しかし今回の極渦は、周囲に大量のデブリが散らばっており、ネクサスの極渦の中心とは異なる色のコアポイントを持っていた。アノイキスシステムにはカプセラにとって未発見の場所があり、まだ見ぬドリフターズのインフラ設備が存在していることを示唆していた。ハイヴは破壊され、帝国とカプセラたちの奮闘により、ドリフターズは再び退けられた。



第三

YC119年4月、プロジェクト・ディスカバリーの主催が、シスターズ・オブ・イブからコンコードに移ることが発表された。コンコードの背後でシスターズ・オブ・イブがアルファクローン技術をばら撒いたことに対する、報復措置の意味合いもあった。(ストーリーの全容を知るには「アルファのサイン波」「オメガのサイン波」を読んでください)


7月になると、プロジェクト・ディスカバリーの第二期が始まった。今度のプロジェクトは、新世界の探索という明確な目標の下、惑星の軌道データ解析を含む研究が行われた。しかしNew Edenの範囲外を探り始めたのは、新たな植民地を獲得したいだけなのでは、という見方もなされた。


二ヶ月後、「Quartermaster」という識別子の人物が、エージェントを経由してパブリック契約を投げかけた。契約の依頼内容は、新たに発見されたサイトへ出向き、壊れたスリーパーの飛び地やドリフターズの戦艦が所有する謎めいたTrinary Relics、そして新たなクラスのスリーパードローンを回収してくるという内容だった。新たに登場した「Eosian」スリーパーは、ドリフターズの船を破壊して中からRelicsを回収したり、 新たなサイトの防衛戦力として動き回ったりと、二役の働きを活発に行っていた。またこうしたドローンは、エリアに近付く者をすべて攻撃対象にし、侵入者が何かくすねることがないよう目を光らせていた。


壊れた飛び地やサイトの防衛戦力は、略奪されたスリーパーの倉庫と並んで、既存の領域に隠されていたスリーパーのインフラ設備の代表的な例である。


このスリーパードローンの設計は、アノイキスでガーディアンドローンとして稼働している古代の戦艦級艦船の設計と類似しています。ドローンの細部にはいくつか違いが見られ、同じサイズのスリーパードローンによく見られる引っかき傷がありません。このことから、つい最近製造され、稼働し始めたドローンのひとつであることが分かります。この強力なスリーパードローンは、ドリフターズの残骸を守る戦力の一部として働き、彼らの技術が盗まれないよう防衛しているようです。

  Eosian Upholderに関する記述


Eosian Inquisitorの設計は、Circadian Seekersといった、ドリフターズに随伴するスリーパードローンと共通する基本設計を持っています。しかし、こちらの方がはるかに脅威です。見たところ、このスリーパードローンはドリフターズの残骸からテクノロジーを回収しようと敏感に反応し、他の勢力が同じ行動をとると積極的に阻止しようとします。ドローンには、調査を行った戦闘区域から回収したアイテムが積み込まれている可能性があります。

  Eosian Inquisitorに関する記述


Corrupted Trinary Relics

ドリフターズの残骸近くで見つかるさまざまなレリックの寄せ集めは、未知の勢力との激しい戦闘で破壊されたようです。このアイテムは、さまざまな設計のもとに3進法で書かれたデータの蓄積のようです。異なるデータシステムや時代さえも異なる対象に使われるものと考えられます。レリックは明らかに壊れており、何らかの理由で急いで放棄されたstasis vaultに、リカバリードローンはこの物体を置き去りにしました。

このアイテムは古代のテクノロジーで出来ている上に、激しく損傷していますが、コレクターの関心を得ることがあるかもしれません。この種のレリックを十分集めたとき、アイテムに秘められた何らかのデータが得られる可能性があります。


コンコードCDIAは、3進法で書かれたレリックの危険性を強く訴えた。曰く、「間違った人物の手に渡れば非常に危険なことは明白である。このレリックが元となって、神経ミーム的なワームによる人々の支配や、弾圧的な情報戦争テクノロジーが開発される可能性がある。反物質爆縮を利用して処分するのが理想的である。」(注記:反物質とは、物質と衝突すると対消滅を起こす特殊な物質のこと。反物質爆縮装置を用いた処分とは、破壊・分解などの方法とは違い、完全に対象を消滅させる徹底的な処分方法だと言える)当然の成り行きではあるが、カプセラたちは謎めいたレリックを一斉に持ち寄り、他のジョビ関連のデータサンプルなどと比較して情報が得られないか調査を始めた。


YC119年12月、ローグドローンの活動が活発になると、新たにRogue Swarm Alertの時代に突入した。これと同時期、シスター・タヤ・アキラが消息不明となった。Sjakhuniというアルファクローン技術の拡散に深く関わっていた人物が、諸々の対価を支払うために招かれざる客としてユーライのシスター・タヤ・アキラとSister Latimasの元を訪れたとき、シスター・タヤ・アキラはローグドローンによって連れ去られたのだった。(背景のストーリーを知りたい方は、再度アルファのサイン波」「オメガのサイン波を読んでください)


Swarm Alertの真っただ中、コンコードはコンコード・エアロスペースおよびプロジェクト・ディスカバリーの研究メンバーが実施する、普遍的なタイムベース測定の取り組みを発表した。しかし、プロジェクト・ディスカバリーのHolnar ReinretがYC120年1月6日に研究を開始し、コンコード・エアロスペースの広報担当官Lorienne Nesifがこれに加わったとき、自らを「The Astromancer」と名乗るカプセラとその仲間が、実験を中止させることを目論んで研究コンボイへ攻撃を開始した。カプセラたちの協力によって攻撃者と仲間の船が破壊されたとき、攻撃者の仲間の身元はAlgintal Coreという、元々は「Algintalコンステレーションで、ローグドローンの行動を研究する企業の利益のために出向」してきた武装グループであることが分かった。そして船の残骸からは、以前コンコードによって神経ミーム的なリスクが警告されていた、Trinary Relicsが発見された。


その後、1隻のドリフターズの戦艦が現場に到着した。ドリフターズはただ、コンボイでのミッションが達成されたことを静かに見守っていた。後にカプセラから攻撃されるまでは攻撃の意思を示さなかったが、彼が反撃に転じたとき、ご自慢の武器は撃ち損ねたようだった。Pharos of Theraは、すぐさま共同研究に対して声明を発表した。実験はタイムベース研究を装って真の目的を隠しており、研究の本来の目的は、ドリフターズ対抗兵器のテストを含んでいるとの主張だった。この主張は当初、単なる憶測の域を出ないとして、多くの人によって否定された。しかし、検死を行う目的でAstromancerの遺体を輸送していたPhoenix Naval Systemsの船が、コンコードの工作員から妨害を受け、貨物の引き渡しを強制される事件が発生した。この事件により、疑惑が一気に深まることになった。



AZDAJA

YC120年半ば、クラスタ全域でおびたたしい数のドリフターズの艦船が、深刻なダメージを負った状態で発見されるようになった。こうした状態で最初に発見されたのは、ハイヴサイトにいたTyrannos船のフリートだった。その後、スターゲートの周囲にはどこからともなく追加のフリートが一斉に出現し始めた。最初の遭遇後、コンコードCDIAが保管する機密資料が複数のカプセラ組織へと漏洩した。破損した映像ファイルからは、エネルギーに満ちた未知のオブジェクトが確認された。


ドリフターズと交戦し、彼らを退ける活動に従事していたカプセラの中には、Tyrannos船によって運ばれる「Trinary Vaults」の奇妙なメッセージに興味を抱くグループがいた。内容は未知のコードと言語によって暗号化されていたが、カプセラのグループはすぐに暗号解読を開始し、何者かによって書かれたメッセージの内容を紐解き始めた。その後、クラスタ全域でドリフターズの巡洋艦が出現したことに続き、ドリフターズの出現数が増加したことで、カプセラは多くのVaultを収集することに成功した。数カ月後、謎めいた言語は完全に解読された。Vaultの内容には、カプセラがまだ足を踏み入れたことのない異常な環境で、未知の船(後にコンコードから漏洩した映像にも映っていたことが判明)がドリフターズと交戦している映像が映し出された。


暗号解読の努力の末、解読された映像の中には新種の巡洋艦の姿が確認された。その後、映像と同型の船だと識別できる巡洋艦が、ひどく損傷を受けた状態でユーライ5に現れた。ユーライ5に現れた巡洋艦は、コンコードのSARO Captain Oveg Drustが操縦していた。彼はAstromancer事件の関係者でもある。ステーションは、彼をドックに入港させても安全であると確認できるまでユーライ10ステーションの外で船を隔離し、48時間後、ようやく入港を許可した。


毎年恒例の意識思考学会の会合は、カプセラたちを集めてユーライ3で開催を予定していたが、会合期間中にコンコードによる特別ブリーフィングも開かれることが告知された。


アビサルデッドスペース(abyssal deadspace)の深淵への到達、そしてそこにいる住人こそが、ドリフターズの標的だった。カプセラが最初にアビスへと突入した日から、アビサルデッドスペースでは、ドリフターズが出撃する姿や、「Lucid」スリーパードローンが頻繁に目撃されるようになった。アビサルデッドスペースは極めて異常な空間のため、アビスで発見されるドリフターズは、持ち前の超火力武装をうまく活用できないようだった。



アビスが開いたすぐ後、トリグラビアンのキャッシュ(Triglavian caches)からは、Trinary Datastreamが回収されるようになった。このトリグラビアンの遺物は、共同体が目撃した、アビスへ突入を試みる人々の姿をとらえていた。「古代の敵Azdaja」との遭遇、というタイトルのついた映像には、アビスへ突入するドリフターズの姿が確認された。タイトルの名前から、トリグラビアンという種族はドリフターズのことを(「ドリフターズ」という形で認識していたかは不明だが)古くから認識している可能性が浮上した。しかも、彼らが現在拠点とする場所で活動を開始する、はるか昔から知っている可能性を示していた。


(注記:以下のドキュメントは、ゲーム内アイテムの説明文になります。一部、パズル的な要素も含まれると考えられるため、原文のまま記載します。)

Triglavian Datastream AEA1

Cladeships of the 3 tactical troika classification in communion militant of Varpulis Subclade of Perun Clade encountered the Ancient Enemy Azdaja at reverse-time co-ordinates (indecipherable) while processing in sub-18 exclave of conduit loop construct-405. Absolute imperative of poshlost extirpation against Azdaja was invoked without acceptable material realization. Tactical troika of Varpulis Subclade placed a casting of absorbed data into the cladeflow for reflection of Convocation of Triglav Outside the Struggle.


Triglavian Datastream AEA2

Convocation of Triglav Outside the Struggle has affirmed the need for playful communion of repeated-time by the Clades Assembled and Subclades Militant and Technical. The entosis of the Ancient Enemy Azdaja into the loop constructs must be sever-reversed by the volition and merge-consent of Convocation of Triglav Outside the Struggle. The adaptation schema of cladeships for all tactical troika classifications may be entered into the cladeflow without proving.


Triglavian Datastream AEA3

Report of the Paramount Strategic Troika of the Leshak Subclade of Veles Clade has reaffirmed the dispersal of reverse-time reclaimed adaptation schema of 729 tactical troika classification vessels into the cladeflow after proving in anti-cladistic mortification with the Ancient Enemy Azdaja. Repeated-time casting and winnowing of invocations of imperative of poshlost extirpation against Azdaja reveals a (indecipherable) acceptable material realization.



侵入者

YC120年はドリフターズの行動に大きな変化は見られない年ではあったものの、ハイヴサイトのワームホールの出現数が増加する原因不明の現象が起きる時期があった。


YC121年1月、セミキ(Semiki)システムの5つのステーションで、ウイルスのパンデミックが発生した。この超適応型マルウェアの発生源は、同じシステムにあるザイノウ(Zainou)ステーションだったが、発生初期は存在を見過ごされていた。マルウェアが拡散した原因は、Steine Vailakkelという名の男がステーションへとウイルスを持ち込み、多くの設備に侵入や妨害を行ったことにあった。この騒動の結果、一部の住民は人工重力と通信が途絶する目に遭ったりもした。だが当時、彼と一緒に持ち込まれたマルウェア自体は発見を免れていた。マルウェアは通常の輸送機関に積み込まれることで拡散し、同じシステムのアリアストラ(Aliastra)倉庫に到達するまで、気付く者はいなかった。


ウイルスはアリアストラ倉庫に到着し、感染した輸送データがステーションと同期すると、船内で働く多くの人々が体内に挿入しているインプラントへと感染が拡大した。ウイルスに感染した人々は、重度の偏頭痛、めまい、吐き気、複視などの症状を報告した。情報戦の専門家であるIkomari-Onu Enforcement所属のHagiken Ku氏によると、この手のマルウェアの開発に必要なリソースを考えると、ウイルスの作成を手掛けたのは国家、メガコーポ、または同様の巨大組織に限定されるだろうとの報告だった。また一部から、この手のウイルスはYC111年にSteineの配偶者であるHolene Vailakkelへの攻撃に使用されたものと類似しているという議論が起きた。


状況は悪化の一途を辿った。インプラントにウイルスが感染した乗組員は徐々に追加の症状を経験し、遁走状態や短時間の昏睡など、数分から数時間ほど続くさまざまな症状を報告した。このことを受け、カプセラのグループは事件に関心を持ち、システムにインフラ設備を構築し始めた。するとIshukoneは、カプセラのグループに調査協力を申し入れ、ザイノウから得られた仮説の検証に、協力を求めた。その仮説とは、マルウェアの正体はローグドローンのサブルーチンを大幅に修正したものがベースになっているという説だった。大幅な修正の結果、マルウェアはより積極的に動作すると同時に、さまざまなプラットフォームに対して効果的に破壊・侵入活動が可能になったというのだ。


Ishukone Watch OfficerのKauntora Itkakuは、調査資料の収集へ協力を要請した。例えばローグドローンのネクサスチップや人工知能、その他のフラグメント、収集可能なすべてのtrinary datastreamsが対象となった。同時期、Triglavian Galnetのワームにより、フリゲート級の船がアビスへ探索可能になった。しかしこの調査は、Triglavian Galnetのワームとサブルーチンに加えられた修正が類似しているか確かめるためではなかった。


その後、Arataka Research Consortiumはすみやかに2万個以上のTrinary Datastreamサンプルを回収した。しかし収集フェーズが終わるや否や、SARO Captain Oveg Drustはこの件を「CRG.AまたはCRG.Bエンティティが含まれており、Emergent Threat Case Red Gamma事案に発展しかねない深刻なリスク」があるとして問題視し、すべてのサンプルをDEDへ無条件に引き渡すよう要求した。しかし、無条件引き渡し要求に対してカルダリ国が動いた。彼らはCEPの全会一致の合意を通じて申し立てを行い、Captain Drustの命令を一時差し止めることに成功した。引き渡しは中止になったが、治療薬の開発が成功した後、現存するすべてのマテリアルは治療法に関する研究資料と共に、すべてDEDに引き渡されることになった。


アリアストラ倉庫は、一ヶ月以内にすっかり感染に飲み込まれるだろうと予測されていた。


この期間中、ドメイン全体とセミキシステムの両方で、ドリフターズの活動が活発化した。未確認のワームホールが出現したとの報告例は増え、異常なほど多数確認されたワームホールはどれもハイヴサイトシステムへ接続していた。また限られた数ではあるが、セミキシステムではローミングスリーパードローンやドリフターズの戦艦も確認されるようになった。CEPによる申し立ての直後、ドリフターズの活動はさらにエスカレートした。



その後、ARCの主要施設を含むセミキシステムの複数のシタデルがリインフォース状態に入ったとき、Captain Oveg Drustは(Lorienne Nesifという、Astromancer 事件の関係者でもある人物を伴い)それぞれMarshalとEnforcerに乗船してセミキシステムをうろつくと、システムの各ストラクチャーに対して例の「スキャン」と全く同じと思われる行動を始めた。それはシーカー、ランサー、ドリフターズ(そしてMatshi RaishがJamyl Sarumのタイタンに行った)スキャンと酷似していたのだ。彼らは当時の行動について説明を求められたとき、一切コメントを示さなかった。


その後間もなく、コンコードによって会議が開かれた。会議の場でCaptain Drustは「ドリフターズの活動を抑制することを目的とした対抗策が開発され、ようやく今、十分な成果を収めつつ展開されていることを報告します」と発表した。このことは、Astromancer 事件の後にPharos of Theraが主張した疑惑をいくらか深めることになった。



侵略

YC121年6月末、Vigilant Tyrannosがヌルセク領土に対して大規模な侵略を開始した。識別可能なパターンなどの兆候は一切なく、ドリフターズは連日、標的のシステムへと大挙して押し寄せた。彼らは目につくカプセラの船やストラクチャーを無差別に破壊し、中から出てきた人間に対しても容赦なく攻撃した。



すぐさま、カプセラが主体の大規模組織によって、ドリフターズを撃退するための有効な戦術が開発された。しかしそこには、かつてコンコードが示した対抗策の姿はどこにもなかった。ドリフターズの攻撃が激化するにつれて、アクティブモードのローカル流体ルーターにかかる負荷が増大し、はるかに深刻な問題が引き起こされた。ヌルセキュリティ空間全体で、アクティブなローカル接続リストが全面的に遅延する、ブラックアウトが発生したのだ。この事態は無期限に継続する見込みとして、当時は受け入れられた。


ブラックアウトイベントのほとぼりが冷めるまでの期間、ドリフターズの手による犠牲者の総数は10億人を超えた(Tyrannosがあらゆる場所で、非カプセラであるベースライナーの設備やステーションを攻撃したことで、犠牲者の数は一気に増加した)。犠牲の重みは広く実感されたが、同時により不吉な事実が明るみになった。


ドリフターズがブラックアウト期間に攻撃を行った目的は、後日すぐに明らかになった。Vigilant Tyrannosは物資を集めていたのだ。ドリフターズはベースライナーたちの資源抽出施設を優先的に攻撃し、施設が溜め込んでいた資源を略奪することで大戦果を挙げていた。ドリフターズが略奪を行った施設に、生存者は一人も残されていなかった。噂によると、略奪を受けたインフラ設備はどれを調べても、生命体の痕跡は生死を問わず一切発見されなかったとのことだ。


つづく……。




(翻訳:渋丸)



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